1995年9月 房総・飯田線 ー 小湊鉄道、いすみ鉄道、飯田線、佐久間レールパーク

 中央夜行の車中泊を挟んで、房総半島のローカル線とJR飯田線という異色の組み合わせて旅したときの記録です。 当時、飯田線の中部天竜駅構内にあった「佐久間レールパーク」を見学しました。


平成7(1995年)年9月1日(金)

東逗子 1405→1423 久里浜 久里浜行1425H  1134両編成 先頭=増1号車=クハ111-1373

 出発準備遅れのため、当初の予定より25分後の出発。東逗子で18きっぷに日付印と入鋏印を貰う。4両編成の列車は座席の70%強が埋まる混み具合だが、横須賀でかなり空き、ボックス占拠。横須賀手前では軍艦が多数見える。久里浜には定時着。

 

久里浜駅 1430久里浜港(フェリー)タクシー 横浜554657 みかさ交通 \890

 バス乗場は京急駅の反対側らしく、船との接続もギリギリなので、タクシーに乗車。JR駅前のタクシー乗場には車が列を作っており、すぐに乗れる。途中で長い信号待ちがあったが、7分程で到着。

 

久里浜港 1445→1520 金谷港 金谷行フェリー しらはま丸(住友重機)

 定時に出港。2階客室の乗客は20名くらい。1階はもう少し少ないと思われる。室内の座席定員は432名のため、混雑率は10%程。とても空いている。出港直後にテープアナウンス。しばらくして肉声の放送もあり。

 売店・カフェテリアが営業中だが、客が少なく、暇そうである。アメリカンドックと茶を購入。進行方向右窓側最前列のボックス席で食べる。船は出航時に少し振動した以外は、ディーゼルエンジンのうなりも小さい。

 1458に、くりはま丸とすれ違う。両方向の航路はかなり近く、すれ違う時の距離は2040mくらいと思われた。東京湾の入口を横切る航路のため、他にも多数の艦船が見られる。金谷入港間近の1515には、かなや丸とすれ違った。千葉県側では多少波が高いようだが、あまり差はない。金谷港内の狭い水域で器用に回頭し、1524に着岸した旨のアナウンスがあり、下船する。

 改札で切符を渡し、土産物が並ぶターミナルを通り抜ける。

浜金谷 1540→1648 五井 千葉行2128M  1134両編成 先頭1号車=クハ111-1353

 フェリー港から駅までは徒歩5分余。案内表示は少ないが、迷わずに到着。駅舎内には発信専用の無料公衆電話あり。通話可能範囲は不明。島式ホームのため、駅舎からは屋根のない跨線橋を渡る。

 列車は各ボックスに1~3名の乗車で、40%くらいと思われる。左側には時折、海岸線が見える。竹岡・上総湊間では、工事中の東京湾横断道路が見えたが、多少曇っており、橋もぼやけている。

 内房線内各駅は構造が似ている。木造の有人駅舎、島式ホーム、屋根のない薄緑色の手摺の付いた跨線橋という内容が各駅に見られる。それぞれ交換可能な駅で、停車時間の長い所もある。佐貫町で交換した下り189Mには、珍しく荷物電車(クモユニ143-2)を併結していた。

 君津からは複線区間に入る。君津・木更津とも2面4線の大駅。木更津にはレンガ造りの給水塔らしきものや、転車台が構内にある。木更津からは満席で立客も各車10名余の混雑。今日から新学期の高校生の下校ラッシュにぶつかったためである。

 五井で下車して一度改札を出る。

 

五井 1654→1805頃 上総中野 上総中野行 2両編成 後車=203(S59日本車両製 S59新潟鉄工改)

 発車直前にようやく乗務員が駆け込んで来る。運転士と車掌の2人乗務。JRと共通の改札外には券売機もあったが、そこでは買わなかったので車掌から購入。穴開き車補を入手。車掌は腕時計と時刻表を何度も照合しながら発車ブザーを押す。ドアは半自動。長身の若い車掌は、キビキビと頻繁に車内を回る。何もしていない時はほとんど無く、仕事熱心だ。車両はかなり古そうな気動車だが、全車冷房付。

 線内は交換可能駅が多い。自動閉塞式かCTCらしく、ホームに駅員は出ていないが、出札口には委託駅員らしき人がいるところが多く見られる。

 ロングシートの車内は五井発車時点で満席だが、上総牛久発車時点で後車の乗客約20名。30%程度の乗車率と思われる。ここから禁煙区間ではなくなるが、タバコを吸う客は見られない。時折、車掌が巡回して座席上のゴミを大きなピンセットのようなもので取り上げ、それを床に落として回る。後でまとめて拾い集めるのだろうか。上総牛久から?タブレット閉塞になる。上総久保付近から突然の雷雨。しかし、夕陽は見える。

 上総中野近くになって、いすみ鉄道に乗り換えるか車掌に聞かれる。次の列車は1分接続とのことなので、その更に次の列車に乗る旨伝える。それが伝えられたのか、上総中野到着後すぐに大原行が出て行った。

 まだ雨が降っていたので、とりあえず駅舎内に入る。上総中野は無人駅で、高校生らしき者が数名たむろしている。列車に乗る様子はなく、単にたまり場として駅舎を利用しているのだろう。駅近くの商店街を散歩するが、特に目ぼしい店はない。駅近くをうろうろしながら次の大原行を待つうちに雨は止んだが、日没になり、急に暗くなってきた。

 

上総中野 1852→1942 大原 大原行36D いすみ207単行(S63富士重工)

 大原方面からのレールバスは10人程の乗客を乗せて到着したが、折返し列車に乗ったのは自分だけで、完全に貸切り状態。ワンマンで後乗り前降り整理券方式。

 電子閉塞式を用いているため、発車前に運転士はリモコンスタイルの閉塞装置を操作する。途中乗降の無い駅では停車はするがドアは開けない。

 大多喜手前で初めてテープのアナウンスを流す。大多喜で7名乗車。大多喜は駅舎も大きく明るい。ここで上下列車の交換。対向式ホームはタブレット時代の名残で位置がずらされている。

 完全に日は暮れ、外は何も見えない。1942大原着。

 

大原 1945→2012 茂原 千葉行2228M  1136両編成 3両目3号車=モハ113-1062

 大原で夕食を得てから2008発の快速に乗ろうと思っていたが、適当な店が見当たらないので、すぐの乗り継ぎで千葉行の各停に乗る。座席乗車率は15-20%程度。上総一ノ宮か茂原で夕食をとって後から来る快速に乗ることにするが、上総一ノ宮駅近くにはコンビニくらいしか無さそうだったので、茂原まで行くことにした。

 茂原では多くの店があったが、多くは閉まっている。書店を見た後、駅裏に見慣れない名のハンバーガー屋があったので、そこでテリヤキバーガー+ポテト持ち帰り。

 

茂原 2042→2201 新橋 久里浜行快速2058F→2059S

11315両編成最後11号車=クハ111-1118

 11号車は15%前後のがら空き。もっと空いている車両もある。ボックス占拠してハンバーガーを食べる。千葉で乗車率25%くらいになった後、新小岩まで変動はほとんどなし。それに対し、すれ違う下りは東京に近づくに連れて混雑が増していくのが分かる。沿線の景色が急速に都会的になってくる。新日本橋で少し増加して約30%の乗車率に。東京で多く乗車し、95%くらいになる。新橋で下車する。

 

新橋 2208田町 磯子行 10310両編成 2両目2号車=モハ102-879

 思ったよりも立客は少ない。後続の山手線は空席も目立っていた。田町で下車。

 三田の区立図書館のブックポストに、先週借りた本2冊を返却。

 

田町 2230新宿 山手線外回り 20511両編成 先頭=クハ204-14

 ロングシートの座席の25%強しか埋まっていないので、かなりゆったりしている。しかし、ラッシュ時間帯の大ターミナルを次々と結んでいるだけに、いつ急に混むか分からない。渋谷からの乗客が多く、渋谷からは110%余の乗車率。新宿で下車した時も同じくらい。

 西口の改札を一度出て、最後の18きっぷに9月2日の日付印を入れて貰う。改札内の売店近くから家に電話。その後、7番線のホームに上がると、発車1時間前なのにかなり並んでいる。

 

平成7年(1995年)9月2日(土)

新宿 002→406 岡谷 松本行 快速8421M 1156両編成 後車=クモハ115-312

 2314に7番線へ立川方から入線。並んでいた人が車内へ殺到。停車位置が少し(約3m)ずれていたため、少し列が乱れる。何とか座れたがすぐ満席。連れと離れた席となってしまった人から座席交換の申出があり、移動する。11B席。ドアの隣になった。岡谷で降りるからそれでもいいか。立客が更に増える前に飲み物を仕入れた。

 発車時刻が近づくにつれ、少しずつ乗客が増えたが、入線時とは大して変わらない。それでも発車時点で110%くらいの乗車率。発車の頃は半分寝ていた。立川、八王子と停車していくが、途中から乗る人はほとんど見かけない。皆、それぞれのスタイルで眠りに入る。若い男女のグループで床にそのまま寝転がっている者もいる。半分宴会気分で飲食物も広げている。

 甲府あたりから車内の冷房が切られる。外気もかなり涼しくなっており、冷房が必要ないためだろうか。音が静かになったのは有り難い。運転も比較的ゆっくりで、静かな走りだ。小淵沢あたりから下車客が増える。件のグループは茅野で下車。

 岡谷には定時着。気温はかなり低い。地下道を通って駅舎へ。駅員はいない。

 

岡谷駅 415辰野駅 アルピコタクシー岡谷() 松本559331  3890円(初乗は590円)

 駅を出て左側へ50m余り歩いた所にタクシーの営業所がある。辰野へ行く人は2~3人いるようだが、みな徒歩のようだ。仕方なく1人で乗る。途中、工事中の片側交互通行の長いのがあり、しばらく待たされる。道路はほぼ線路沿いに走るが距離が長く、タクシー代も予想より高かった。

 

辰野 453→902 中部天竜 豊橋行2720M  1192両編成 先頭=クモハ119-11

 辰野駅周辺には開いている店なし。そのまま乗車する。外は真っ暗だったが、発車直後から空が白み始め530頃までには明るくなった。各ボックスは埋まっていたが、駒ヶ根で登山客が下車し、20%弱の乗車率となる。


 田切で撮影。ここは、ゆうきまさみの「究極超人あ~る」の舞台となったところ。駒ヶ根・飯田間では駒ヶ岳が見えたが、多少雲がかかっていた。

 飯田に近づくと、通学客を中心に混雑する。飯田の1つ手前の桜町到着時がピークで、1両あたり30人の立客があった。

 車掌は頻繁に車内を回り、天竜峡までに2回車内改札を行った。車掌と運転士は天竜峡で交代。天竜峡から再び混み始めるが、温田で急にがら空き(20%くらい)になる。

 途中、何度も下り電車と交換したが、この列車と同じ1192両編成の他、1693両編成(みすず編成)、1153両編成、119系単行があり、変化に富んでいる。



 車内が空いたので、右側の席に移動。天竜川の美しい渓谷が見える。小和田通過時に駅名坂を撮影。

 向市場・城西間で、有名な「渡らずの橋」を通るが、シャッターは押せなかった。乗務員室の後ろで構えていれば全体が入る写真が撮れただろう。

 902中部天竜着。レールパークは10時からとのことなので、駅で1時間近く待った。




 佐久間レールパークの外部にはクモハ52など数々の名車が展示されている。撮影の妨げとならない小さいサイズの案内板が各車両に設置されている。建物の内部には、各種資料やシミュレーター、物販コーナーがある。通票閉塞機もあり、自由に操作できることになっているが動かない。また、シミュレーターも画面が変になっており、館内資料についてメンテナンスを要すると思う。

 物販コーナーには、サボ(\1,000\3,000)、吊革(\200)、タブレットの模型(玉に佐久間レールパークの銘があるもの\500)、方向幕(\3,000)や英国国鉄公認のプレート類(\7,000)等がある。タブレットキャリアや合図灯は無かった。サボは材質によって価格が異なり、プラスチック\1,000、鉄\2,000、ホーロー\3,000となっている。鉄のサボと吊革を各1つ購入。

 途中、1019に急行「伊那路」が通ったので、レールパークの建物2階から撮影。

 サボ等を買うと1040で、豊橋行快速がすぐに出る。少し慌ただしいが、そうかと言って次の電車まで2時間も時間をつぶすものは無さそうなので、これに乗ることにする。

 

中部天竜 1044→1211 豊橋 豊橋行 快速2230M  1193両編成 最後=クハ118-5017

 各ボックスに1~2名ずつ座っており、30%くらいの乗車率。豊橋へ向けてのんびりと座る。車内は適度に温かく、うつらうつらする。1203に豊川発車。右側に名鉄特急車両使用の団体列車が止まっていた。

 飯田線内では全区間で車掌が忙しく働いている。数多い無人駅で集札・車内発券や車内検札までやる。駅間距離が短いので、尚更その頻度が高くなる。その中できちんと車内検札まで行う念の入れようには感心した。豊川近くでも検札があったため、飯田線内では都合3回の検札を受けた。中央快速では1回も無かったが。運転士もしばしば車掌の代わりにドアの開閉をしていた。

 119系の車両は113系より走行音が小さい。窓の下半分が固定されているのはつまらないが、その他のアコモは113系と同等であり、音が小さい分、気に入った。さすがに辰野から長時間の乗り通しでは疲れるが。

 

豊橋 1219→1232 豊川 豊川行147M  クモハ119-5101

 60%位の乗車率。小坂井付近まで名鉄と線路を共有。その後、分離して豊川へ。名鉄の時刻を確かめてから参道を通り、豊川稲荷へ。何だか寺と神社が混ざったような雰囲気。書院の瓦の奉納の受付をしていた。1枚1,500円で、マジックペンで氏名・願い事等を記入するもののようだ。これは「あ~る」がやっていたのと同じものかも知れない。建物がゴチャゴチャと並んでいるので、1つにまとまった写真は撮れない。往路と別の参道を通って、名鉄豊川稲荷へ、早足で戻る。 




豊川稲荷 1300→1314 国府 新岐阜行 急行 7500系パノラマカー6両編成 先頭6号車=7504

 名鉄駅の出札で「豊橋まで」と言うと、「本当に名鉄でいいの?JRじゃないよ」と念を押される。確かに豊橋へはJRの方が乗換えなしで時間も早い。

 ホームに入っていたのは旧世代のパノラマカーである。先頭車の前から4番目の席を得た。

 間もなく独特のチャイムを鳴らして発車。運転台の真下なので、ブレーキを緩める音や、車掌との打合せ用のブザー音がよく聞こえる。車内は転換クロスシートで、現在の有料特急に使うのは見劣りするにしても、路線の末端部の急行(豊川線内各駅停車)に6両のパノラマカーは、少し大げさ過ぎる気もする。国府(こう)で乗り換えのため下車。 


国府 1338→1348頃 豊橋 豊橋行 急行 35006両編成 先頭1号車=3516

 豊川線の列車が着く数分前に豊橋行が出ており、その次まで24分待ちとは、かなり接続が悪い。豊川から豊橋までの客はあまり想定していないのだろう。飲物で時間をつぶす。待っている間に豊橋行特急(新型パノラマカー)が2本、高速度で通過していった。

 入ってきた豊橋行急行はロングシートのVVVFの新型車両で、車内に電光表示板もある。これは、次の駅の案内の他、走行中は速度を表示する。伊奈を出るとJR飯田線と合流。閉塞信号もJR式となる。1448頃に豊橋着。改札はJRと共用で、乗換改札はない。 


豊橋 1424→1458 浜松 浜松行3128M 1174両編成 先頭4号車=クハ117-108

 駅弁屋を覗いたが、特に気に入ったものはなく、列車の混み具合が分からないので、パンとジュースだけ買って乗車。乗換え時間の間に、土産にウイロウ2本を購入。また、逗子や鎌倉で見当たらなかったコミックを書店で発見し購入。117系転換クロスシートの車内は、乗ってみると40%弱の乗車率で、これならば駅弁を買っても食べられただろう。パンを食べた後、先程購入したコミック(辻よしみ)を読みつつ浜松まで行く。

 

浜松 1500→1703 沼津 三島行774M 2114両編成 先頭=クモハ211-6007(ロングシート)

 浜松駅ホームには駅弁屋がなく、乗換えの列車もオールロングシートなので、そのまま乗り込む。車中の時間の大部分を寝て過ごした。由比あたり?で身延線特急「ふじかわ」用車両が試運転に出ているのに出会った。車内は混んでいて、常に80%以上の席が埋まっていた。

 

沼津 1705→1725 熱海 品川行356M 21110両編成 2両目9号車=サハ211-2029

 またロングシート車。幸い編成が長いので、座席には余裕がある。丹那トンネルを越えて熱海へ。

 

熱海 1730→1749 小田原 アクティ 品川行快速3770M 21115両編成 5両目11号車=クハ210-2012

 時刻表上は215系の筈だが、予定が変わったのだろうか。基本編成部分はセミクロスだが、どのボックスにも人がいる。仕方なくまた付属編成のロングシートに座る。駅弁も食べようがないので、小田原で下車。

 

小田原 1823→1858 大船 アクティ 東京行快速3772M  21510両編成 3両目8号車=サハ215-1

 今度こそ215系が入ってきた。入線時刻は1800だが、掃除のため10分ほど待たされた。その間に駅弁「こゆるぎ茶めし弁当」(700円)と温かい日本茶を購入。清掃直後の車内はがら空き。発車前に駅弁をほぼ食べ終わる。

 平塚からだんだんと混んできた。外はすっかり暗くなり、対向列車や駅の明かりだけが見える。

 大船で下車。通路は多少混んでいるが、平日ほどではない。ルミネの書店を散歩して駅に戻る。

 

大船 2001→2020 東逗子 久里浜行1817S  11315→11両編成 最後11号車=クハ111-1033

 大船で夜食用?に鯵の押寿司を1つ購入。11号車の乗車率は大船発車時点で25%だが、ボックスは取れなかった。鎌倉でボックス確保。逗子で付属編成切り離し。

 

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