2006年08月 富山・奥飛騨 2日目‐万葉線、富山地方鉄道、神岡鉄道
朝の氷見線に乗車してから如意の渡しで対岸に渡って万葉線に乗車。前日に引き続いて富山地方鉄道の未乗区間を回ってから、廃止間近の神岡鉄道に乗車して、奥飛騨温泉郷で宿泊しました。
1日目に戻る平成18年(2006年)8月26日(土)
510起床。ホテルの窓から見下ろせる高岡駅を撮影。ちょうど、寝台特急の日本海と北陸が続けて発着していた。
545に部屋を出てチェックアウト。氷見までの乗車券を券売機で購入。氷見線は改札を通って左手にある行き止まりホーム。これから乗る列車の隣に、忍者ハットリくんの絵柄の列車が停まっている。そういえば藤子不二雄の出身は高岡だ。
◎高岡 607→634 氷見 氷見行522D キハ47型2両編成ワンマン先頭=キハ47 27
2両編成の車内はまだ空いている。能町からは貨物駅への分岐があるため、構内に側線も多い。今の時間は停まっている車両はない。ホームでは、駅清掃のボランティアらしきおじさんがいた。同様のおじさんは雨晴にもいた。
能町を出てすぐ、非電化単線の線路が右に分岐していく。伏木も周りに工場が多く、側線が多い。伏木で上り列車と交換。越中国分から雨晴の少し先までは一転して海岸を走行。
雨晴岩が見えると間もなく雨晴停車。ここは交換駅だが、この時間の交換列車は無い。
この先、海岸からは少し離れるが、海岸との間に広がる松林が垣間見える。終点の氷見で下車したのは数人程度。氷見駅前はまだひっそりとしているが通学の高校生が次々と車で送られてくる。
◎氷見 641→656 伏木 高岡行522D 同編成先頭=キハ47 1134
この時間、駅員はいないが、氷見駅には券売機があり、オレンジカードも使える。ホーム入口にはきっぷの自動印字機があり、乗車券や回数券を差し込むと日付と駅名が印字される。
折り返しの上り列車には、各ボックス1、2名程度の乗客があり、8割程度は高校生。しかし、それぞれに読書、予習、メール操作などに勤しみ、とても静かである。
伏木で下車。ここは駅員配置駅で、みどりの窓口もある。駅を出て左手に進むとすぐに駅裏側に回る踏切が見えるので、これを渡ると正面に如意の渡し乗船場がある。川に向かって右側に、銅像がある。これは、源義経一行がこの渡しで怪しまれたところ、弁慶が咄嗟に義経をたたいて、疑いを晴らしたという場所で、歌舞伎勧進帳のモデルとなった。
乗船場に入ると、待機していた職員に声をかけられ、早速乗船券を購入。どこから来たか問われ、神奈川の逗子と答える。隣の銅像は見たか等、気さくに話し掛けて来る。切符の裏に日付印を押したものと、渡し舟のパンフレットや高岡の案内図もくれる。越ノ潟へ行くと言うと、中伏木発の電車が723であることを確認して、しばらく待つことになる。
一応時刻表は掲示されているが、始発と最終以外は時刻表を目安に随時運行との表示がある。
遠方から来た人には書いて貰っているというノートに氏名と住所を記入。さながら乗船名簿か。
◎伏木渡船場 711頃→714頃 中伏木行 如意の渡し丸
そろそろ行こうかということになり、乗船。操縦士ともう1人のスタッフ?の2名乗務。乗客は結局自分1人だった。甲板から船室内に入る。座席は8人分くらい。
小さな船は波間に揺れながら河口を渡り、2、3分で中伏木に到着。電車乗り場は正面の踏切を渡って左側とのこと。船はすぐに戻って行った。どうやら本拠地は伏木のようだ。事務室に職員が常駐している伏木に対して、中伏木には小さな待合室があるのみで無人である。
教わった通りに中伏木駅に到着。乗船場から2、3分あれば十分。中伏木駅には、如意の渡し通常運行の看板が出されている。
◎中伏木 723→742 越ノ潟 越ノ潟行 ワンマン 2両編成(連接車)先頭=1001A
中伏木のホームは2面1線。進行方向左手から乗る後ろ乗り前降り式。
約2分延発。窓の大きな新型連接車両で、セミクロスシート。運転席には後方モニターがあり、後方展望の風景が流れている。
多少の乗客があったが、途中で次々と下車。終点の越ノ潟で下車したのは2名。正面には富山県営渡船の越の潟発着場がある。ちょうど船が着いたところで、通学客が10人くらい下りてきた。およそ半数は自転車に乗って踏切を渡って行き、残る半数は折り返しの電車に乗って行った。駅周辺には船の発着場と港湾施設が目に付くが、内陸寄りに住宅もある。
◎越ノ潟 802→843 高岡駅前 7072単行ワンマン
最近珍しくなった釣駆モーターの車両。
吉久から能町口までは併用軌道。新吉久は併用軌道の途中に交換設備があり、乗降用の安全地帯は無い。米島口は万葉線の本社と車庫があり、運転士もここで交代。また、ここから再度併用軌道だが、複線となる。半数程度の電停で乗降があるが、乗客数はほぼ安定している。ロングシートで傍らの席に荷物を置いても迷惑にならない程度。信号待ちの間に両替。両替は自動ではなく、両替箱に入れた内容を運転士が見てレバー操作するとコインが出てくるもの。
広小路から再び単線になる。対向列車待ちでしばらく停車したためか、高岡駅前には2分程遅れて到着した。
◎高岡 902→920 富山 富山行431M 419系3両編成 中間車=モハ418-13
高岡は銅器の製造が盛んなようで、改札前には銅器・銅像が並んでいる。
寝台電車改造の419系電車で富山まで乗車。座席の7割が埋まる程度。
富山駅で下車し、券売機で明日の特急券を購入。はくたかの指定は満席のため、とりあえず自由席。
駅を出て左前方の横断歩道の途中に市内線の乗り場がある。
◎富山駅前 934→945 大学前 大学前行2系統 7014単行ワンマン
少し前に到着して、時間調整をしていたようだ。定刻に発車。この電車も釣駆式である。車内にはトラムカードの販売機がある。路面区間を走行。
安野屋から単線になるため、反対列車の待合わせでしばらく停車したが、橋のたもとで上り勾配途中での停車だった。神通川を車と共に渡る。橋を渡った所にも交換設備があり、ここを通過すると間もなく終点の大学前。
◎大学前 950→1019 南富山駅前 南富山駅前行2系統 7014単行ワンマン
同じ車両で引き返す。先ほど乗車した富山駅前を過ぎ、南富山へ。相変わらず市街地の路上を走行。西町停車時には、肉声の放送で、西町交差点のスクランブル信号が昨日から廃止されて斜め横断不可になったという内容の注意をしていた。10人近くいた乗客が皆、西町で下車して、堀川小町まで車内は貸し切り状態になった。
南富山に到着。路面電車も、殆ど駅構内と言える場所まで入る。
その先に路面電車の車庫があり、改札と鉄道線ホームとを結ぶ通路を横切る形で敷設されているが、路面電車側にも遮断器が下がっているのが珍しい。
南富山の古びた駅舎内にある木製の低いベンチで、改札開始を待つ。
◎南富山 1037→1059 岩峅寺 岩峅寺行617レ 2両編成先頭=モハ10034
市電の車庫を右に見て少しすると市街地を抜け、線路の両側には田が広がった。稲はまだ青さが残っているが、実を付け始めたようだ。遠くの山々はやや霞んでいる。岩峅寺には終端ホームに到着。この駅も駅員がいるが、駅舎はとても古めかしい印象。構内踏切を渡って立山線のホームに移動する。ちょうど上下線の電車が到着するところで、上り普通列車に使われているのは、元西武レッドアローの車両だった。
◎岩峅寺 1102→1128 立山 立山行 急行B319 2両編成先頭=モハ10038
急行とは言ってもここから先は全ての駅に停まる。川沿いの曲がりくねった谷間を上っていく。常願寺川を渡る鉄橋は川面からの高度がかなりある。速度はゆっくりしたもの。
最後の1駅はおよそ10分という駅間距離。カーブがきつくなり、川と森の景色となり、民家は見えなくなり、トンネルや雪囲いも通る。
終点立山に到着。階段を上がるとケーブル乗り場で、改札前は大変な混雑だった。駅前を歩き、千寿ケ原を散歩。立山砂防のトロッコ基地がある。少し下がった所に、かつて使われていた機関車などの展示がある。この辺りから見るだけでも、専用軌道は岩肌に張り付くように登っているのが分かる。しばらく様子を見るが、トロッコが通り掛かる様子はない。
隣接する立山カルデラ博物館と砂防博物館を駆け足で見学。トロッコの展望映像(ダイジェスト)の放映もあった。
◎立山 1233→1331 電鉄富山 電鉄富山行324レ 2両編成ワンマン先頭=10041
砂利に覆われた常願寺川に沿って高度を下げていく。田園地帯の単線区間を淡々と進む。寺田で本線と合流。ここは鶴見線の浅野のような三角ホーム。
旅行記録を打とうとして、スタイラスペンを17番座席の隙間に落としてしまった。転換クロスシートの金具の中に入ってしまったようで見当たらず、残念ながら回収不能だった。
不二越線が合流する稲荷町からの1駅区間だけが複線だった。
電鉄富山構内のロッテリアでチーズバーガー購入。富山駅のホームに入るが、高山本線の車内は混んでいるようなので、ホームで食べた。
キハ120は当初トイレ無しで登場して、長距離客の評判が悪かったが、この車両はトイレ付。その代わり、車両半ばから前方への展望は悪くなった。
富山発車時点で、ドア付近を含めて満員。ワンマンで後ろの方に乗った人は、下車するのに難儀していた。高山本線は、亜幹線としての位置付けで、交換駅も多い。貨物列車や優等列車の走行も見込まれることから、ホームの長さ以上に交換駅での線路有効長を大幅に長く取っている。瀬尾では、タンク車を連ねた貨物列車と交換。神岡の硫酸だろうか?神岡鉄道での硫酸輸送がトラックに切り替えられたために神岡鉄道廃線が決定された筈だが?
越中八尾では、下車客多数。ボックス席に座った。山が深くなり、トンネルも通るようになってきた。緑色の水が渓谷を彩っている。
◎猪谷 1455→1526 奥飛騨温泉口 奥飛騨温泉口行 207D KM-151(おくひだ2号)単行ワンマン
観光客が大半と思われる車内は、ほぼ座席が埋まる程度。立って前方を見ている人がいる半面、若干の空席もある。発車してすぐにトンネル。飛騨中山と茂住の間は、長いトンネルである。神岡鉄道には7つの駅があることから、各駅のホームに七福神が祭られている。
車内には変形ボックス席にいろり(模型であり、熱は発していないが赤いライトで火を現している)があり、神岡鉄道の名物になっている。冷房が無く、扇風機が設置されているが、窓が全て開けられている。神岡鉄道の線路の6割がトンネル区間で、トンネル内の冷風が冷房代わりになっている。
漆山までは緑深い渓谷だが、漆山からの長いトンネルを抜けると神岡鉱山の施設が広がる。神岡鉱山前でタブレット交換。駅構内にはディーゼル機関車が1台停まっている。神岡鉱山前を出てもトンネルはあるが、トンネルの間の風景は人里である。
終点の奥飛騨温泉口から道路沿いに少し戻って、折り返し列車を待ち構えて撮影。
駅に戻る。駅舎は新しい傾斜屋根の木造。
神岡鉄道の本社を兼ねるが、人の気配は薄い。駅舎内には広い待合スペースがあり、ベンチや畳、テーブルもある。入り口付近では写真の展示がある。神岡鉄道が廃線になるにあたって、初夏から3回に渡って行われているフォトコンテストの第1段で、今は冬から春にかけての写真が多い。神岡鉄道最後の夏も終わりに近付き、次の写真の締め切りは今月末だ。
◎奥飛騨温泉口駅 1602→1646 栃尾温泉 栃尾温泉行 濃飛バス 飛騨200か・・62
定刻どおりに発車。他にも神岡鉄道から乗り換えと思われる人達がいて、奥飛騨温泉口発車時点で乗客9名。ただし、他の8人は同じグループのようだ。
バスは、時折国道を離れて集落を結ぶ。最近、この辺りでも市町村合併が進み、看板の修正などが行われている。神岡町は飛騨市、奥飛騨温泉のある上宝村は高山市になった。バスで通った役場そのものも新しい建物だが「高山市上宝支所」の看板は更に新しい筈だ。
途中で乗降する客は無かったが、バスは、一定のペースを保つため、時折バス停に停車して後続の車をやり過ごしている。
事前の情報では新平湯温泉まで直通と思っていたが、栃尾温泉止まりで、乗り換えとなった。栃尾温泉のバス乗り場は方向別に4箇所あるが、ここから新平湯へは降りた所の道路の向かい側。時刻表を見ると20分近くあるようだ。自販機で飲料を買った後は、河原を眺めながら待つ。
◎栃尾温泉 1708→1710 新平湯温泉 高山BC行 濃飛バス 飛騨200か・・19
新穂高方面から来たバスに乗車。新平湯温泉は3つ目の停留所で、すぐに到着。帰りのバスの時間を見てから、宿に入る。予約した静岳館は、降りたバス停から左脇に入ってすぐ。
フロントは無人で、チャイムを押して少し待つ。フロントにはパソコン機器が揃っている。ネット予約に力を入れているためか。少しして2階から宿の人が降りてきてチェックイン。2階の「焼岳」の間に案内され、冷たい麦茶が運ばれてくる。夕食は部屋食で、希望時間を問われ、18時半とする。部屋は6畳間に窓際の椅子スペースが付く一般的な旅館部屋。トイレは別。部屋の入り口に「●●様」と紙が貼ってある。2階に7部屋程客室があるようだが、5、6部屋は同様に紙が貼られ、盛況のようだ。
1745から風呂へ。男性浴室は、シャワーカラン4つに、浴槽は2、3人サイズの小さなものだが、扉の外の露天風呂は大きい。湯温は、内湯はやや熱目、露天は若干温く、ゆっくり入れる。露天風呂の浴槽床は滑らかなコンクリート。湯は無色透明。背景は山道。この時間は内湯・露天とも独占だった。脱衣室に戻ってしばらくすると何故か明かりが消えるが、そのまま着替えてドアを開けると再び点灯。人感式なのかもしれない。
1825に部屋に戻り、1830から夕食。刺身は鯛?か何か。肉の鍋は味噌で味付けされている。天麩羅は葡萄の茎など、山菜としても珍しい素材を使っている。24時間テレビなどを見ながらゆっくりと食事。途中、19時過ぎ多数の雷と激しい雨。山の天気は変わりやすいようだ。2015頃に夕食終わりの連絡をすると、片付けるとともに布団も敷いてくれた。明日の朝食は食堂で。時間は7時にした。しばらく食休み。
2110頃にまた風呂へ行く。21時前に風呂の方からおじさんの話し声が響いていたが、今度も独占だった。途中で誰か来たと思ったら、宿のお兄さんが湯温を測るための巡回だった。休憩してから2320に入浴。広い露天風呂が貸し切り状態。眼鏡をかけなくてもうっすらと星が見える。先刻の雷雨が嘘のようだ。ところが、部屋に戻って休憩していると、2435頃にまた雨の音がし始めた。そろそろ就寝することとする。
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