1999年09月 東北 2日目 - 米坂線で踏切事故、山形鉄道、左沢線、山寺参詣、仙山線

 快速「ムーンライトえちご」で新津に到着した2日目は、米坂線、山形鉄道、左沢線を乗り歩いてから山寺に参詣して、仙山線で仙台に出て小牛田宿泊でした。途中、米坂線内で踏切事故に遭遇したことによる予定変更がありましたが、目的としていた路線には乗車できています。

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 平成11年9月25日(土)

◎新宿 前日2309→453 新津 快速「ムーンライトえちご」村上行3763M  165系6両編成2両目5号車=モハ164-64   座席指定券5号車5番A席=後ろ右窓側

 高崎を出た列車は138に新前橋に運転停車。148発車。水上と越後湯沢にも運転停車。水上では上りの「ムーンライトえちご」と擦れ違った。冷房が肌寒いので上着を出して着た。

 少しずつ寝るが短時間で目が覚めるのを繰り返しながら、長岡を過ぎ、その後は停車駅が増えてきた。

 台風による遅れを懸念していたが、新津には僅か1分遅れの454着。そこそこの数の乗客が下車した。空はまだ明けていない。風が若干強い。

 駅前の商店街はまだ眠っている。コンビニの類いは見当たらない。5時半を過ぎて明るくなってきた。駅舎内の照明も点灯。時折列車が発着していく。

 広い構内には、この春に運転開始した「SLばんえつ物語」用の客車が停まっている。今日は運転日だが、機関車はまだ車庫に入っているようで、見当たらない。待合室で一休み。待合室には「お客様の声」の箱に回答が掲示されていたが、「増発は困難です」等の消極的さを隠さない内容が多く、気になった。

1993年10月に乗車した蒲原鉄道は、この旅行の9日後に廃線を控えていたところ、新津駅の券売機に残っている蒲原鉄道乗換乗車券の画面を開いてみた。


◎新津 616→708 坂町 酒田行823D キハ110系2両編成先頭=キハ110-206

 新津駅1番線から真っすぐ進み、左に新潟方面への信越本線が分岐していくのを見ながら、羽越本線に入る。こちらは単線。電化区間だが長距離の普通列車はディーゼル車である。この先に交直切り替え区間があり、普通列車用の交直両用車両が無いから、ということが新津駅のお客様の声回答にあった。発車後すぐに検札。

 左右には田園風景が広がる。稲は殆どの田で刈り取りが終わったところのようで、切り株が残っている。まだ刈り取りの終わっていない田の中には稲穂が倒れてしまっている所もあった。昨夜通過した台風の影響だろうか。

 土曜日なので、途中駅から通学客が少しずつ乗車してきた。

 新発田で単線の白新線と合流。これで羽越本線を完乗したことになる。まだ空いている車内で、カロリーメイトで仮朝食。坂町下車。

◎坂町 724→1000 米沢 米沢行1124D キハ52・47系2両編成 先頭=キハ52 121

 先頭の車両は飯山線の塗装になっている。正面貫通路の扉の下半分が黄色・オレンジ・赤で塗り分けられているのが特徴。飯山線にキハ100系?が増備されたので余ったキハ52が回ってきたのだろうか。

 発車するとすぐに羽越本線と分岐して南下する。すぐに検札が回ってきた。県境を越える線のためか、通学客は見当たらず、車内は静かである。

 越後片貝に近付いた742頃から雨が降りだした。坂町付近では周囲の景色は田畑だったが、この辺りでは川沿いの渓谷を走る。雨は間もなく止んだ。

 802頃、小国駅手前の踏み切り内に停まっていた自動車と衝突。衝突までに列車は減速していたので、ショックは余り感じられなかったが、自動車の側面にぶつかっていて、自動車は45度程回転している。自動車の脇腹がへこんでいるが、幸い中にいた人に怪我はない模様。たまたま車掌が2名乗務していたようで、直ぐ降りて防護無線作動や関係箇所への連絡を行っているようだ。防護無線の音はしばらくして止まったが、踏切の警報機はずっと鳴り続ける。

 809頃警察の車両が到着。間もなく、小国駅員と思われる鉄道関係者も到着。812頃から車掌が各乗客に乗り継ぎの予定を聞いて回っていた。米沢での次の列車への接続は30分程である。その間、車両の点検を行っているが、816現在、運転再開時刻は未定。

 しばらくして車掌が回ってきて、レッカー車手配中とのこと。825頃から警察官が車内を回り、乗客の氏名・住所・生年月日・電話番号・勤務先を聞いて回った。

 847、列車は10mほどバックして再停車し、再点検。この列車は羽前椿と今泉で各10分停車の予定だが、それを切り詰めても、そろそろ次の列車への接続が危ない。

 852、踏切内の自動車が撤去された旨の案内あり。

 855、この列車は通常禁煙だが、喫煙希望者への灰皿の配布が行われた。現場検証が始まったころは小雨が降っていたが、9時前には止んだ。

 車内は比較的空いているので、乗客の中には、寝転がっている人や、学校の音楽の歌の練習をしている女子高生?もいる。

 9時過ぎにレッカー移動完了、保線点検は既に終了し、車両再点検と信号通信係到着待ち。車体を槌でたたいて点検する音がする。935頃、乗客の行き先の再確認。9時半頃から一時雨が強く降った。

 944ようやく発車。102分遅れ。ここまで車掌の朴訥な人柄で乗客の不満は抑えられていたと思うが、ここから先の接続の影響を抑えるのは回復運転と運転司令の腕次第だ。1分余りで小国停車。ここで降りる人も今まで足止めされていた。やはり抑止を食っていた坂町行とすれ違う。

 しばらく山間部の、雪崩除けのある区間を走っていたが、やがて平野部に入った。水田が広がっていて、この辺りではまだ稲刈りのされていないところが多い。稲は萌黄色に光っている。

 回復運転は順調のようだ。もともとダイヤに余裕があるのかも知れないが、小国の4駅先の手の子まで長時間停車の駅はないはずだが、102分遅れを約95分遅れにまで回復、時刻表上、羽前椿12分と今泉10分の停車予定を圧縮した結果、今泉発車1033で、69分遅れにまで回復。1件の踏切事故にしては大変な遅れだったが、これだけ回復することは首都圏ではありえない技だ。

 時刻表を見直して、米沢を1時間後の山形行に乗り赤湯乗り換えで荒砥からタクシーで宮宿へ行きバスで左沢か寒河江に出る経路を考えた。タクシーが思わぬ出費になりそうだが、うまくいけば山寺には当初予定の通りに着く。山寺観光を捨てればもっと簡単だが、天候も回復してきたので、山寺の散歩は捨て難い。

 途中から土曜の学校帰りの高校生が次々と乗車してきた。皆、列車で待ち合わせているようで、互いに随分待たされたと言い合っていた。

 羽前小松で下り列車と出会った。確認できなかったが、新潟行快速「べにばな1号」だとすると「べにばな」は3分遅れ位で済んだようだ。

 西米沢と南米沢で多数下車。終点米沢に近付き下車準備を始める。米沢到着1108。68分遅れ。上りの山形新幹線つばさが出るところで、乗り継ぎ客がいないか駅員が大声で確認して発車していった。

  改札で遅延証明貰う。米沢駅はライトブルーの洒落た建物。名物の米沢牛の店が駅前に構えている。改札内で駅弁「牛肉道場」1,020円を購入。

◎米沢 1138→1153 赤湯  山形行437M  719系2両編成ワンマン先頭=クモハ719-5002

 広軌のワンマン普通電車。新幹線と同じ線路を走る。車内は若干混んでいるが、2人席を確保し、米沢の駅弁で朝食兼昼食。

 途中上り列車の遅れのため途中駅で5分程停車。赤湯で下車。


◎赤湯 1212→1311 荒砥 荒砥行209D YR-882単行ワンマン

 車内は70%位の乗車率。遅れてきた新幹線に接続して、3分遅れ1215発車。宮内から学校帰りの通学生で通路にまで立ち客。車内は適度に暖かく、眠気を誘う。沿線には刈り入れ前の田が多いが、時折、果樹園らしきところもある。

 今泉ではJR米坂線と接続だが、朝の踏切事故の影響がまだ残っている模様。長井で半分くらいの乗客が下車し、車内にゆとりが出る。 

 最上川を渡り、荒砥に到着。2分遅れ。



◎荒砥駅 1321→1338 宮宿待合所 白鷹タクシー山形500あ・・・6

 駅前に1台止まっていたタクシーは、写真を撮っている間に行ってしまったが、駅から1分の所にタクシーの営業所があり、1台止まっていた。事務所に声をかけて宮宿までの時間と料金を尋ねると、20分位で約5千円とのこと。少し高いが、まあいいか。頼むことにすると、運転手氏は食事を中断してすぐに出てきてくれた。

 宮宿1350のバスに乗りたい旨を告げると、間に合うとのこと。鉄道乗りでこの区間のタクシーを利用する人は結構いるらしい。この辺りはしばらく雨が続いていたが、今回の台風ではあまり影響はなかったらしい。

 最上川沿いの整った道を順調に進んで行った。時折ダムらしきものも見える。朝日町に入り、中心地の宮宿待合所に到着。余裕で間に合った。


◎宮宿待合所 1350→1415 左沢待合所 寒河江ターミナル行 山交バス 山形22あ1265 

 宮宿待合所の時刻表で、寒河江行のバスが左沢を通ることを確認。10人程の乗客で定刻に発車。床は木張りで若干揺れる。

 細かい運賃表は掲示してあるが、運賃表示機のようなものはない。走行中、急に非常ベルが鳴って、停車。非常口のロックのカバーが緩んだらしく、運転手がカバーをたたいて終わり。

 先程かなりの雨が降ったらしく、路面が満遍なく濡れているが、現在は日が照っている。左沢待合所はJR駅前だった。

◎左沢 1438→1517 北山形 山形行9340D→1340D キハ100系2両編成ワンマン 後車=キハ101-6

 ここで当初の予定に追い付いた。

 左沢駅には団体列車が到着していて、その乗客が待っており賑やかである。その団体列車は側線に入っており、30分後の発車らしい。団体客の一部は先に出るこの列車に乗り込んで声極めて高らかに叫び、とてもうるさい。最初先頭車両に乗っていたが、発車前に後ろの車両に移った。こちらにも団体客はいるが、少しはましである。

 左沢線はフルーツラインの愛称を持ち、車両の柄は水色を中心にしたもの。車内はロングシートでトイレ無し。団体から流れてきた客を除けば多少空いていた。左沢を出てしばらくはトンネルが続いたが、そのうち平野に出た。前回の東北旅行(平成5年)で左沢線に乗った時は夜だったので、まともに沿線の景色を見るのは初めてである。

 寒河江からは混んできて、ほぼ満席になった。北山形で下車。跨線橋からは、山形新幹線延伸工事中の広軌線が見下ろせる。

◎北山形 1521→1540 山寺 快速仙山18号 仙台行3842M 455系3両編成 中間車=モハ454-38

 2ドアセミクロスシートの電車。50%以上の乗車率。途中の楯山で反対列車待ち合わせのため6分運転停車。

 山寺で下車。駅員1人の小さな駅だが、待合室がしっかりした造り。「待合室に宿泊しないでください」の張り紙がある。山寺のオリジナルオレンジカードが3種類発売されている。帰りに買うことにしよう。

 ガイドマップのようなものは配布されていないが、案内板に従って立石寺(山寺)登山口へ。境内の中に入ってから参道の入り口が分かりにくかった。

 山門で入山料300円を払って、急な石段を登り始めた。傾斜は琴平のよりも急なようだ。参道に大きな岩が迫っていて道の険しさを表している。

 松尾芭蕉が俳句を収めたという「せみ塚」は参道の半ばにある。途中で休憩を挟んで奥の院に到着、参拝した。他にも由緒あるらしい建物などが散在しているが、良く解らない。


 岩壁から迫り出したような展望台があり、そこから景色を見下ろした。眼下に仙山線の線路が見えるが、あいにく時刻表は駅のロッカーに預けた荷物の中にあり、通過予定時刻は分からない。しばらく待ったが列車は通りそうにないので、17時5分頃から下山を始めた。

 展望台から景色を見ている分には沈みかけた夕日が山の上の方を照らしていて明るく見えるが、参道は石段が暗くなりかけている。これなら後の列車にしないで良かった。参道の土産物店は既に閉店していた。

 駅に戻りオレンジカードを1枚購入。


◎山寺1749→1836 仙台 快速仙山22号  仙台行3342M  455系3両編成中間車=モハ454-4

原因は不明だが3分ほど遅れてやってきた。山の景色は既に暗くなりかけている。セミクロスシートのロング部分に座る。景色はもう殆ど見えない。面白山高原を出るとすぐに県境の長いトンネル。

 仙台到着。周囲の乗客の大部分は山寺以遠から仙台までの通しの乗車だった。山寺の登山道でサリーを着たインド人夫婦らしき2人連れが同じ列車だったが、女性の方は疲れたのかロングシートに横になって寝てしまった。

 すぐに接続の一ノ関行があったが、その先の接続が無いので、もう1本遅らせることにして仙台駅を散歩。ちょうど中央改札前で、「みちのくエキコン」をやっていて人だかりがしている。今日は「現代琴のシンフォニー」とのことで、大勢の人が琴を合奏していて、1曲終わる毎に盛大な拍手があった。

◎仙台 1920→2004 小牛田 小牛田行1441M 701系4両編成先頭=クモハ701-1029

 全席ロングシートの701系がいつの間にか仙台にも現れていた。発車の20分近く前から入線していて、早くから来ていた人は座れる。先頭車両の中央付近の席に座った。棚にリュックを載せるときに吊り革の手持ち部分を額にぶつけた。少しこぶになった。

 外も暗いし、小牛田まで寝ていくことにした。小牛田の改札近くまで行くが、外にめぼしいものはなそうなので、既に入線している鳴子温泉行の車内で待つことにした。


◎小牛田 2028→2041 古川 鳴子温泉行1755D キハ110系2両編成ワンマン先頭=キハ111-216

 東北本線の下り電車の接続を待って2分遅れで発車。先頭車両は40%位の乗車率。途中の駅から乗ってきた人は若干いたが、古川より手前で降りた人はいなかった。

 駅の飲食店は既に閉まっている。駅前の先にプラザホテル古川のネオンが見えたので、そちらに向かって歩く。コンビニで飲料購入してからチェックイン。


◎プラザホテル古川 古川駅から徒歩4分 0229‐24‐7700 4階1412号室シングル

門限午前2時 ルームキー タブレット式、外出時フロントへ。テレビは通常放送6局とNHKBSと有料ビデオ(コイン式)3チャンネル、テレビ・ビデオとも、番組表が備えられている。あとはバス・トイレ付きの通常の部屋。朝食は予約制で7時から9時までバイキング800円だが、今回は6時出発のためパス。


 家に電話してから夕食に出る。付近の飲食店では、居酒屋が2、3軒とモスバーガー、ミスタードーナツだけ開いているようだ。モスバーガーに入った。マクドナルドよりは高いがたまにはよいか。

 食後、本屋などに寄って2245頃ホテルに戻った。

 テレビは特段に面白い番組も見当たらず、ニュースもやっていないので、シャワーを浴びて寝ることにした。翌朝は早いので、目覚ましやモーニングコールをセットして2350頃就寝。

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