東日本旅客鉃道(JR東日本)が申請していた2026年3月からの運賃改定が認可されたことを受け、同社は改定後の運賃の詳細を2025年10月8日に発表しました。
運賃表の統合と、特定区間の削減、定期運賃の割引率縮小により、都市部の近距離運賃の上昇率が高く、横須賀線では切符・IC乗車券の運賃で25%以上、6か月定期では28.8%の大幅値上げとなる例もあります。
JR東日本の運賃表は、幹線、地方交通線、電車特定区間、東京山手線内の4表で構成されていましたが、幹線と地方交通線の2表に集約して電車特定区間と山手線内は幹線に吸収されます。元からの幹線も値上げなのですが、幹線より安かった電車特定区間が値上げ後の幹線と同額になるため、値上げ幅が大きくなるのです。その代わりなのか、首都圏で令和5年(2023年)から加算されていた鉄道駅バリアフリー料金は廃止になります。
特定区間は、国鉄と競合する私鉄がある区間の運賃を低く設定することで競争力を高めようとするもので、横須賀線は京急と、湘南新宿ラインは東急などと競合しているので、一部の区間で特定運賃が設定されています。今回、特定区間の設定が大幅に減り、逗子に掛かるものは存続、東逗子〜久里浜に掛かるものは廃止されることになりました。
通勤定期運賃は、普通運賃よりも値上げ率が高く、特に6か月定期は割引率の見直しを伴います。さらに近距離の値上げ率は高く、電車特定区間であった路線の6か月通勤定期は、最短1kmで20,660円から26,620円へ29%の値上げ、50km区間では120,040円から130,350円へ9%の値上げです。
JR東日本が開設した改定後運賃検索サイトで確認した横須賀線東逗子発着の新旧運賃と改定率は以下のとおりです。
昭和62年(1987年)にJR東日本が発足して以来、消費税の導入や税率改定以外の理由で運賃を一斉に値上げするのは、初めてとされます。(首都圏では最近、鉄道駅バリアフリー料金の加算がありましたが)国鉄時代の昭和50年代に毎年のように値上げしていたことを考えれば、トクトクきっぷや料金で調整してきたとはいえ、よくここまで運賃値上げを抑えていたと思います。
ただ、今回の値上げは、横須賀線を含む都市部の近距離運賃の上昇率が高くなっています。
国鉄時代は長らく全国1つの運賃表で、都心部も地方も平等にと、今で言うユニバーサルサービスの考えだったと思われます。しかし、国鉄の赤字が拡大する中で、ローカル線の収支改善の観点から、昭和59年(1984年)4月の運賃値上げの際に、幹線と地方交通線の2表に分かれ、更に山手線・大阪環状線内と10km以内の国電区間は運賃据置として別表に分かれました。その後、昭和61年(1986年)の運賃改定時に国電区間の距離制限がなくなり、JR発足時には、幹線、地方交通線、電車特定区間、山手線内・大阪環状線内の4表で引き継がれました。それが今回、幹線と地方交通線の2表にして電車特定区間と山手線内が幹線に吸収されることになった訳です。
その結果、電車特定区間や山手線内、そして通勤定期が特に大幅な値上げになります。ローカル線の主な乗客は通学の高校生であることが多いですが、この層を値上げして鉄道離れが進んではネットワークが維持できなくなります。今回の運賃改定は、利用者の多いエリアを重点的に値上げすることで、会社全体の収益向上を目指していると思われます。
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