2006年08月 富山奥飛騨 1日目 ‐ 大糸北線キハ52、黒部峡谷鉄道
富山県と奥飛騨へ2泊3日旅行。初日はあずさ3号のグリーン席に南小谷まで乗車。キハ52で運転されていた大糸北線や14760形の富山地方鉄道特急で宇奈月まで行き、黒部峡谷鉄道に往復乗車しました。
平成18年8月 富山・奥飛騨旅行
平成18年(2006年)8月25日(金)
5時前に起床。朝食時に眺めた朝刊のトップ記事は、国際天文学会で惑星の定義が新たに示されて、冥王星が惑星でなくなったというものだった。
今回使用する周遊きっぷ(飛騨・奥飛騨ゾーン)と往路のあずさの特急券(ビューポイントのグリーン利用券使用)は前日に大船で購入した。最近、みどりの窓口にも女性職員の姿が目立つようになり、たいていの場合は手際も良いのだが、この時当たったみどり嬢は、発券まで時間がかかっていた。
◎東逗子 540→700 錦糸町 千葉行 518S→519F E217系11→15両編成 先頭11号車=クハE217-19
逗子・鎌倉間の名越トンネル手前のカーブでは、盛夏で伸びた枝が窓に当たっていた。鎌倉では上下側線に湘南新宿ラインの車両が停泊している。平日のためか、早朝でも乗客が多く、比較的空いている先頭車両でも戸塚でほぼ満席となった。横浜から先は音楽を聴きながらぼんやりと景色を眺めて過ごす。品川から地下線に入る直前に見える車両基地は、日中に通るときはサンライズや寝台客車が目に付くのだが、この時間はまだ入っていない。
品川から地下トンネルに入り、蛍光灯の白い明かりが流れるが、時折信号の青い光も流れる。この区間は数年前まで車上信号式ATCを使用していたが、トンネルの前後の区間がATS-Pを採用していることから、設備更新の際にATCを止めて地上信号になったものだ。
東京で数分停車。ここで過半の客が下車。両国付近で地上に出て、錦糸町に到着。ホームの発着表示を見ると、特急あずさは、このホームの上り側から出るようなので、このまま待つ。あずさの前に上り線を発車した総武快速線は、既にドア付近まで満員であった。
◎錦糸町 708→1141 南小谷 あずさ3号 南小谷行 特急4053M E257系11→9両編成 8号車=サロハE257-10 指定=16D(右窓側グリーン席)
錦糸町は総武快速線ホームから発車、すぐに緩行線に渡る。先行電車が近いためか、極めてゆっくりとした速度で浅草橋、秋葉原の高架線を走行。時速40km程度で、ホームに立つ人の表情までよく見える。左手に、今年5月まで交通博物館であった旧万世橋駅を見下ろす。御茶ノ水を通過してすぐに中央快速線に転線。少し速度を上げた。
四ツ谷手前から急に雨が降り始める。中央線の沿線は都心部でも緑が多く、雨に潤った緑が映えると言いたいところだが、結構な雨量で、一時視界が悪くなる。
新宿に到着。錦糸町発車時点では半分弱の乗車率だったが、新宿から多数乗車。車内放送では、グリーン車・普通車とも指定席は完売と告げている。隣に座ったおばさんは、すぐにいびきを立てて寝てしまった。前方の席には子供連れが2組あり、幾分騒がしい。
今回、ビューカードのポイント特典によるグリーン車利用券を使用してグリーン席を取った。一時満席だったが、キャンセルがあったようで、前日朝に携帯で確認した際に確保したもの。グリーン席は8号車の前半分で、車両中央部にあるデッキで普通車との間を隔てている。車端部と棚周りは木目、窓枠付近は白の内装。床は座席部分・通路部分ともにカーペット敷き。座席はグリーン車も横4列だが、シートピッチは広く、カーペット貼りのフットレストもある。上下に可動の枕は柔らかい。最近のリクライニングシートは背もたれだけでなくクッション部も前後に調節できるものもあるが、この座席は背もたれのみ(グリーン席なので、角度は大きい)。読書灯は無い。
吉祥寺の少し先から、連続立体化事業で工事中の高架下を走る。事業の進展に伴い、2、3年前から順次切り替えがなされているところ。西国分寺辺りから速度も上がり、特急らしくなってきた。しかし、駅構内のポイント通過時の揺れは大きい。立川を発車して少しすると多摩川を渡る。吉祥寺辺りから雨が上がったため、下流方向の見通しはまずまず。田園が増えてきたと思ったら、「西豊田駅早期実現」の看板がある。もし駅が実現すれば、この辺りも開発されるのだろう。
各停車駅を発車してしばらく、荷物を持って車内の通路を移動する人が目立つ。錦糸町のホームでは、号車番号が同じでも編成によって停止位置が異なるようである。他の駅でもそのような理由で乗車位置が分かりにくいのかも知れない。
高尾を通過すると山間部に入り、随所に緑深い渓谷を見る。山の頂上付近は雲がかかっている。勝沼ぶどう郷前後は左手にぶどう畑を見下ろし、その先には、平野の風景が広がる。晴れてきたところで、その展望はなかなかのものだ。この辺りから、ホームの駅名標に沿線風景の写真が入ったものが現れる。この先、大糸線内まで、幾つかの駅で見られた。
しばらく走ると甲府盆地に入り、しばらくは平坦な区間。甲府でもグリーン席の乗客の乗降は少なかった。平野部は晴れているが、小淵沢から八ケ岳の姿は望めず。眠気覚ましに、車内販売からホットコーヒーを購入。販売員は松本まで頻繁に巡回している。車掌は何度か巡回していたが、指定券発売情況で乗客を確認するようで、検札はなかった。
上諏訪の駅舎側には、露天風呂から改装した足湯の出入り口が見える。諏訪湖の周囲にはホテルが林立しているようだ。岡谷からは、みどり湖経由の塩嶺ルートを通る。岡谷発車後、少しの間高架線を通り、辰野経由の旧線をオーバークロス。谷沿いに南下する旧線(車内放送では「辰野線」と案内していた)を見送ると、塩嶺トンネル。「辰野線」と再合流して車両基地を左に見ると、今度は中央西線も合流して塩尻に到着。塩尻では、駅のホームに葡萄棚が設置されていて、品種の札の付いた葡萄が実っている。何かのイベントにでも使うのだろうか。
松本で後ろ2両を切り離して9両編成となって大糸線に入る。沿線に広がる田は実りの季節が近付き黄色くなりつつある。穂高では荷物を背負った乗客が多数下車した。左車窓に北アルプスの山並みが近付いてくる。頂上付近には雲がかかっているものの、先刻の八ケ岳よりはよく見える。この辺りから見える山々は、所々に岩肌を露出した崖がある他は、頂上まで緑が濃い。
信濃大町でも多数の下車客。隣に座っていたおばさんも、ここで下車。座席の半分以上が空席となった。海ノ口付近では、左手の山からグライダー?で滑空してくる人が遠くに1人見えた。
青木湖は青々とした湖面に周囲の森の木々が写り込み、絵になりそうだ。青木湖畔を過ぎると更に山が近付き、線路自体が時折森の中を走るようになる。
白馬では一旦山並みが離れる。ここまで来て初めて、奥の方の山の上部に雪渓が見えた。グリーン室内に少し乗っていた乗客も白馬で下車。最後の1区間はグリーン室独占である。
白馬からは清掃作業員も乗務して、終点近い雰囲気。南小谷での折り返しは相当時間がある筈だが。線路も山深く、急カーブも増えて、速度も落ちる。3両先の先頭車両が見えるところもあった。姫川の渓谷沿いを走り、平行する道路にも雪囲いが見えるようになってきた。
終点の南小谷に到着。駅前の写真を撮るために途中下車したら、指定券が回収されてしまった。駅の看板は平成2年に訪問した時と同じだが、駅舎自体は新しくなったように見える。帰ったら昔の写真と比べてみよう。
◎南小谷 1155→1248 糸魚川 糸魚川行 427D キハ52 156単行ワンマン
大糸線の南小谷以北は非電化区間で、キハ52型が運転されている。一時塗色を変更していたが、現在は昔ながらのタラコ色に戻され、車両そのものが鉄道マニアにとって名所となっている。ワンマン改造されているが、ドアは半自動(走行時の戸閉めは自動だが、開けるときは手で開ける)のまま。
9両編成のあずさからの乗り換え客があるにもかかわらず、単行の車内には幾分かの空席がある。
車両後部には、地元の利用促進協議会とタイアップして作成された、「大糸線乗車記念証明書」がある。この線を走るキハ52型3両それぞれに作成され、各車限定3,000枚。日付入りのゴム印まで置いてある。ワンマン区間でこのようなサービスがあるとは結構なことだ。
列車は姫川沿いの切り立った深い渓谷を縫うようにしてゆっくりと走る。トンネルや雪囲いも各所にある。特に小滝までの区間は10年程前の台風で寸断されて、復旧まで2年以上かかったことがある程の険しい区間だ。渓流にも比較的新しい護岸が目に付く。
根知で上り列車と交換。上りはキハ52 125で、白地に緑のラインが入った塗装だった。この少し手前から、山は左右に離れ、田畑に囲まれた長閑な沿線風景となった。姫川駅周辺は病院もあり、小さな町並みが形成されていて、川岸からは多少離れているようだ。トンネルを抜けると工場が立ち並ぶ。終点の糸魚川に到着。煉瓦作りの機関庫が駅構内にあり、DD16型ラッセル車などが休んでいる。
@糸魚川 1256→1344 魚津 富山行554M 419系3両?編成 最後車=クモハ419-2
富山行は、既に同じホームの反対側に待機している。寝台電車改造の車両。かつては3段寝台を収納したため、内高の高い車体が特徴。デッキは撤去されているが、折戸や寝台収納部に面影が残っている。途中からボックス席に移ったが、シートピッチは広い。周りの目もあるので試すことはできないが、寝台組み立ての機構もまだ残っているように見える。
列車発着時に車掌はきまじめに声を出してホームなどの確認をしている。更に、頻繁に車内を巡回して切符の用を受けられる態勢になっている。
親不知では海面に張り出す高速道路を眺めて長いトンネルに突入。トンネルを抜けるとしばらく海岸沿いを走る。海面は真っ青で、波は穏やかなようだ。
一瞬すれ違った下り電車は、昔の交直流急行塗色の車両。本年度に北陸本線の敦賀以南が直流化されるのに伴うイベント用に塗り直されたものだ。
列車はいつしか海岸を離れ、田園の中に住宅や工場が目立つようになってきた。
魚津で下車。駅前の写真を撮った後、地下道を通って富山地方鉄道の新魚津に行く。地下道を上がったところに、券売機と窓口がある。窓口で、2日フリー乗車券を4400円で購入。
駅の反対側に出てみるが、何も店がないので、表口に一旦戻って売店でパンなどを購入。新魚津のホームで食べた。暑いので長袖を脱ぎ、Tシャツになる。
◎新魚津 1408→1438 宇奈月温泉 うなづき7号 宇奈月温泉行 特急UN7 2両編成 先頭=モハ14767
前が自由席、後ろが指定席のようである。発車して間もなく、座席案内係という札を首から下げた中年の女性乗務員が来て、特急券等の確認。2日フリー乗車券があるので特急の自由席に乗ることができる。なお、後ろの車両から回ってくる人は、あくまで座席案内係のようで、ドア扱いや車内放送は運転士が行うワンマン方式。前方の乗降扉から運転室まで少し離れているが、無人駅では運転士が客室に入り、切符を回収している。
車内は転換クロスシートだが満席。運転席の後ろに立つ。運転席の後ろには、1980年ローレル賞の表示。
黒部を出た辺りで、座席案内係が先頭車に来て、指定席に空きが出たとの案内。どうやら途中から(あるいは始発駅でも?)席番は指定せず、その都度係が空いた席に案内するようだ。終点の宇奈月温泉に近付くと、土産物(電車を型取ったチョロQ)の販売も行っていた。
駅前の道路に出て、奥へ200m進むと黒部峡谷鉄道の宇奈月駅。
列車の席を確保するために早足で行き、出札窓口へ。1456発の便は、普通車が満席だが特別車の席があったので購入。既に改札を待つ乗客が多く並んでいる。時間が来て改札を通る。号車指定の定員制であり、12号車の特別車両券を見せると、階段を下りて90m先とのこと。◎宇奈月 1456→1618 欅平 欅平行 13両編成12両目12号車=2005(特別車)
ホームでは、ワゴン販売が各車両の前を回っている。また、写真屋も各グループを回り、記念撮影をしている。復路までに焼いて駅で展示して、気にいれば買う方式。持っているカメラを見ると、FM10の型番で、フィルムカメラのようだ。
時間が来ると、連結器のショックとともに発車。販売員や駅員などがホームに並んで一斉に乗客に手を振っている。
乗車した特別車は、乗降ドアは自動開閉。窓が付いているが、晴れているので開け放たれている。
前の席の人は犬連れで、傍らにペット用バッグ。森石では、短い編成との交換だったが、作業服にヘルメットの乗客が多かった。途中、トンネルの側道から涼しい風が流れてくる。それ以外は結構暑い。
黒薙は1面1線の小さな配置の駅だが、黒薙温泉へのアクセス駅のため、客扱いがあり、駅員もいる。温泉へは、ホームから線路を渡って山肌を階段で上るようだ。温泉までは600mとのこと。途中の各駅に停車して上下列車の交換がある。いずれの列車も普通車は横4人ずつぎっしりと乗車している。今乗車している特別車は1両に6人しか乗っていない。
鐘釣に停車。ここで大半の乗客が下車。特別車内は犬連れ夫婦と合わせて3人だけになった。10・11号車は無人のようだ。鐘釣では半分スイッチバックになっているようで、発車時には一旦少し後退してポイントを切り換えてから再び前進する。発車直後に左眼下に万年雪が見える。
鐘釣から先はトンネル区間が続く。トンネル壁は素掘りで岩がごつごつしたままのところが多い。
欅平に到着。ホームは片面1面のみで、ホーム途中に入れ換え用のポイントと側線があり、到着列車は奥に入る。
駅前を眺めてから、階段を数分下りて猿飛温泉の前まで行く。しかし、荷物も多くて預けるのも面倒なので、今年できた滝の見える足湯でくつろぐことにする。祖母谷温泉かの引き湯で、単純硫黄泉。
列車の20分位前に戻って蕎麦でも食べようと思ったら、ビュッフェカウンターや売店は既に閉まっていた。
◎欅平 1725→1839 宇奈月 宇奈月行 EDR17,EDR18重連 13両編成6号車=ホハ1136(2003年アルナ工機)
10分近く前から改札。ホームで待つ人は少ない。作業員らしき人達の乗った短編成の列車が到着すると、入れ代わりに上り最終列車が入線した。
前6両がリラックス車、後ろ7両が普通車。欅平発車時点で6号車は貸し切り状態。普通車は開口部が大きく、トンネル内はとても涼しい。鐘釣からの乗客も少なく、しかも殆どが業務関係者のようだ。6号車は引き続き貸し切り。上り列車も鐘釣駅はスイッチバック。
上り列車では観光案内の放送も少なく、淡々と山を下りて行く。この時間になると気温も下がり、鐘釣辺りまでトンネル内など半袖では寒いくらいだったが、猫又に近付くと標高が下がったためか、また暖かくなった。
猫又では反対列車待ち合わせ。時刻表では下り列車は無い時間だが、ホームには作業服の一団。入ってきた列車は、鉄材を積んだ貨車数両の最後部にトロッコが1両付いていた。
出平でも、作業員と資材を乗せた短編成の車両と交換。沿線では、この時間でも所々で何かの工事が行われている。一方、黒薙は旅客扱いのみの駅のためか、戸締まりをした駅員がこの最終列車に乗り込んでいた。
柳橋通過。この頃には少し薄暗くなり、機関車がヘッドライトを点灯しているのが見える。間もなく終点の宇奈月に到着。黒部峡谷のトロッコ列車も、定刻どおり宇奈月に到着した。回収前の切符を写真に撮っていたら、記念にくれた。
改札を出ると、先刻の写真嬢が、出発時に撮影した写真を持ってきた。写っている人を探してわざわざ声をかけてくる気合に恐れ入り、千円で購入した。もっとも、最終列車だから乗っていると目星を付けていたのかも知れない。
同じ列車で宇奈月まで来た黒部峡谷沿線の従業員?も2名ほどが富山地方鉄道の駅まで行って乗り換え。
◎宇奈月温泉 1853→2028 電鉄富山 電鉄富山行 普通162レ 2両編成 先頭→最後=10046
早くも日が暮れているが、右前方はカーテンが下ろされていないため、前方の夜景が見える。電鉄黒部では交換列車も無いのに5分停車。新魚津は少し寂れた感じだったが、電鉄魚津は市街地の高架線上だった。どちらの駅も、この時間は駅員無配置のようで、運転士が乗車券を回収していた。上市で方向転換。座席の向きも変える。
稲荷町には車庫があり、幾編成かが停まっていた。次が終点の電鉄富山。駅は3面4線の頭端式ホーム。ホームは2、3両分しかなく、2編成連結しての運転はないのだろうか。
県都だけあって夜も賑やか。バンドが路上演奏の準備をしていたり、他にもたむろしているグループがある。駅の売店などは閉店の準備に入っている。
◎富山 2048→2105 高岡 小松行 456M 451系3両編成 先頭=クハ451-30
帰宅時間帯で、車内の座席は概ね埋まっていたため、前方の運転席後ろに立つ。中央部はカーテンを下げているが、なぜか運転席のすぐ後ろは下げていないため、前方の夜景を眺めながら高岡まで乗車した。
高岡で下車。ますのすしは、普通のものは売り切れで、特選しかなかったので、これを購入。お茶もコンビニで買ってから、駅横にあるホテルアルファーワン高岡駅前にチェックイン。インターネット経由の予約だと、記名だけだった。その代わり、ホテルアルファーワンのビジネスパスポートによるクイックチェックインの機能は無意味だった。6時半から朝食バイキング(追加料金)があるとのことだが、出発が早いので遠慮しておく。
504号室に入った。照明はタブレット式。ズボンプレスがある。冷蔵庫は空で、自由に利用できる。テーブルとベッドの間が狭く、椅子を収納しないとベッドの脇を通れない。全体として狭い印象だが、滞在時間も短いし、これで十分。
家にメールしつつ夕食にするが、分量が多く、完食まで相当の時間を要した。シャワーをして就寝したのは24時過ぎ。
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