2006年05月 新潟 1日目 ‐ SLばんえつ物語

 連休を利用して父と2人で1泊旅行に行くこととなり、列車や宿の混み具合を勘案して、「SLばんえつ物語号」に乗車して新潟に泊まるルートを考えた。「ばんえつ物語号」は、午前中の会津若松行は満席だったが、夕方の新潟行にはまだ席があった。観光地の宿泊施設は満室だが、新潟市内は比較的余裕があるようだ。3月に新宿から東武鉄道に乗り入れる特急の運転が始まり、ここから会津に出る方法もあったが、こちらは満席。そのため、新幹線の自由席で郡山まで出ることとした。


 平成18年(2006年)5月3日(水祝)

 朝のラジオニュースでは、早くも高速道路の渋滞を伝えている。列車も下りの混雑は今日がピークのようだ。550頃に父と共に家を出て、東逗子駅へ。一昨日は夏日となったが、昨日は雨のうえ大幅に気温が下がった。今朝は晴れているが、まだ涼しい。

◎東逗子 608→716 東京  千葉行570S  E217系11→15両編成先頭11号車=クハE217-11

 東逗子乗車の時点では、車内はまだ空いている。朝日を受けながら進む。横浜付近ではサンライズ瀬戸・出雲と並走。途中から乗客が増えて各ボックスに人がいるが、品川を出てもゆとりがある。

 地下ホームから速足で通路を進み、南乗り換え口から新幹線改札を通る。やまびこ205号は23番線からの発車。ホームに上がる。地下ホームからここまで約6分。ホームは自由席乗車待の客で混んでいる。ホームを有楽町寄りに進み、2号車の乗車口に並ぶ。列の前方は30人近く並んでいるようだ。


◎東京 740→922 郡山  やまびこ205号 仙台行新幹線205B  200系10両編成2号車=226-1011  自由席13AB(進行右側3列席の右側)

 発車の約10分前に回送で入線した。すぐに乗車できる。3列席の、右側に2人並んで座れた。すぐに満席となり、発車間際にはデッキに立つ人もいた。大宮発車の時点では通路にも10人以上の人が立つ状態。東京発車直後に車内販売が回ったが、この先は指定席だけしか回れないだろう。

 郡山までは車内誌を読んだり寝たりして過ごす。那須塩原では通過列車待ちのため5分停車。左手遠方に那須連山が見える。山頂付近は残雪があり、晴れた空の下で映える。沿線には桜も一部咲いているようだ。新白河を出ると通路の立客は減り、郡山で多数の乗客が下車した。

 磐越西線の列車まで若干時間があるため、新幹線待合室で一休み。


◎郡山 943→1000 磐梯熱海 会津若松行快速3233M 455系6両編成 最後=クハ455-74

 乗り換え改札を通り磐越西線のホームに移動すると、列車は発車前から満席に近い。短距離なので最後部のデッキに立つ。磐梯熱海は駅員がいる。乗車券を呈示すると、下車印を押してくれる。

 磐梯熱海駅を出て左手には、池を配した細長い庭園があり、趣がある。その庭園に沿った所にある温泉旅館「きらくや」は10時半からの営業。他にも日帰り入浴ができる宿はあるが、ここは2種類の温泉を引いている。営業時間まで、周囲を散歩。玄関前に足湯を開放している宿もある。近くに無料のギャラリーがあり、昔、石原裕次郎がロケで来訪した時の写真や、地元の人が作ったこけしなどが展示してある。10時半になったので、「きらくや」に入る。3時間で休日は800円。無料(100円リターン式)のコインロッカーに荷物を入れて、温泉へ。内湯には熱目の湯と、ぬる湯がある。ぬる湯はかなり湯温が低い。ぬる湯の脇にはサウナもある。内湯から扉を経て露天風呂もある。3人程度のサイズ。一巡してから広間で休憩。広間にはテレビの他に新聞や雑誌も揃っていて、くつろげる。11時半になると食堂も営業開始。メニューはさほど多くないが、広間の入口まで届けてくれる。2人ともごまみそラーメンを注文。最初は3組程度だった利用客も、昼に入ると家族連れが増えてきた。駅を発着する列車が広間から見えるが、いずれも満席のようだ。食休みしてからもう一度入浴して、程なく3時間が経過したので退出。売店近くの公衆電話には、公衆電話存続のため短時間の通話に限りテレホンカードを無料貸出するとの掲示。ここ数年、携帯電話普及に伴う利用率低下のために撤去される公衆電話が多い。

 列車の時間まで30分近くあるので、駅周辺を散策。磐梯熱海駅近くの桜は散りかけている。この駅では時間によっては上下線に拘わらず駅舎側のホームを使うことがあるが、この時間は上下列車交換があるので、会津若松方面へは跨線橋を渡る。


◎磐梯熱海 1359→1453 会津若松 会津若松行快速3237M 455系3両編成先頭=クモハ455-2

 3両編成の電車はデッキまで満員。混んだデッキで立ちながら車窓を眺める。沿線に所々に桜が見える。途中から客室に移るが、会津若松まで立つ。

 会津若松では改札を出ず、留置線で準備中のSL列車を撮影。その後、ホーム終端部に移り、推進運転で2番線に入る「ばんえつ物語号」を撮る。次いで先頭に移るが、記念撮影をしようとする乗客でいっぱい。



◎会津若松 1523→1900 新潟 SLばんえつ物語号 新潟行快速8233レ C57180+12系客車7両編成 3両目5号車=オハ12-316

 乗車後、混雑する前の展望車で記念撮影を済ませる。展望車の売店には土産物の他、飲み物やスナックも売っている。父が日本酒の小瓶と煎餅を購入し、席に持ち帰って一緒に飲み食いする。

 座席はボックス席。進行方向逆向きの横並びで、正面の席は途中の山都まで空席だった。天井は大形のカバーの付いた白熱灯風の蛍光灯、車端部の両側にランプが灯され、クラシックなイメージを演出する。

 発車してしばらくたってから車内放送の他に、車掌が各車両で肉声の挨拶。検札は行われず。最初の停車駅である喜多方まではすぐだった。喜多方前後で乗車手帳が配られた。

 喜多方の次の山都から、正面の席にも乗客。

 野沢で10分停車。機関車周辺は記念撮影で賑わう。


野沢を出てから、乗車手帳へのスタンプを押しがてら、列車後方から前方を望む写真を撮ろうと、父の乗車手帳も預かって、後ろの1号車の方向に進む。しかし、各車両での抽選会がもうじき始まるとの車内放送があったので、スタンプだけ押して引き返した。1号車は発電器を搭載している車両で、ディーゼル音がするが、空席が多く、窓を開けての撮影には適しているようだった。

 席に戻ってしばらくすると、スタッフが回ってきて、じゃんけん大会。一斉にスタッフとじゃんけんして最後まで勝ち残った人がSLピンバッジを貰えるというもの。各車両4回ぉこなわれたが、いずれも早々に敗退した。


 津川で給水と、石炭の積み位置調整を兼ねて15分停車。その間ホーム反対側に臨時列車が入るため、車掌や駅員が注意を呼び掛けていた。



 津川を出てからもう一度後ろの1号車に行き、カーブの時を狙って前方を撮影した。


 4号車の展望車では、日替わりでイベントが行われているが、今日は、紙皿で狐のお面を作るものだった。沿線の津川に狐の嫁入り伝説があり、それにちなんだもののようだ。親子連れを中心に、順番に指導を受けながら、皿に絵を描いたり髭などの飾りを付けたりして、お面を作っている。そのうちに、車内ではお面を着けて歩く人が目立つようになった。中には、お面だけでなく、顔にも狐のメークをする人も幾人か見られた。

 沿線にはカメラの放列がある。また、年代にかかわらず多くの人が列車に向かって手を振ってくれるので、こちらからも振り返す。

 五泉を出るころには夕焼けになる。車窓の煙が夕日に照らされる。NHKドラマ「大地の子」のオープニングみたいな印象。

 車内限定のオレンジカードがあり、車掌から購入。新津で下車する客が多く、車内は空いてきた。新津を発車すると車掌が各車両を回って挨拶。車内から拍手がある。この辺りからは住宅地も増えるが、水田も点在する。まだ田植え前の所が多い。

 新潟駅に到着して、機関車の横で記念撮影。

万代口に出て、ホテルに向かう。案外寒く、途中のビルの電光掲示にあった温度表示は10℃だった。数分歩いてホテルに到着して、チェックイン。予約番号の紙を呈示して、宿泊名簿記入。予約時にカード決済が済んでいるので、支払いは無し。9階の915号室と916号室となる。

ホテルは10階まで吹き抜けの構造。部屋はオートロックではない。室内の照明はキーを差し込むタブレット式だが、入り口の照明だけは人感センサーになっており、タブレットを差し込む前に照らされて便利。バスルームの照明は暗い印象だった。室内には、コイン式の携帯電話充電器がある。100円で20分充電できる。

荷物を置いてすぐに父のいる915号室に行き、自宅に電話後、すぐに夕食に行くことになった。駅方向に歩き、駅構内を含めて色々回るがなかなか適当な店が見当たらず、しばらく回ってから居酒屋の壱勢(いっせい)に入った。新潟に来たので、魚介類を中心としたメニューで、1時間以上かけてゆっくり食べる。

21時半頃にホテルに戻り、食休みの後、22時に風呂に行くことにした。2階と10階に大浴場があり、男女入れ換え。この時間は2階。脱衣場の入り口に暗証キーがあり、女性の時間だけ暗証番号を入れる仕組み。2階の大浴場には露天風呂は無いが、打たせ湯や、足つぼなどがこじんまりとまとまっている。

入浴後、915号室で翌朝の相談。6時に風呂、6時半に朝食、その後、散歩に出て、840チェックアウトの予定とした。

23時半頃に飲み物を買いに2階の自販機へ。エレベーター裏に、自由に使えるパソコンがあったので、えちごワンデーパスの情報などを調べた。

24時を回り就寝。

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