2007年09月 長野県 2日目 - 辰野、姨捨

鹿教湯温泉を発ちバスで松本に抜け、荷物電車改造のクモハ123が走る辰野ルートを回ってから反転して篠ノ井線へ。姨捨で途中下車して列車撮影等を行い、小諸から再び小海線に戻って、佐久平で宿泊しました。 


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平成19年(2007年)9月18日(火)

 7時に起床して3階の風呂へ。入浴後、740頃に食堂へ行き朝食。一般的な和食メニューだが、その場で焼く干物が付いている。

 朝食後ロビーで新聞を読む。主たるニュースは、先週退陣表明した安倍首相の後継者を巡る自民党総裁選挙の行方だ。

 850に部屋に戻り、9時に出発前の風呂へ。3階は清掃中で、2階の風呂に入る。

 940過ぎにフロントに下りてチェックアウト。呼び鈴を鳴らしてもなかなか宿の人が現れず、しばらく待たされたが、清算後は、玄関先まで見送ってくれた。


 バスの時間まで若干の時間があるので、宿の裏の渓流を少し散歩。


◎鹿教湯温泉 1007→1050頃 銀行前 松本ターミナル行 松本電鉄バス

 ここからの乗客は5人。鹿教湯の温泉街を出た時点での乗客は11人だった。時折登坂斜線で乗用車に道を譲りながら山道を上り、三才山(みさやま)トンネル有料道路で峠を抜けると下り坂に。しばらく下った三才山バス停に、標高900mの看板があった。ここから3分で通過した標高800mの看板の周囲には、大して広くない谷間いっぱいに田が広がっている。

 峠を下りて、1035頃に松本の市街地に入った。乗車してくる客も増えてくる。

 信州大学を過ぎ、市役所前バス停は松本城の真横にあたる。ここからの乗客の会話の中で、このエリアのバスが100円均一という情報があり、松本駅での待ち時間が1時間近いこともあって、松本城を散歩することにした。次の銀行前で下車した。

 少し坂を上って松本城。小学生のころに家族旅行できて以来だ。今日は天守閣を見学するほどの時間は無いので、掘の周囲を回る。

 堀の水は澄んでいて、鯉なども泳いでいる。記念撮影する人のシャッターを押し、ついでに自分の分も撮ってもらった。平成11年に再建された門を通って城外へ。 

◎市役所前 1110→ ターミナル北 松本周遊バス北コース

 定刻より少し遅れて到着。若干大回りしながら駅に向かう。ターミナルへ行く人はターミナル北で下車との案内を聞いて下車したが、バスは駅前まで行くようだ。


◎松本 1147→1215 岡谷 甲府行440M  115系3両編成中間車=モハ114-1187

 発車前からそれなりの乗客があり、空きボックスは無い。途中駅からの乗客も多く、空席があるものの立客もいる。

 塩尻の広い構内を抜ける辺りで辰野経由の線路が分かれて行く。みどり湖を発車して間もなく塩嶺トンネル。長いトンネルを高速走行する115系のモーター音が響く。岡谷には改札寄り1番線の到着。


◎岡谷 1229→1240 辰野 豊橋行554M  119系2両編成 先頭=クモハ119-7

 地下道で2番線に移動し、既に入線している豊橋行に乗車。飯田線直通で、JR東海の車両だが、辰野までの乗務員は東日本の担当で、運転席の時刻表も辰野までである。

 甲府方面からの電車の接続を受け、車内は少し混んで発車。高架線に上がる塩嶺ルート上下線を左右に見上げて、単線の辰野ルートに進む。かつて中央本線のメインルートだったことが想像できないほど山深くカーブの多い川沿いの路線を行く。

 辰野駅はかつての要衝らしく、2面4線(うち1線は行き止まり式で、駅側のホームは改札直結)のホームの他に側線が6本もある。ホームも長く、特急が停車していた時代の名残だ。駅舎は2階建のビルになっている。本線のルート変更後に建替えたようで、駅の窓口では辰野駅改築15周年のオレンジカードを販売している。

 駅前に商店街があるが、閉まっている店も少なくない。 



◎辰野 1302→1323 塩尻 塩尻行161M  クモハ123-1単行ワンマン

 荷物電車改造の車両で、2つドアトイレ無しオールロングシート。およそ20人の乗客のうち、半数余りが通学の高校生。運転士も顔見知りなのか、ワンマン列車でも後ろのドアから下車して、特に定期券等を見せている様子も無い。

 歴史ある路線らしく、小野を出て少し走ったトンネルの手前に、レンガ積みの跨線橋(歩道用?)があり、風情がある。

 この区間もATS-Pが導入されているようで、停止信号手前もベル1打のみ。信号機の林立する中、塩嶺ルートと合流して、塩尻着。


 かつては塩尻でスイッチバックしていた中央西線を直行化するために移転した塩尻駅の歴史を反映し、ホームの岡谷方に立つと、東西から急カーブで合流する線形が見て取れる。


◎塩尻 1341→1357 松本 松本行437M  115系6両編成 4両目3号車=モハ114-366


 6両編成の車内は空いていて、久々にボックス独占。塩尻を発車する時に、3・4番線ホームの松本方に葡萄棚を見かけた。待ち時間の間に気づいていれば被写体にしたのに、惜しいことをした。

 遠方の山々には少し雲が掛かっている。朝方よりは晴れ間が広がっているようだが、姨捨での眺望はどうだろうか。

 南松本は既に松本駅の構内のような感じで、だだっ広い構内に貨物の側線が並んでいる。これらの線が一旦収束してから再び広がってくると、松本に到着。

 乗り換えまで時間があり、駅ビルの書店に立ち寄る。次いで、駅前のマクドナルドでチーズバーガーを1つ購入して列車待ちのホームで食べた。


◎松本 1424→1505頃 姨捨 長野行1539M  115系3両編成先頭=クハ115-1099

 車内は混んでいたので、運転室の後ろに立つ。混んでいる中で飲食している人も若干見られる。松本から若い女性の運転士が乗務。指差し確認の様子は見られるが、発声確認は聞こえない。松本と田沢の駅間距離は長いが、この間に信号所がある。田沢と明科の間だけ複線。

 明科を出ると16パーミルの標識のある坂を少し上り、単線の長いトンネルに入る。トンネルに入った時には気づかなかったが、出口で見るとトンネルの口径が複線用だった。

 冠着から先は更に急な勾配があり、トンネルの入口にはかつての煤煙シャッターと思われる遺構が見えた。トンネルを境に下り坂。信号所を1つ抜け、善光寺平が右前方に広がってくると、姨捨に到着。行き止まりの線路の先では作業員の一団が何か作業をしていた。駅は対面式ホーム。跨線橋で反対ホームに回り、冠着越えの坂を登ってくる特急しなのを撮影。その通過を待ってバックで発車して行く普通列車を見送る。

 11年ほど前にこの駅を訪問した時には、駅構内に売店があり、おばあさんが店番をしていたが、現在の駅舎には売店は無い。




この地は姨捨山伝説の舞台であり、それに因んで、待合室には地元の人が再現した「灰で綯った縄」が伝承の説明とともに展示されている。待合室には、電化前の難所だった冠着越えのSL列車の写真も展示されている。

 駅を出て駅前の細い道を冠着方に進み、撮影ポイントを探す。

 途中、下り「しなの」を撮影。山側に分岐する道を登る。この先はETC専用の高速道路の簡易出入口につながっている。その山道から線路を見下ろす場所に位置を定める。手前には刈入の終わった稲穂が干されている田圃、遠方には善光寺平が広がる。ここから上り普通列車がスイッチバックの姨捨駅を出入する様子を撮影。




 撮影の合間に、遠景を横切る高架線の存在に気づいた。高速道路か新幹線かはっきりしないが、自動車が行き交う様子が見えず、架線柱らしきものが見える。時刻表で新幹線の時刻を調べ、長野発着の前後の時間に望遠で構える。なかなか列車らしきものは見えなかったが、駅に向かって途中まで坂を下りながらファインダーを覗くと、ようやく列車の通過が確認でき、撮影した。ただ、300mmでもかなり小さくしか入らない。それでも、姨捨駅からの角度とほぼ同じなので、超望遠なら姨捨駅から長野新幹線が狙えることが分かった。 

 駅に戻ると、単機のEF64が篠ノ井方から上ってきて、駅に入って停車した。それに引き続いて、長野行1541Mが入線。

 しばらく停車時間があり、1時間前のダイヤと同じパターンなので、もう1回「しなの」を狙えることがと思い、反対側のホームで様子を見ると、本線の通過線側の出発信号が青になったので、姨捨駅に停車中の普通列車を入れて撮影、急いで跨線橋を渡り、長野行に乗車した。


◎姨捨 1609→1623 篠ノ井 長野行1541M 115系3両編成先頭=クハ115-1091

 急いで跨線橋を駆け抜けたので暑い。スイッチバックの姨捨駅をバックで出発。運転士は側面の窓を開けて前方と後方を交互に見ながら加速線へのポイントを渡って停車。

すぐに下り本線側への信号が青になり、発車。急坂を下り、信号所を1つ通過して稲荷山、次いで篠ノ井に到着した。


◎篠ノ井 1627→1716 小諸 小諸行3662M  115系 両編成先頭=クモハ115-1078

 向側1番線ホームには、すでに帰宅途中の高校生の集団がいる。4分の接続時間の間に橋上の精算窓口で姨捨の乗車駅証明書を出して精算。(230円)、改札外の券売機で小諸までの乗車券を購入して、1番線ホームに下りる。 

 長野からの直通でしなの鉄道に乗り入れする列車だが、会社境界駅である篠ノ井での乗務員交代はない。長野から、しなの鉄道の乗務員が運転しているようだ。

 車内は案の定、混んでいたが、途中で着席、田中でだいぶ空いた。日が傾く上田市内を坦々と走る。午後の陽光を浴びて稲穂が輝いていたが、小諸に到着する頃には、少し暮れてきた。

 小諸で小海線の列車まで時間があるので、駅前の「ひしや」という蕎麦屋で夕食。天ザルを注文するが、なかなか来ない。当初、小諸1800の小淵沢行に乗車予定だったが、時刻表で調べると1828の中込行があるので、ゆっくり待つことにした。確か、この列車はハイブリッド車での運行だったと思ったので、ケガの功名かも知れない。ゆっくり食べて1810頃に店を後にする。給仕に出た男性従業員は無口だった。

◎小諸 1828→1843 佐久平 中込行140D  キハE200系2両編成(ハイブリッド車両「こうみ」)後車=キハE200-1

 車内は空いていたが、発車時間が近づくに連れて少しずつ乗ってきた。トイレ近くに設置されている「エネルギーモニター」付近の席に陣取る。なお、先頭車両はE200-3だが、こちらには客室内のエネルギーモニターは無い。


 停車時間中に何十秒かエンジンが動く。昨日は気にならなかったが、この席ではディーゼルエンジンが稼働している時とそうでない時の音や振動の差ははっきりと分かる。エネルギーモニターを見ていても、発車後程なくエンジンが入っているとともに、バッテリーの容量はあまり大きくなく、無発電で加速している時の電池の減り方と、発電中の充電の速度が早い。減速時には回生した電力をバッテリーに充電している様子が表示され、これはエンジン音からは判別できない。

 この時間は外も暗いので、専ら走行音を聴きながらエネルギーモニターに注目して過ごした。車内にはモニターカメラがある。この夏に登場したN700系新幹線車両のデッキにカメラが設置されたのが話題になったが、その流れを受けているようだ。

 佐久平で下車。この駅は新幹線と在来線のホームが離れていて、改札も別なので、乗り換える場合は一方の改札を一旦出てからもう一方に入り直すことになる。もっとも、新幹線側は自動改札で、券売機やみどりの窓口があるが、小海線側ははっきりした改札が無く、切符は乗務員が回収する。小海線の券売機は、新幹線駅舎から小海線ホームに続く長い通路の入口に簡易なものが1台あるのみだ。

 駅舎は2階建の構造で、2階には物産館、1階には軽食レストランもある。

 周囲は既に暗いので、駅前広場の様子は窺えないが、5年前に来た時と比べて駅周辺のレストランが増えているような気がする。

 少し歩いて、19時近くに本日宿泊する「佐久平プラザ21」へ到着。温泉入浴施設に併設したホテルで、5年半前に1度宿泊しているが、入口に異なる名称の看板があるので、フロントに確認してしまった。

 チェックインしてカードで仮払い。8階の802号室の鍵を渡される。部屋は一般的なバストイレ付シングルルーム。空の冷蔵庫は自由に使える。

 荷物を置いて、入浴前に外出。先程通った佐久平駅構内の物産館を見る。土産用の菓子を見るが、手頃と思えるものがないので、何も買わずに出る。駅周辺にはスーパーやレストランはあるが、観光土産物屋は見当たらないので、ホテル近くのコンビニで飲料を仕入れて部屋に戻った。

 20時頃から入浴。5年前には小さなプールがあったが、現在は男女に仕切って深目の浴槽になっている。サウナの種類が増えたような気がするが、あとの印象は前と同じか。宿泊者用の棚が鍵なしなのは前と同じ。鍵つきが必要な場合はフロントに申し出ると貸してくれるらしい。

 部屋に戻り、2100からTVドラマを見る。フジテレビ系列で夏から放送していた「花ざかりの君たちへ」の最終回で2時間拡大版。見終わってから マッサージの予約の電話をするが、すでに予約でいっぱいとのこと。

 少し休憩して23時半頃入浴。その前後で旅日記をまとめる。24時半頃に2階にあるマッサージ機を使用。25時の閉店時刻が近づいて、部屋に戻った。

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