1994年7~8月 北海道 6~7日目 ー 北海道ちほく高原鉄道、はまなす、白鳥

 旅の終盤では、北海道ちほく高原鉄道に乗車。札幌で土産物を購入してから、急行「はまなす」、特急「白鳥」、2階建新幹線の「Maxとき」と乗り継いで帰宅しました。


平成6年(1994年)8月3日(水)

不覚にも寝過ごしてしまった。725起床。当初605発の池田行に乗る予定だったが、この後806発の置戸止まりの列車があるので、これに乗ることにする。前日カムイワッカの沢登りをしたせいか、体のあちこちの筋肉が痛む。

 

◎北見806→856 置戸  置戸行742D  CR70-8単行(平成元年 新潟鉄工)

単行のレールバス車内は適度に空いている。ボックスシートも空いていたが、前方を良く見るため、ドア後ろのロングシートに座る。

上常呂には、今や貴重品となった一灯式信号機があり、車内から撮影。交換駅手前ではATSベルが鳴るが、運転手は停車よりもはるか以前にチャイム消しボタンを押している点が気になった。あれでは警報確認後のチャイム音の意味がない。



訓子府は腕木式信号機を使用。対向列車への駆け込み乗車が多く、遅れるかと思ったが何とか定時発車。駅員が利用客を急かして乗せていた。本数の少ないローカル線ならではのことだろう。



置戸に定刻到着。ちほく鉄道では、有人駅でも駅での集札は行わず、車内で清算する。従って、下車した客はホームから思い思いの方向に飛び降りて、駅舎を通らずにそれぞれの目的地へ散っていく。置戸駅出札では、土産用の小物を各種販売している。レールの切り身が1cm300円、10cm2,000円で売っており、1cmを2個買った。1つはMさんへの土産にしよう。他にキーホルダー各種販売していた。レール購入後に閉塞打ち合わせの予定を聞いてみる。923北見行のタブレットは折り返し使用だが、1037発の銀河号は1015頃とのこと。置戸町役場で銀河線友の会のパンフレットを貰う。その後、駅近くで撮影。




駅に戻る。閉塞打ち合わせは1030頃になった。有難くも駅事務室に入れてもらい、閉塞機の脇で録音。時間的にはかなり短い。友の会会員のメモリアルプレートを観察。道外の人もかなり多く載っている。道内の人は市町村名、道外の人は都道府県名が氏名の上に載る。

  北見駅には券売機しかないが、置戸は硬券。なお、運賃は置戸で区切ると、通しで買うよりも安い。

 

◎置戸 1037→1230 池田  銀河 帯広行 快速702D  CR75-2(H元・新潟鉄工)単行


  

車両は普通列車と変わらない。飲料の自販機があるが、先程の車両にもあったかも分からない。置戸・陸別間は、殆ど人家のないところを通る。周りに人家もなく、ただ国道沿いのところにある駅もある。陸別は駅舎が大きく立派。鉄筋コンクリート製で新しいようだ。足寄は駅舎改築中らしく、工事中。規模もかなり大きいと思われ、渡橋部分が大きいことから、橋上駅舎になるのだろうか。

車内には地元児童によるものと見られる銀河線の絵が数枚展示されている。列車の運転速度は80km/h程度。銀河号の運転手はヘビースモーカーらしく、停車駅毎に一服している。ちなみに車内は60080016001800のみ禁煙。池田に近づくにつれ、車内は混んできた。池田到着時には座席の95105%の混雑率。池田でも車内清算になっていて、清算済み証明書をくれるが、硬券は回収されてしまう。清算済み証にはプレゼントの応募券が付いていて、当たると地元の名産品が貰える。

 

  *北海道ちほく高原鉄道 タブレット形状

      北見上常呂訓子府置戸陸別上利別足寄本別高島池田

 

◎池田1236→1346新得  おおぞら6号 札幌行 特急4006D  キハ1837両編成6号車=キハ182 4

やや混んでいて、最初は通路側の席となるが、帯広での下車客が多く、2人席を獲得する。雨は降っていないが曇っている。池田でワイン城と観覧車へ行く予定だったが、そのまま「おおぞら」に乗り続ける。ワイン城を見れなかったのは残念だが、これで予定に追い付く。

 

◎新得1350→1530富良野  滝川行2436D  キハ40 756単行



4分の接続のため、慌ただしく隣のホームへ行く。車内は座席の60%以上が埋まる混雑。デッキ寄りの席をようやく得る。新得発車後、列車は狩勝峠に入る。幾つかのトンネルをくぐり高度を上げるにつれ、下に広がる新得の町が見える。線路がカーブしている関係で、最初は左、途中から右側に素晴らしい展望になる。新狩勝トンネルの開通により景色の雄大さが減ったと言われているが、それでもなかなかのものだ。



新狩勝信号場で7分停車し、おおぞら5号と交換。おおぞら5号は少し遅れて来たので、この列車も若干の影響を受けた。次に上落合信号場では、トマム・サホロ・エクスプレスと交換した。落合到着時に既に遅れが出ていたため、すぐに発車。幾寅では高校生らしき10人余りの乗客があり、以後は座席のほぼ100%が埋まる混雑があまり変わらずに富良野到着。



富良野にはジョイフルトレイン2編成が停車していて、駅舎内は複数の団体客で大混雑。飲料購入後ただちに改札内に戻り、列車を待つ。ホームには、何かの試合の帰りと見られる少年野球のチームらしき団体や一般客多数がいたが、入ってきた列車はキハ150単行。

 

◎富良野1540→1652旭川  旭川行9762D→1762D  キハ150-7単行

  多数の乗客と単行の小型気動車1両では、当然ながら混雑する。立客もいる。新得近くでの「おおぞら」車内で買った弁当は未だ開封できない。途中で下車する客も多いが、同数以上の客が乗ってくる。美瑛からは定期運転のダイヤだが、更に混み、座席数の150%強の混雑となり、外の景色などよく見えない。

 

◎旭川1700→1820札幌  スーパーホワイトアロー20号 札幌行L特急3020M  7834両編成 最後4号車

この列車も混雑している。旭川発車時点で95%以上。滝川辺りからは105%くらい。通路側に席を取ってようやく弁当を食べる。車窓には北の大地が広がる。もうすぐ今回の旅でのこのような景色は見納め。車両は通産省のグッドデザイン賞を受賞している旨、客室内にも表示がある。車内放送のチャイムはシンセサイザー音で、曲目は2種類聴いた。1つは鉄道唱歌。もう1つは北海道と山陰などのディーゼル車内でよく聞くアルプスの牧場だが普段は部分的にしか流されず、なかなか全体像がつかめなかった曲だ。この時は速いテンポの電子音で全体が流れたが、残念ながらこの時は録音機を回していなかったので、完全版の採音はできなかった。

 

札幌到着後は職場用や自宅用の土産を買い集めなければならない。全部揃2時間くらいかけて、地下の土産屋街や地上の店などを幾つもはしごした。

ようやく必要な数が揃い、大通り公園に行く。土産購入途中でリュックやこれまでに買った土産をコインロッカーに入れて来たが、それでもカバンの中身はいっぱいになっている。公園でテレビ塔をバックに記念撮影。トウキビを買って噴水の近くで食べる。小さい子供が全裸で水遊びをしている横で学生風のグループが着衣のまま噴水に飛び込んで騒いでいるのを周囲の人が見物していた。すこし時間が残ったので、テレビ塔の下に行き、夏期営業のビアガーデンに入る。過日、滝川から乗ったタクシーの運転手に教えてもらった場所だ。サイダーと枝豆を購入し、やや慌ただしく食べる。2130を過ぎてタワーや店が閉まり始めた。徒歩で札幌駅に引き返し、ロッカーで荷物を取り出す。かなり重くなった。やっとの思いで5番ホームに上り、自由席を探してうろうろする。

 

◎札幌2200→518青森  はまなす  青森行 急行202  DD51→ED79 8牽引14系客車11両編成11号車=スハフ14 506

急行「はまなす」は多客季のため11両の長大編成。そのお陰で喫煙車ながらも2人席を占めることができた。しかし、発電機の真上のため、音がうるさい。大阪の「だいせん」と同様に「はまなす」にも多少の通勤利用があり、千歳、苫小牧を過ぎると大分空いてきた。凡そ40%の乗車率。苫小牧から車内減光するが、夜汽車にしてはまだ明る過ぎるくらい。上り「はまなす」は鹿部経由のルートを通るが、既に駅名標の照明は殆どの駅で消灯されていて、確認できなかった。

函館で機関車をDD51からED79に交換すると同時に方向転換。車内の座席を回転させた。その後しばらく眠り、起きた時には青函トンネルを過ぎて津軽トンネルを出た辺り。蟹田でJR北海道からJR東日本への乗務員交代。5時少し前だが、この時刻には日が完全に昇っている。518青森定刻到着。

一度、青森駅の改札を出て、新潟経由の乗継特急券(自由席)をビューカードで購入。その後、駅前市場を散歩。りんごジュース1本を購入して駅に戻る。

 

平成6年(1994年)8月4日(木)



◎青森611→1215新潟  白鳥  大阪行 特急5012M  4819両編成 先頭9号車=クハ481-102



  「白鳥」は「はまなす」到着時から既に客扱いを開始していたため、特急券購入前に荷物を置いておいたから、席は確保されている。立食蕎麦のスタンドで冷やし茶蕎麦(持込容器付)を購入。車内で食べるが、ワサビが強く、味はあまり感心しない。弘前からの乗車客が多く、荷物をどけて席を空ける。足元と膝の上にも荷物となり窮屈。混雑率は一時90%を超える。

弘前・鷹ノ巣間では、ガスのかかった山の景色に情緒があった。秋田で少し空き、混雑率は60%程度になる。車販からコーヒーを買おうかと思ったが、周りの人が買う様子を聞いていると、紙コップ1杯で300円もすることが分かり、止めた。

秋田を過ぎて、海の見える区間が出てくる。秋田・山形県域の海岸は、入り組んだ岩場や奇岩が並ぶ、五能線のような絶景。沿線にはたまに海が見える他、一面に稲作地帯が広がる。緑の絨毯となっているだだっ広い水田が美しい。線路は複線区間と単線区間が入り組んでいて、「白鳥」も1、2度運転停車があった。しばらく走るとまた混み始めて、村上では満席になる。村上の手前では2個所(新津起点で70km地点付近と、村上駅直前)にデッドセクションがあった。

新潟にはほぼ定時着。一度、改札を通り駅前に出るが、荷物が重いので、すぐ新幹線ホームに上がる。

 

◎新潟1313→1508東京  Maxあさひ314  東京行 新幹線314C  E112両編成 先頭1号車=E153-101




発車40分くらい前にMaxは既に入線していたが、清掃作業中とかで客扱いはしていない。先頭車(禁煙自由席)の列に並んでしばし待つ。1255頃客扱い開始。どっと車内に流れ込む。何とか2階左窓側席を確保。発車までに弁当と飲料を購入。乗車率は2階席で80%以上と思われる。2階席は横6列(3人+3人)の座席。テーブルが付くが、フットレストやリクライニングの設備はない。元々通勤用として作られたからだろうか。荷物棚は「つばさ」と同様で蓋が付かないタイプ。頭上がすぐに棚なので、頭をぶつけないよう車内放送でしきりに注意を喚起していた。



高崎の手前で高架線が合流。北陸新幹線と思われる。路盤はかなり出来ているが、レールは未だ敷かれていないようだ。総2階建ての車内は階段だらけのため、車内販売はカートを使えない。商品を透明ビニールの手提げに入れ、または手で持って車内を巡回している。

高崎からの乗客が多く、乗車率は2階席で110%。高崎を出ると窓の外の景色が都市的になってくる。熊谷通過の辺りから、周囲に田畑が(ある所にはあるが)殆どなくなり、ビルや住宅が密集した風景になる。熊谷通過後間もなく(1、2分後)東武5750系と思われる車両が置いてあるのが見えた。物置として使っている模様。

大宮を出てから車内散歩。2号車に自動販売機。飲料、つまみ、弁当があるが、飲料は130円。8号車に売店。自販機と類似の品目の他、新型列車のシールのようなものが520円で売っていた。いずれにしても飲料は車外で買った方が無難なようだ。座席が非リクライニングなのは2階自由席のみ。1階席や指定席は横5列のリクライニングシート(フットレストは無い)。喫煙車には座席毎に灰皿がある。ブラインドは7色の組み合わせからなる柄。窓は2席分ずつの広さだが、中間にブラインドのレールが遮っている。ブラインドはフリーストップ。



東京に定刻に到着して記念撮影。折り返し新潟行のMaxあさひを見送る。東京駅構内は工事中のため、中央通路に出るのに手間取る。しかも荷物が多く暑い。地下1階からエレベーターで地下1番ホームへ。

 

◎東京1541→1642逗子  久里浜行1503S  11311両編成9号車=モハ112-1514

千葉方面からの11両編成だが、座席の使用率は30%~50%未満。ホームの売店でカルピスウォーターを購入し、車内で飲む。品川からは最近まで通学で乗り慣れた区間。車両はモハ1121500番台で、若干シートピッチが広い。

横浜から乗って来た母子連れが切符をなくしたと騒いでいたが、東戸塚で下車。それ以外は車内は平穏。冷房も効いていて快適。やはりスカ線は落ち着いて良い。ただ、電車の揺れは今回の旅で乗った列車の中ではかなり酷い方だと思う。

鎌倉を発車してボックス独占。市内の空は快晴で、かなり暑そうだ。1639に名越トンネルに入り、1640に逗子市内へ。

 

荷物は重いが、跨線橋を渡って改札を出て、逗子市役所まで歩く。1645頃でやや空いている。イベント用の広間は、端にピアノが置いてあるだけで、展示替えの途中らしい。庁内は冷房が効いていて居心地が良い。

逗子駅前まで戻り、タクシーで帰宅する。横須賀線の踏切を渡った直後に17時のチャイムが鳴る。5分過ぎくらいに自宅に到着。今夜は土産の整理をして明日に備えなければならない。

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