2002年05-06月北海道 5日目 - 恵比島(明日萌)駅、札幌市内、北斗星

 旅行5日目は旭川を出て、留萌本線の石狩沼田から1999年のNHK連続テレビ小説「すずらん」のロケ地となった丘陵と「明日萌駅」と、駅前の「中村旅館」などのロケセットの街並みを見学しました。明日萌駅のセットがある恵比島は、留萌本線の令和5年(2023年)に一部廃止となった区間にあった駅ですが、訪問当時の留萌本線は深川・増毛間で運行されていました。

帰路は札幌市内を観光してから寝台特急「北斗星4号」に乗車しました。


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平成14年(2002年)6月3日(月)

6時過ぎに起床。部屋の湯沸かしポットを使ってお茶をいれて飲む。その後、地下1階の温泉浴場へ。外来入浴の時間ではないのか、浴場フロントは閉まっている。また、エレベータールームから大浴場への自動ドアはスイッチが切れていて、ルームキーを差し込むと一時的に電源が入る仕組み。不審者が入らないための工夫のようだ。

簡単に入浴を済ませ、部屋に戻る。荷物をまとめ、7時過ぎに出発。駅へ行くと、すでに改札は始まっていた。

◎旭川 720→737 深川  スーパーホワイトアロー4号 札幌行L特急3004M 785系5両編成2両目4号車=モハ785-501(H14 Hitachi)指定席=3A(右窓側)

快適なu-seatで深川へ向かう。この車両は今年平成14年3月のダイヤ改正でスーパーホワイトアローにも導入されたもの。デッキの銘板を見ると、平成14年日立製。改造車ではなく今年出来立ての新車である。旭川を出て高速走行に入ってから検札。旭川のホームで駅弁の立ち売りがあったが、この列車には車内販売はいないようだ。

深川でSLすずらん関係のオレンジカードを購入。乗り換え時間の間に駅舎内のスタンドで卵蕎麦を食べて朝食。留萌方面から到着した列車から多数の高校生が降りてきた。そのうちに雨が降りだした。


◎深川 806→822 石狩沼田  留萌行4923D キハ54 505単行ワンマン

上り列車と比べてがらがらに空いている。深川発車時点での乗客は3名。途中停車する北一巳や秩父別は古めかしい木造の駅舎。北秩父別付近では線路に並行して新しい道路が建設中だった。

石狩沼田はかつて札沼線が分岐していた駅だが、改札員はおらず運転士が切符を確認。2面3線あった配線は取り払われ、現在は駅舎寄りの1線だけの使用。委託らしい窓口で切符の販売だけはしている。

30分余り後に恵比島駅経由ほろしん温泉行の町営バスがあるようだ。また、駅前広場にタクシーの常駐はないが、すぐ近くに沼田ハイヤーの営業所がある。ここからタクシーに乗車して「萌の丘」に行って、その先は町営バスということを考えた。タクシー営業所の向かいには観光センターがあるが、めぼしい資料は手に入らなかった。


◎石狩沼田駅付近→萌の丘→恵比島駅 沼田ハイヤー う4527

当初予定では萌の丘でタクシーを降りて、景色を見ながら明日萌へ下ることにしていたが、雨なので再考を勧められる。町営バスがおよそ30分後に近くを通ると思ったが、実際にタクシーで走って見ると、バス経路から萌の丘までそう近くもないし、バス経路は低い位置になるので、丘の上以外は大した眺めでもなさそうだ。そこで、萌の丘入り口の駐車場で待っていてもらうことにした。

丘から石狩沼田854の普通列車を丘から狙おうと思ったが、線路が見当たらないうちに時刻を過ぎてしまった。沼田の出発が遅れたのが響いた。



入り口に看板はあるが、案内板や地図までは無い。散策路の頂上まで来るとすずらんの栽培と記念植樹があった。植樹はすずらんのスタッフや出演者によるもの。

一帯は丘陵地帯が続いているが、どれが「萌の丘」と呼ばれている地点なのか、しばらく分からなかった。植樹の地点の先かと思って奥に進むが、草が高く茂っていてそうでもなさそうだ。登る時に気付かなかったが、植樹地点よりも駐車場方面に戻ったところから少しだけ脇にそれた所だった。



2本の木の間に木の幹を使ったベンチもある。若干雨で濡れているが、腰掛けて記念撮影。曇ってはいるが全方位に雄大な眺めが広がる。 駐車場に戻って920頃萌の丘発。928に明日萌駅到着した。

明日萌のロケセットは恵比島駅前を中心に広がっている。その家並みを見下ろすように恵比島神社がある。登り口の道路は工事中だが、その横から登り、参拝後、明日萌の家並みを撮影。恵比島はドラマと同様に炭鉱への分岐点として栄えたことから、神社の境内には大きな石炭鉱石が寄贈されて設置されている。

ロケセットの家並みに下りる。明日萌駅のロケセットは10時開館との表示。駅舎前にはすずらん、ホームから線路を挟んだ空地にはラベンダーらしき紫色の花が咲いている。



恵比島駅のもともとあった、貨車改造の駅舎も、外壁が明日萌駅舎と同様の板で覆われ、周囲の雰囲気に合わせている。

10時少し前に明日萌駅が開く。古い時代に合わせた時刻表や運賃表がある。通票閉塞機や出札関係の道具は取り払われているが、薪や明日萌の荷札の付いた小荷物、金庫や棚がある。時代を演出するポスター類が貼ってある。昔の路線図、常盤駅長が受けた賞状、中村旅館や横田写真館の案内板、映画版に登場した殺人犯の手配書など。

駅長室には常盤次郎、待合室のベンチには常盤萌(子役版)の人形が設置されている。

10時頃から駅の外のスピーカーですずらんのテーマ曲を流し始めた。幌舞駅でも同様だったが、BGMまで絶え間無く流すことには賛否両論だろう。駅から向かって右手に駅長の官舎がある。ただし外観のみで、屋内のシーンの撮影は東京で行われたとのこと。

土産物の物色を兼ねて駅前の中村旅館に行く。

入り口部分が売店、内部は旅館の造りそのままで、写真や小道具を展示した資料館になっている。


展示されている小道具類は、台本一式(週に1冊)、幾つかのシーンで使われた紙芝居「美少年機関士タケジロウ」、中村旅館の法被その他の衣装、タブレットなど。時間もあるのでじっくりと眺める。2階は旅館の部屋と同様の造りで、ご自由にお休み下さいとの表示。見学後、店内で店の人と話をする。11時近くから1135まで中村旅館に滞在した。少し晴れ間が見えてきたので、日本酒「明日萌」を購入、おじさんと一緒に記念撮影をしてから退出。店内ではストーブを焚いていた。12時にサイレン。ホームの脇の花を入れてみたりして撮影。


もう一度中村旅館へ行き煎餅を購入。駅ホームの花のことを聞くと、ルピナスだそうだ。なお、駅前に植えてあるのはすずらん。もうじき上り列車の時間。出札口の旅ノートに記帳。お婆さんが1人待合室へ。「萌ちゃんがいるお陰でみんなが来てくれる」と。この人形は沼田の人が製作したらしい。

◎恵比島 1248→1311 深川  深川行4926D キハ54 506単行ワンマン

何やら車両の調子が悪い様子。停車の状態でエンジンをふかして見たり、車両側面の機器を点検したりしている。どこかと携帯電話で連絡を取っているのを漏れ聞くところによると、ギアを切り替えた時の表示に問題があるが、走行自体は支障ないらしい。恵比島を3分遅れで発車。

いっしょに乗ったお婆さんに運転手がワンマン列車の利用方法を説明していたのを手伝う。石狩沼田で下車するお婆さんの両替機使用を代行。北一巳発は1分遅れに回復。

深川では定時到着。乗り換え時間はあまり長くないが、一旦改札を出て恵比島の観光入場券を購入。古い書体の明日萌駅入場券のデザイン。朝オレンジカードを買うときに見付けていたのだが、恵比島で買えると思っていたので買い控えていたもの。ついでに昼食を購入。


◎深川 1318→1420 札幌 スーパーホワイトアロー16号 新千歳空港行 L特急3016M  785系5両編成2両目4号車=モハ784-504

指定の席には先客があったが、声をかけるとすぐに動いてくれた。深川で購入した寿司を食べる。のり巻きなど。岩見沢からまた雨がぱらついた。

 札幌で下車。ロッカーに荷物を預けようとしたが100円玉が足りないので正面の薬局で栄養剤を買って飲む。 札幌駅南口は巨大な駅ビルが建設中。それを眺めつつ、まずは時計台へ歩く。


前に来た時は工事中で入れなかったので、中へ入るのは初めて。入ってから雨が本降りになってきたので、しばらく資料の展示を見て過ごす。土産物の中に、時計台の図柄のドコモのモバイラーズチェックがあったので購入。携帯電話を使う人が増えたので、テレカに代わって今後これが増えるだろうか?

一通り見て外へ出る。雨はまだ降っているので傘を出す。宗谷岬の強風で壊れたが、とりあえずの雨よけになる。当初予定では中島公園の散歩だが、この雨で公園を歩いても面白くない。公園は飛ばしてサッポロファクトリーへ向かった。


サッポロファクトリーはかつてのサッポロビールの工場跡を改装したもので、赤煉瓦の建物も残っている。現在は周辺にできた新しい建物と合わせて複合商業施設となっている。

タレントの田中義剛の運営する花畑牧場のファームショーが行われているので、それを見ようと思っていた。しかし、平日はやっていないとのこと。花畑牧場の物産コーナーは、レンガ館1階ハロープロジェクトの店の一角にある。後で土産物購入に使おう。ハロプロの店内には、ハロプロ関係のプチミュージアムがあり、メンバーの写真、モーニング娘。の衣装などが展示されている。なお、ハロプロの中に「半農半芸タレント」を標榜するカントリー娘。というユニットもあり、その「農」部分の仕事場が花畑牧場であるため、ハロプロと花畑牧場が関係している。その後、レンガ館2階に幾つかある土産物店も見物。

一度館外へ出てみると、雨が一時的に止んでいた。レンガ館の写真を撮る。また、サッポロファクトリーに隣接する、道指定文化財の旧永山武四郎邸を見物。休館日だが外から見る。なお、新旧2つの建物が並んでいるが、平屋の黒ずんだ建物が当初のもの。

サッポロファクトリーに戻る。ビール工場の設備の展示など見物。その後に買い物。職場用に苺の生チョコショコラと、花畑牧場のチーズケーキを購入。自宅用にチーズを購入したが、要冷蔵なので、持ち帰るまで品質が維持できるか分からないので少量に止める。

雨が止まないので、散策バスで、車窓から観光しながら駅に戻ることにした。

◎サッポロファクトリー 1755→1825 札幌駅 さっぽろ散策バス都心周遊コース17B便 札幌22か2751

車中にカーナビ映像。無線連絡が多く入る。シャトルバスの関係か。大通り公園のテレビ塔、さっき見た時計台、すすきの、北大植物園などを車窓から見物。特筆すべきかどうか、サッポロファクトリーで乗車してから札幌駅前バスターミナルで下車するまで、完全貸切だった。

夕方になるにつれて、駅も警備員が多くなった。鍵のかかっていないロッカーをパタパタと開けて不審物が無いか確認して回っている警備員もいる。

キヨスクの土産物店で職場用コーヒーなど購入。あと、みどりの窓口でJR北海道15周年オレンジカードも。何だか購入ばかりだ。

19時近くにコインロッカーを開け、リュックを取り出して改札を通る。

◎札幌 1927→翌1112 上野  北斗星4号 上野行寝台特急4列車 DD51 1054,DD51 1093 →ED79 19  +25系客車12両編成(電源車含む)9号車オロハネ25 501。指定=6番個室ソロ上

予定通り小樽方から1901入線。部屋に荷物を置いてからホームを歩く。発車前から案内放送が繰り返される。

(個室関係の記録)ロイヤルは車両の中央ではなく、上野方の端に2部屋集中して配置されている。ソロ2階部屋は、階段が外側。上った左右に4番と6番の扉。鍵カード挿入穴は共通。施錠時には施錠する部屋のボタンを押してからカードを挿入する。開ける時はカードを挿入するのみ。ただしこつが要るのか、1回ではなかなかうまくいかない。枕は通路寄り。枕側に冷房吹き出し口と非常ボタン。枕側のドア横に折り畳みテーブル(JR両社の社内誌が置かれている)と灰皿(寝台使用中禁煙)、中央部に座席用の背もたれと折り畳み式のひじ置き。窓側の壁には足元に暖房口(暖房スイッチはドア横)、荷物収納スペース、オーディオコントロール、天井灯と床灯のスイッチ。なお枕元にも読書灯?がある。ごみ箱はテーブル下。小さな鏡がドア横の上部に。窓側の天井は車両限界に合わせてカーブしている。全体的に天井が低いので立つことはできない。(高さ150cm位か)浴衣とハンガー、スリッパもある。なお、1階部屋は通路側にも窓(当然カーテン付き)がある。

発車1分延。発車のショックは客車にしては小さい。雨の札幌をそろそろと加速。発車後、車掌からの案内放送一式。その直後、1934に食堂車のディナータイム開始の案内。車内販売もあるとのこと。

検札後1945頃に食堂車へ。既に予約客が座るべき席には、予約メニューに合わせてナイフやフォークがセットされている。従業員に氏名入り(東逗子で食堂車予約の際に氏名を聞かれ、それが予約券にカタカナで印字されている)の予約券を渡すと、名前を復唱して4人テーブルに案内される。今夜の食堂車利用一番乗り。しかし用意されているナイフ類は、自分の分を含めて僅か2人分。席は26人分もあるのに。予約券には、混雑時には相席となる場合もある旨記載されているが、1人客でも2人テーブルではなく4人テーブルを使うという状態。飲み物の注文を問われ、コーラを注文。程なくコーラと本日のコースメニュー、オードブルが運ばれてくる。その都度頭に「●●様」と客の名前を呼ぶ。

自席で清算を済ませ、2045頃退出。

2104頃パブタイム開始の放送。途中珍しく遠くまで街の明かりが広がる。洞爺だった。意外と言っては失礼だが、大都市だ。その後、ロビーカーで北斗星グッズ販売との車掌の放送。ロビーカーへ行くため2130頃パブタイムの食堂車を通り抜けたところ、その時点での利用者は5名。オレンジカードをと思っていたが、気が変わり、革製のコースターを購入。一旦部屋に戻ってカメラとコースターを置いてから、ロビーカーでビデオ放映を見ながら旅日記を打つ。ロビーカーでグッズを販売していた車掌は程なく撤収した。広いロビーに1人。NHK小さな旅の後、釣りバカ日誌(青島幸男や宮沢りえが出演)が始まった。

2220最終放送。明朝の放送は0630仙台発車後の予定。青函トンネル突入時刻0038、吉岡海底通過0051、竜飛海底通過0105、本州側出口0116予定で現在定時運転中とのこと。

2259食堂車の店員に呼ばれて2人の車掌がロビーカーを通って後方へ。何かあったのだろうか。しばらくして2人とも戻っていった何ともなかったのかも知れない。

五稜郭を通過して間もなく函館。映画はまだ途中だが後方へ移動。食堂車では従業員が終業後の夜食を取っている。食堂車クルーは料理長や車内販売を含めて3人のようだ。利用客が少ないなか必要最低限の人数で切り盛りしているのだ。

函館停車時間中、五稜郭寄りで青函トンネル用の電気機関車連結を見学。連結時にはぴたりとした位置に停め、客車にショックを与えずに完了した様子。見学後、部屋に戻った。しかしカードキーの調子は今一つで、何度も試してようやく開く。

もうじき青函トンネルに突入する時刻なので、ロビーカーに行ってみる。途中の食堂車は無人だが、テーブルのライトは全て点灯している。ちょうど予定の2438にトンネルに入った。青函トンネルのようだ。2450に予定より1分早く吉岡海底を通過、2455に最深部通過。

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