2007年09月 長野県 1日目 - 小海線ハイブリット気動車キハE200系
平成19年(2007年)7月に運行開始した世界初のハイブリット気動車に乗車し、小海線経由で上田に回り、鹿教湯温泉に宿泊しました。
平成19年(2007年)9月17日(月祝)
東逗子駅の指定席券売機で、ネット予約してあった「スーパーあずさ5号」の特急券と、小淵沢経由小諸までの乗車券を購入。
◎東逗子 643→718 横浜 東京行620S E217系11→15両編成 先頭11号車=クハE217-29
戸塚までボックス独占。少しずつ乗客が増えてくる。
◎横浜 720→ 東神奈川 209系10両編成 先頭=クハ209-27
予定より1本早い列車に乗った。若干の空席があるが、1駅なので運転室後ろに立つ。
◎東神奈川 730→825 八王子 八王子行703K 205系8両編成 先頭8号車=クハ205-81
隣のホームからの乗り継ぎ。跨線橋でホームを移動している間に入線した列車は、数秒待ってからドアが開いた。折り返しではなく、車庫から出てきた編成のようだ。この時間の横浜線は快速運転がないので、各駅停車で八王子まで行く。昨夜は旅行の立案や準備などで遅かったので眠い。八王子までほぼ寝て過ごす。八王子に近づくに連れて車内は混雑してきた。
◎八王子 833→953 小淵沢 スーパーあずさ5号 松本行特急5M E351系12両編成 11両目2号車=モハE351-9 指定席13D
八王子では若干の停車時間があった。2分程度だろうか。デッキで車両番号を控えてから着席しても、発車までまだ少しの間があった。指定席は進行左側。テーブルは肘置き収納で小振りなもの。窓側と座席背部にドリンクホルダーがある。隣が空席だったので、こちらに荷物を置く。
八王子を出てすぐに高尾を通過して山間部へ。トンネルの合間に渓流を見下ろしながら、高速走行。モーター車の車端部に近いので、モーター音と線路の継目拾いが響き、高速感がある。本線であるためか、待避線のある駅が多く、ポイント通過の振動が頻繁にある。
山の間に僅かに広がる田では、半分程度稲刈りが終わり、稲穂が干されている。近くの席では、おばさんグループが旅行の打ち合わせをしている。上高地へ向かうようで、乗り継ぎの間に弁当を購入する手筈などを相談し、車掌に到着ホームの問い合わせをしていた。車掌は時折巡回するが、検札はない。
初狩は貨物のみスイッチバックの駅だが、本線の左右に多くの側線が広がり、大規模である。主な施設は右手に見下ろせるが、左手の加速線は長く、山上に見上げるような位置にまで延びている。
笹子通過後に長い笹子トンネルを抜け、更に幾つかのトンネルを過ぎると勝沼ぶどう郷を通過。この辺りは短時間ながら左側に平野を見下ろす眺望が良い。ここを境に高度を落とし、甲府盆地に入って、山が遠ざかる。
甲府では下車客の方が多く、空席が増えた。他の車両も余り混んでいないようだ。3連休の最終日なので、これから出掛ける人は少ないのだろう。
再び高度を上げ始めて小淵沢に到着。小淵沢駅小海線ホームへの跨線橋の上り口には中間改札が設けられていた。小海線にはワンマン列車と無人駅が多いため、下車時の運賃精算による時間のロスを減らすためだろう。
跨線橋を渡って5番線ホームで野辺山行を待つ。同じホームの反対側4番線には通常のキハ110系ディーゼル車両が停まっているが、NHKの大河ドラマ「風林火山」のラッピング広告のため、出演者の写真が大きく車体に印刷されている。
◎小淵沢 1007→1041 野辺山 八ヶ岳高原列車1号 野辺山行8251D キハE200系2両編成 先頭=キハE200-1
小諸方から入線してきた2両編成の列車が、世界で初めて営業運転を始めたハイブリッド車両である。ディーゼルエンジンで発電して蓄電池に貯めた電力でモーター走行する仕組み。7月に運行開始したばかりで、ホームでも撮影している人が多い。車内はすぐに満席になるが、立つ余地は十分にあり、取り敢えず運転席の後ろに立って観察する。
運転台はワンハンドルマスコン。操作は電車と変わらないようだ。最新車両らしく、計器類の横には時刻や運転状態を示すモニターがある。通常表示されている画面からは、ドア状態や力行の表示はあるが、発電エンジンが動いているかどうかは表示されない。
運転席上部に小さな液晶モニターがあり、停車時だけ車両側面の画像を表示して、ワンマン運行を支えている。混雑のためか、先頭車両にはもう1人の乗務員がいて、運賃収受を手伝っている。
定刻に発車。発車時にはエンジンは動かさず、モーターのみ稼働。VVVFのようであるが、モーター音が小さいのでよく分からないほど。しばらくしてディーゼルエンジンが稼働を始めたようだが、空調の音に溶け込むほど小さな音であり、注意して聴いていないと、エンジンが稼働しているのかどうか分からない。モーターにしてもエンジンにしても、騒音が著しく低減されていると感じた。
運賃表示器の下には電光掲示板があり、次駅の案内のほか、時折「世界初のハイブリッド鉄道車両」との表示も流れる。「車窓はいかがですか」という趣旨の表示も時折流れるが、林に囲まれている所が多く、特に立ち席では眺望が広がらない。
広告掲示エリアには、ハイブリッド車両を紹介するポスターが何種類も並んでいる。
客室後方にモニター画面があり、そちらでは何か表示しているようだが、多少混んでいるので見に行くことはできない。
甲斐小泉では反対列車待ち合わせで3分停車。清里では過半の乗客が入れ替わる。最高地点通過時には車内放送(自動放送)が流れる。ここを過ぎると、この列車の終点野辺山に到着。ホームで車両を撮影。清里方の踏切での撮影も試みるが、少し遅く、遠くの踏切を通過して行く列車を見送ることになった。外からはディーゼル音がはっきりと聞こえた。
野辺山駅周辺には、ハイブリッド車両をアピールする幟が立ち並んでいる。駅舎内にもポスターがある。絵葉書にも早速取り入れられているが、オレンジカードにはハイブリッド車両をデザインしたものは無いようだ。駅舎内に、ハイブリッド車両の9月の運行予定が掲示されていた。ネットでは平日の運行についての情報が見当たらなかったのだが、平日の設定もあり、ちょうど水曜の朝に佐久平から乗る列車が該当するようだ。
◎野辺山 1108→1242 小諸 小諸行225D キハ110系2両編成 先頭=キハ1100-114
ここからは通常のディーゼル列車。やはり、発車時のエンジン音は車内に大きく響き、ハイブリッド車両との違いは明らかだ。ただ、安定走行時の音はこちらの車両も小さく、空調の音に溶け込んでいる。
野辺山より先は、風景が開けている。路線の位置が高いせいか、周囲に広がる山はあまり高く見えない。小海線沿線は高原野菜の生産地のイメージがあり、実際に野菜畑も広がるが、田も同様にある。診療所を併設した小海を過ぎると、稲田の割合が大きくなる。この辺りの田は、まだ収穫されていない所が多いようだ。
中込には車庫があり、ハイブリッド車両と一般車両が並んで、車庫から顔を覗かせている。ここから車掌が乗務。その際に何か運賃箱と同じくらい大きな箱を持ち込んで、運転席の横に設置していたが、その正体は不明。車掌は混雑してきた車内を巡回している。
新幹線と接続する佐久平で乗客の入れ替わりがあり、少し空く。この駅では、後から開通した長野新幹線が地上を走り、先に開通した小海線が高架でオーバークロスする不思議な形態。
乙女から、しなの鉄道と併走すると、間もなく終点の小諸に到着。ホームから見渡す限り、JR小海線としなの鉄道の間の線路は全て分断されているようである。小諸駅前を眺めてから、上田までの乗車券を購入。ここの券売機は1万円札対応。
◎小諸 1302→1322 上田 長野行645M 115系3両編成最後=クモハ115-1018
JR時代と同じレイアウトのセミクロス車両。ただし、座席のモケットは新しくなっている。また、一部のドア上に液晶モニターが設置され、広告を放映している。
上田ではバスの発車まで1時間近くある。とりあえず軽く昼食をと思ったが、駅前のイトーヨーカドー前で太鼓の演奏を行っていたので、しばらく見物。幟旗には、青木村義民太鼓とある。途中からの見物なので、その由来は分からない(最初に法螺貝を鳴らしていたので、戦太鼓か?)が、残暑厳しい中、結構な熱演だった。
太鼓を見物後、マクドナルドで軽目に食事。
書店で時間をつぶそうと思ったが見当たらず、駅前を散歩。駅舎はあまり特徴がないが、駅前広場には大きな水車があり、駅前を横切る川の水流で動いているのが涼感を演出している。
しかし、真田幸村の銅像の横に立つ温度計は、9月半ばにも係わらず37℃と表示している。◎上田駅 1420→1504 鹿教湯温泉 鹿教湯車庫行 千曲バス
上田駅からの乗客は僅か2名。市内を抜け、下の郷駅で更に2名。次の生島足島神社を過ぎると、山道に入り、平井寺トンネル有料道路の料金所を通る。この便は丸子を通らず、鹿教湯方面に直行するようだ。
鹿教湯温泉で下車。温泉街を少し歩くと、裏手に渓流があり、そこから橋を渡った対岸に薬師堂などの古刹があり、見て回る。
バス通りに戻る途中に、予約していた「つるや旅館」があり、チェックイン。玄関が2カ所あるため、靴は玄関に備え付けの袋に入れて部屋に持って行く方式。部屋まで運んでくれた。両方の玄関やフロントがあるフロアは3階で、案内された部屋は4階の451号室。
2カ所ある浴場の名称「文殊の湯」と「薬師の湯」は、対岸にある寺のお堂からとったという。夕食は17時半から18時頃に電話してから部屋に運ぶとのこと。朝食は7時半から8時頃に3階の食堂とのこと。
部屋は和室だが、窓際の一部にカーペット敷きの椅子席がある。トイレとユニットバスがある。VHS対応のテレビデオがあり、地元のCATVである丸子テレビを含めて、地上アナログ放送が11チャンネルも入る。もっとも、キー局の重複があるので、幾つかのチャンネルでは同じ番組を放送していた。冷房機器はあるが、主電源が切られているのか、稼働しない。窓を開けているのでしのげるが。
しばらく休憩して16時過ぎに3階の風呂へ。露天風呂からは、ムササビの巣箱があるが、餌付けをしている訳ではないそうで、時折しか現れないらしい。ロビーにムササビの写真があるが、今回の入浴中には現れなかった。他の入浴客は2人。他に、フロント近くにおじいさんが1人。今日は貸し切り状態と部屋に案内してくれた従業員が言っていたが、少なくともこれだけは泊まっているようだ。
部屋に戻り、休憩。1737に電話が入り、夕食が運ばれてくる。結構な量だ。食べるのに1時間以上かかる。食べ終わったらスタッフルームに電話することになっているが、なかなか食べ終わらないので、途中で厨房から電話が入る。少し残したが19時過ぎに食べ終わり、電話して片付けてもらう。引き続き別の従業員が来て布団を敷いて行った。上田のコンビニで買った胃腸薬を飲んで、クイズ番組などを見ながら長い食休み。
22時頃に今度は2階の浴室に行く。こちらも露天風呂が付いているが、3階よりやや小振り。この時間は貸切状態だった。廊下も消灯している所が多い。
部屋でしばらく休んで、24時に3階の風呂へ。「ムササビの巣箱」にも浴室の光が届くが、何かいるという様子は無し。鳥のような動物のような声が聞えたが、何の声かは分からず。渓流の音にかき消される。
また部屋に戻り25時半に消灯。
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