2006年09月 北海道 4日目 SLすずらん号ファイナルツアー(前半)
平成11年(1999年)のNHK連続テレビ小説「すずらん」の放送を機に運転開始されたSLすずらん号は、平成18年(1999年)9月10日限りで運転終了となりました。その最終日のSLすずらん号の指定席は取れませんでしたが、ツアーの枠が残っていたので、ツアーに申し込んで乗車することができました。
平成18年(2006年)9月10日(日)
550起床、身支度を整えて、618チェックアウト。鍵を渡すだけの簡単なもの。ホテルを出ると、小雨の上に風が吹いていた。中島公園の入り口付近だけ歩く。このような天気でも散歩している人はいる。
◎中島公園 633→638 さっぽろ 麻生行 南北線 3000系8両編成先頭=3802
札幌の地下鉄の朝は遅い。この電車は麻生行の3番電車である。駅の時刻表に5時台の電車は無い。車内はほぼ満席程度。
さっぽろで下車して地下道をJR札幌駅に移動する。さすがにここまで来ると人通りが多い。
◎札幌 653→755 深川 スーパーホワイトアロー1号 旭川行 L特急3001M 785系5両編成先頭=クモハ785-104
最初は後ろの車両に席を確保したが、ホームから見ると前の方が空いていたので、先頭車両に移動する。荷物を置いてからホームで弁当とお茶を購入。お茶は、珍しくなったポリ容器入りである。
ホームで買った駅弁で朝食。北の黒牛弁当1,000円 宗谷岬肉牛牧場の宗谷黒牛使用とうたっている。原産地表示が進んでいる中での商品。
滝川付近でまた雨となったが、晴れ間も見られてきた。直線の多い区間を時速130kmで飛ばす。特急の客室にも若干の広告があるが、その1つは京急バスのものだった。スーパーホワイトアローは時間帯によっては新千歳空港まで直通運転されることから、羽田空港からのリムジンバスを宣伝しているのだ。
各停車駅に近付くと乗り換えの案内が放送される。自動放送なので単に「**線は乗り換えです」と言うだけだが、深川到着の際に案内する乗換線にJRバス深名線が含まれている。かつてJR線だった名残だろうか。
深川に到着して一旦改札を出ると、既にツアーの担当者がいたので受付を済ませ、ツアー参加者のネームカードと、日程表・列車とバスの座席表を受け取る。
ネームカードを呈示すれば深川や留萌の改札は自由に出入りできる。添乗員はツアー担当者と同じ人。案内書に載っていた下の名前から女性を想像していたが、初老で白髪の薄い男性だった。愛想は頗る良い。
813に旭川方から入ってくるSLすずらん号を、1番線ホームの先端付近から撮影。直線の上ゆっくりとした入線なので、5分位前からヘッドライトが見える。客車は4両。後部にディーゼルの補助機関車が連結されている。
発車までは1時間近くあるが、もう人が集まっている。様々な方向から撮影。機関車の周りでは機関士らが気ぜわしげに点検作業をしている。ホームでは地酒やうろこ餅など名産品の販売をしている。
◎深川 910→1105 増毛 SLすずらん号 増毛行9425レ 本務機C11 207,後部補機DE15 1520,旧型客車4両編成 先頭1号車=スハフ42 2071
撮影後、車内へ。昔の雰囲気を残す旧型客車だが、外観は黒く塗られ、3等車を意味する「III」の表示がある。
車内はボックスシートで、固定のテーブル付。リュックだけは網棚に乗せたが、カメラバッグを持った状態で4人で座るのは少し窮屈に感じる。車内には、だるまストーブがある。冬は実際に使用するのだろうか。石炭も備えてある。
発車前から車内放送での案内がある。オレンジカードの販売は恵比島発車後に2号車の車掌室で行われるとのこと。
列車は汽笛2声とともに定刻に発車。2声とは、後部補機と力行のタイミングを合わせるため。本務SLの「ボー」という汽笛に補助DLが「ピー」という甲高い汽笛で応じて一斉に発車動作に入る。
定刻に発車したが、発車直後の913に、警笛一声とともに急停車。少しして車内放送での説明ではATSの誤作動とのこと。停車中に車掌や客室乗務員の紹介などがある。917にATS誤作動の原因が判明したとして発車。同じボックスの人は、添乗員と知り合いらしく、気さくに話す。以前のツアーで一緒だったのか。数箇月前に、JR最北端の稚内から同最南端の西大山まで列車で行くツアーがあって新聞でも話題になっていたが、その添乗員を務めていたそうだ。その時は台風で、乗り継ぎ予定の列車が半分以上変わったという。そのような時には添乗員は特に大変だろう。
車内放送では、随所で沿線案内が行われる。BGMが常時流されているのは少し余計か。
秩父別の、ちっぷ・ゆうゆは、今回宿泊を検討して結局満室だった所だが、思ったより駅から離れている。
秩父別では、「さようならSLすずらん号」と書かれた細長い風船を振る子供達がいた。機関車が不調とのことで、発車まで少し手間取る。秩父別発車は5分遅れ。沿線各所には、カメラを持っている人が見られる。ラストランだけあって、普段よりもカメラの放列は多いだろう。
937石狩沼田手前の踏切上で急停車。空気圧縮機(コンプレッサー)の不調とのこと。停車中にクイズラリーの葉書が配布される。深川駅、SLすずらん車内、恵比島駅、留萌駅、増毛駅の5箇所にクイズが出題されているので、これに回答して投函すると、全問正解者の中から抽選で沿線特産品が贈られるとのこと。
外の雲行きは怪しくなり、時折雨が降る。940に、急停車の原因が解消されたとして発車したが、今後も急停車のおそれがあるので、立っている時や飲み物に注意をとの案内がある。「解消してないじゃん」との突っ込みや笑い声が起こる。石狩沼田は9分延発。
次の停車駅は恵比島。この駅は、SLすずらん号が走るきっかけとなった平成11年のNHK連続テレビ小説「すずらん」で「明日萌(あしもい)」駅となり、駅舎まで建設された。今日は駅前で明日萌収穫祭が行われていて、賑わいが予想される。停車時間は17分の予定だったが、遅れのため停車時間が短くなるとのことで、残念。
恵比島のホームは大変な人出だった。明日萌駅舎の改札口にはクイズラリーの問題が掲示されている。待合室のベンチと駅事務室にある人形は、4年前に訪問したときと変わりない。
駅前に幾つもの出店がある。車内で100円分の買物券が配られたが、時間が無いのでゆっくりと見て回ることは出来ない。実質10分の停車時間はすぐに終わって乗車。改札付近には、連続テレビ小説「すずらん」に登場する中村旅館(駅前にロケ用の建物があり、土産物店となっている)のハッピを着たおばさんも見送っていた。
ここから登り坂になるので、後ろの車両の空いた席の窓を開けてカーブで前方を撮影。
2号車の車掌室では恵比島発車後からオレンジカードの販売が始まっていて、行列が車両いっぱいまで続いていた。並んで順番を待つが、列はなかなか進まない。並んでいる間に峠下で運転停車。上り列車と交換。これがあるから、恵比島の停車時間を延ばせなかったのだろう。
3号車はカフェカーとして、茶菓や土産物を販売しているが、ここでゲーム大会が始まっていた。その様子は車内放送で中継されているので、並びながら待つ。もうじき順番が回って来る頃には、列車が留萌に差し掛かった。オリジナルオレンジカードは2枚組みで1人1セット限定だが、その他のオレンジカードを3枚買うと深名線特雪のCDロムが貰えるという。その説明とオレンジカードの選択があるために列の進みが異様に遅いのだ。購入すると乗車証明書が貰えるが、2種類からの選択。
購入が終わると留萌を発車するところだった。留萌からは自由席となるため、留萌からの乗客で車内は混雑。自席に戻るのは大変だった。同じボックスで先にオレンジカードを買った人としばらくこの件で話が進む。
そのうち、添乗員がやってきて、しばらく談議が進む。列車はその間に海岸線を通り、終点の増毛に到着した。増毛到着直前の跨線橋の上には、無数の撮影者が並んでいた。
増毛はホームが短いので、1号車と2号車からしか下車できない。駅舎では蕎麦屋が営業していた。その横にクイズラリーの問題。機関車の周りにはロープが張られていて、その周りを多数の乗客と見物客が囲んでいた。
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