2005年07月 大井川鉄道

 大井川鉄道でC11 190号機を復活整備した際に、支援会員を募集していたが、大学鉄研を通じた誘いもあり、これに加入していた。そのため、平成15年7月に同機の復活運転が始まった時に試乗券が届いたが、なかなか乗りに行く機会がなかった。当初、試乗券の有効期間は1年だったが、水害による不通期間があった関係で1年延長となり、その期限間近に、ようやく出かけることにしたものである。試乗券は金谷から千頭までの往復だが、井川線には未だ乗ったことが無いため、ついでに井川まで乗車することにした。


金谷までの乗車券は前日に東逗子の窓口で購入。行先が金谷ということで駅員も感づいたので、しばらくSL談義をする。


平成17年(2005年)7月16日(土)

みどりの窓口は未だ閉まっているが、駅ホームには数人の乗客が見られる。


◎東逗子 540→559 大船 E217系11両編成 先頭=クハE217-2

 逗子では3分余り停車するが増結は無し。先頭車両もがらがらに空いている。

 大船駅は北口設置工事中。乗り換え通路が入り組んでいる。湘南新宿ラインに続いて東海道線東京口にもE231系の配備が進んでおり、大船駅ホームで113系は少数派になっている。


◎大船 604→826 静岡  373系9両編成 先頭1号車=クハ372-12

 車内は満席。平塚過ぎまではデッキも混んでくる。運転席後ろに立つが、カーテンは閉まっている。大船で銀河、しばらくして「あさかぜ」、相模川の橋梁上で「サンライズ」と擦れ違う。小田原で着席。三島で窓側へ。途中での乗降は多いが、常に満席の状態を維持している。


◎静岡 828→857 金谷 浜松行 211系6両編成 先頭=クハ210-5028

 9両編成からの乗り換えで、ロングシートの車内は混んでいる。運転席の後ろに立つ。運転手は指差称呼を励行し、運転時間も15秒単位で定時を維持している。



 金谷駅のJR駅舎の横に、大井川鉄道の小さな駅舎がある。乗車券の券売機もあるが、SLの乗車券や急行券、井川線乗車券や各種割引切符は隣の窓口で発売している。窓口で予約番号を告げて試乗券を出す。窓口氏は手元にプリントアウトされた予約一覧表で氏名と座席番号を確認。試乗券に日付印を押して座席番号を書き込む。窓口は1箇所だが、代わる代わる来客があり、沿線の観光を含めて様々な問い合わせがある。若い窓口氏は早口だが詳しく丁寧な案内をしている。

駅舎内には売店もあり、弁当、菓子、記念品などを販売している。窓口横に空席情報と編成案内。本日は1000と1147の2列車あるが、9時半の時点でまだ両列車とも「空席あります」の表示。編成は10時発が5両、1147発が7両の編成。9時半を過ぎて窓口が混んでくると、改札口でも発券を始めた。今年の4月から、定期券利用者は急行券無しでSL急行に乗車できるようになった(ただし混雑時は立席)との案内。940を過ぎると駅舎内は満員状態。

954に電気機関車牽引で入線。昔乗った時はSLで牽引して来て機回しをしていたと思うが、現在は機回し線が無いからそれは無理。JR線からの連絡線も途切れている。


◎金谷 1000→1124 千頭 かわね路 千頭行SL急行1001  C11 190+客車5両+電気機関車 4号車=オハ35 559

 機関車と5号車、4号車の前半はホームからはみ出る。先頭から2両目の4号車からでは機関車の番号は分からない。入線直後から女性の車掌が解説の放送。4号車2Aは進行方向左後ろ。トイレとは反対側。

 1002に短笛一声で発車。最初はボックス1人だったが、発車直後にもう1人が来た。

 車内放送では、本日の牽引機がC11 190である旨と、その生い立ちや復活の経緯の説明ある。牽引機が何になるかは事前に調べる術は見当たらなかったが、今回C11 190の復活支援会員の試乗券で来たので、できればと思っていた。偶然お目当ての機関車に当たった。

 車内は扇風機が稼働しているが、旧型客車であり、冷房はない。客車の窓は最初から開放されている。車内放送によると、現在は煤煙の少ない無煙炭を中心に使用しているため、トンネルでも窓閉めは不要との案内がある。しかし、細かい煤はけっこう入り込んでいた。

 新金谷で補助機関車切り離し。SL単独牽引になる。2両目の客車のため、ドラフト音も何とか聞こえる。

 大井川鉄道の冊子の車内販売が来て購入。その際、復活支援会員の話題も出す。機関車の運転席と資料館にネームプレートがあるので、見るよう勧められた。

 SL車内限定のSL最中も別途購入。

 川根温泉を対岸に見ながら橋を渡る。露天風呂の他に、温水プールと屋外プールが併設されていて、いずれも相当の利用客がいる。



 車中を少し回り、機関車後部などを撮影。

機関車直後のデッキは扉が開いていた。




 千頭に到着したので下車。やはり時間が短く感じる。機関車周辺で記念撮影。運転席に掲げてある復活支援会員の一覧を刻印したプレートも撮影し、自分の名前も入っていることを確認した。







 井川までの乗車券を買うために窓口へ。往復だと井川線フリーきっぷがお得とのことで、これを購入。弁当は売り切れのため、飲み物だけ買って井川行きに乗車。


◎千頭 1202→1350 井川 井川行 客車5両+DL(一部区間後部EL補機)5両目=スロフ313

 機関車は一番後ろで、後ろから客車を押し上げる。客車は手動ドア。車掌は列車が停車する直前にホームに飛び降り、乗降客の有無を確認する。発車の際には笛で合図をしてから、汽笛が鳴って機関車から動力が伝わるまでタイムラグがあり、その間に手近な車両に乗り込んでいる。車掌は車内放送でも随時観光案内をするが、駅毎に各車両に乗り移り(貫通路はない)、その客車の乗客への個別案内もする。車窓の案内はこと細かに行われていたが、1点、「この電車」という表現が気になった。一部区間でELが付くものの基本的にはDLによる客車列車である。鉄道関係者が行う車内放送では「列車」という表現にしてもらいたいものだ。


 先頭の運転席から後ろの機関車を制御しているが、起動がぎこちない時があった。連結部分の衝撃を和らげるために徐々に加速しているのか、それとも機関車の調子が悪いのか?

 川根両国を出るとトンネルが続く。半径50mの急カーブと急勾配で標高を稼ぎ、少しずつ涼しくなる。カーブの毎に車軸は軋んで甲高い悲鳴を上げる。

アプトいちしろ駅で後部機関車連結のため4分停車とのこと。多数の客がホームに降りて見学。連結部分の直前にラックレールの始点(エントランス)がある。


車掌が連結の誘導をしつつ、それが終わるとラックレールなどにつて簡単に解説。




同駅ホーム脇にトイレと飲物自販機があったが、つり銭が正しく出ないとかで、しばらく乗客と乗務員が集まって相談していたため、少し遅れて発車。



アプトいちしろから長島ダムまで僅か1駅だが標高差90m。最急勾配90パーミルで登る。長島ダムで過半数の乗客が下車。長島ダム発車は4分遅れ。ダムは台風シーズンに備え、放水で水位を下げている。



終点井川に約5分遅れで到着して下車。駅舎前と、そこから車道に下りたところに売店がある。弁当などは無いが、土産物を売っている。フィルムとパンを購入。少し先の井川ダムまで行って、ダムの上から湖を眺める。

ダムの脇に中部電力が運営する資料館(無料)があるが時間がないのでパス。駅に戻る。とても暑い。飲み物を買って駅に戻る。井川駅窓口ではJR線連絡の乗車券も売っている。金谷までの乗車券は揃っているので、入場券だけを購入。

井川から右方向に分岐してトンネルに至る軌道がある。車掌に尋ねると、元々はダム資材運搬用で貨物駅に至っていたが、現在は貨物駅が廃止され、入り口部分を引き込み線として使用しているのみとのこと。

◎井川 1428→1618 千頭  千頭行 同編成 最後車=クハ603

 帰りは最後部に陣取る。発車時に、ドアの未閉鎖があり、動き始めた列車にホームの駅員が駆け寄って閉めていた。速度計を見ると、20km/hそこそこの速度で推移している。この車両は窓が半分までしか下がらない。ロとハの違いはここにあるのだろうか。途中で見掛けた中間車のハはロングシートも見られた。井川で買ったパンを食べつつ、後部景色を眺める。

最後部から、アプト式線路を下る様を撮影。望遠で撮影して高低差を強調。


途中からの乗客はあったが、行き程は混まなかった。特にトラブルがあった様子はないが、千頭到着は約5分遅れ。千頭駅構内の売店で土産物購入。

◎千頭 1641→1758 金谷  金谷行 旧京阪3000系2両編成ワンマン 先頭=3008

 冷房の効いたクロスシート車両。元京阪の特急車両だが、テレビカー部分は無い。2両目に飲料の自販機があった。ワンマン改造されている。旅行記録をまとめつつ、くつろぐ。金谷に到着すると、売店や出札窓口はもう閉まっていた。


◎金谷 1811→1843 静岡  静岡行  113系7両?編成先頭=クモハ113-2005

 空いた先頭車両でボックス独占して旅行記録をまとめる。


◎静岡 1844→1918 富士 西富士宮行 115系6両編成2両目=モハ114-1053

 富士市内で1泊して、翌日は周辺を巡ってから帰宅。

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