2001年04月 会津(前半) - 思い出の583系はつかり号

 東北本線の「スーパーはつかり」運転開始1年を記念して上野-青森間に、583系の臨時特急「思い出の583系はつかり号」が運行されることになり、SLばんえつ物語との組み合わせで郡山まで乗車しました。「思い出の583系はつかり号」は、前日に青森から上野まで運転され、折り返し上野から青森まで運転されたもので、上野-青森で昼行の直通特急が運転されるのは東北新幹線開業後の昭和57年(1982年)11月以来19年ぶりとのことでした。


平成13年(2001年)4月29日(日)

 今月は仕事の繁忙期で、休みの状況も予想がつかなかったので、この旅行の実施を決めたのは1週間前。22日の時点で「思い出の583系はつかり号」は満席だったが、その後にキャンセルが出たようで、23日夜に再挑戦したら指定席を確保することができた。この列車は全席指定である。他の全席指定列車である「ばんえつ物語」と「ムーンライトえちご」も確保した。

  当日は6時過ぎに起床。通常通り朝食後、駅に向かう。


◎東逗子 703→809 東京 エアポート成田 成田空港行快速648S  E217系11→15両編成 2両目10号車=サハE217-36

 休日朝の横須賀始発の列車で、空いていることを見込んでいたが、思ったほど空いていない。とりあえずボックス席を確保したが、空港行ということもあり、途中からの乗車も多い。連休中だが、ホームには学校の制服を着ている人も目立つ。


◎東京 814→821 上野  南浦和行  209系10両編成4両目7号車=モハ208-149

 ホームに上がると同時に入ってきた京浜東北線の電車に乗る。ちょうど座ることができた。やはり休日の朝なので車内にもゆとりがあるし、定時運転されている。並行する山手線も空いているようだ。

 上野駅では、はつかりの入線まで20分以上あるにもかかわらず、14番線ホームの頭端部には多くの人が群がっている。15番線辺りでは鉄道グッズや記念イオカードの発売が行われている。鉄道グッズの目玉商品はグリーン車用灰皿。買わなかった。はつかりの運転記念イオカードは、台紙付きは売り切れ。西日暮里にまだ在庫がある旨案内している。とりあえず台紙なしのを2種類買った。「懐かしの特急はつかり号」というタイトルで、上野地区の発売。583系のと、キハ80系のものの2種類各1,000円。

 14番線ホームの大宮寄りでは記念セレモニーの準備が行われていた。くす玉が吊り下がり、白い制服の駅長もいる。


 850に583系12両編成のはつかりが入線。ホームの両端にはカメラの列がひしめいている。先頭車両にはJNRマークを模したステッカーが貼ってある。方向幕の表示は「特急はつかり」で、青森行。大宮寄りでは記念セレモニーが始まった。両端の様子を適当に撮影しているとすぐに発車時刻が迫ってきた。1号車の出入り口は混んでいるので、2号車の1号車寄りから乗車した。

◎上野 911→1255 郡山 思い出の583系はつかり号 青森行特急9001M  583系12両編成最後1号車=クハネ583-8座席指定1号車7C席左側逆向通路側)。

 ホームに鈴なりの撮影者に見送られて、上野を1分遅れで発車。

 通常ダイヤの間を縫った列車設定のため、先行列車をほとんど追い抜けない。昭和43年の登場時に上野から青森までの所要時間は8時間半だったが、この列車は10時間40分余りを予定している。荒川橋梁をかなりの低速で通過した。

 車内を観察。3段寝台を収納した構造のため、まず天井が高い。ボックスシートであるが、シートピッチは横須賀線のそれより10cm程度広そうだ。下段の寝台は取り外されているのか、見当たらない。中段や上段の寝台を引き出せるように網棚は転換できる構造になっている。座席モケットの色は赤紫系。窓は、往時は381系のようにベネティアンブラインドであったが、リニューアル時に普通の横開きカーテンに改められている。

ただ、増結車両(当初9両編成で運転予定が、急遽12両編成に増強したらしい)は未改造の古い車両を使っていて、往時の雰囲気がより残っているらしいので、後で見に行くことにしよう。

 大宮を発車して、車内はやや落ち着いてきた。しばらくして検札も行われた。通過する駅のホームや沿線の踏切、河川敷、畑にはカメラの砲列が見られる。昨日は上野到着が夜のため、首都圏ではつかりを撮影できるのは事実上今日だけである。

 小山を通過。そろそろ車内を見て回ろうか。

 12号車までは長い道程。途中、9号車ではベネティアンブラインドの車があった。車端部では若い女性の補助車掌?が寝ていた。


 宇都宮発車後、車内の写真を撮っていたら、通り掛かりのマニアらしいおじさんに声を掛けられ、しばらく談議。それによる発見:下段は座席背面部分を引いて広げるらしく、寝台機能は残っているようだ。この列車名は、JTB時刻表では「想いでの~」だが、特急券面に記載の「思い出の~」が正当らしい。なお、駅や車内の放送では、「おもいでのごーぱーさんはつかりごう」と発音していた。

 時刻表上では通過扱いの黒磯で1141から1152まで運転停車。ドアは開かない。ホームではカメラを持った人が盛んに動き回る。交直切り替えのため、1142から1分余り、空調と車内蛍光灯が消え、非常灯だけになる。1143再点灯。

 最後部乗務員室には、時折車掌のサインを求める人の列ができていた。先刻、車内放送で案内があり、必要事項は各自で記入して、車掌は記名押印だけするとのことだった。

 福島県に入り、山並みが近くにまで迫ってくるようになった。白河駅をゆっくりと通過。駅のすぐ裏に白河城が広がる。列車は相変わらずゆっくりとした走り。

 前方で大きな音がした。寝台の引き出しを実演した人がいるらしい。見に行ったがすでに実演は終わっていた。寝台の組み立てかたは未だ謎のまま。

 郡山が近付いた。荷物を持って、1号車から12号車まで歩いて12号車の先頭ドアから下車した。

 郡山で下車して、隣のホームからはつかりを撮影。583系12両編成の優雅な姿だ。なお、ヘッドマークは絵柄のない黄色文字で、登場当時の図柄らしい。外は暑いくらいだ。

◎郡山 1315→1424 会津若松 ばんだい81号 会津若松行快速8231M  455系3両編成最後=クハ455-2

土曜と休日限定の列車だが、9割程度の席が埋まっていて、なかなかの盛況。

 臨時快速のため停車駅は少ない。しばらくは市街地を走る。山も多くなってくるが、家並みは東北本線沿線よりも密なように見える。

 時刻表上の停車駅は少ないが、いくつか運転停車をした。東長原では特急ビバあいづ4号と交換。


 カーブの先に広がる広野の向こうに会津若松の町並みが見えてきた。しかし会津若松手前の広田でまた運転停車。トロッコ列車と交換だが、交換列車が遅れているらしい。広田を1424に発車。会津若松到着は3、4分程度の遅れとなりそうだ。

(後半に続く)

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