2008年03月 関西方面1日目 - 最終「銀河」、おおさか東線開業初日、北条鉄道、廃止直前の三木鉄道

 

平成20年(2008年)3月15日(土)

 本日のダイヤ改正で部分開業するJRおおさか東線と、今月末で廃止になる第三セクター三木鉄道に乗車する。また、行き掛けには、昨晩限りで廃止となった寝台急行銀河の上り最終列車を、途中で撮影するために、早朝からの行動である。往路の乗り継ぎは大まかに検討したが、帰りの予定は決めていない。切符も買わず、宿も予約しないで出発する。

 東逗子駅に至る道の路面には前夜の雷雨の跡が残っている。


◎東逗子 524→623 品川 千葉行544S E217系15両編成 先頭11号車=クハE217-39

 大船駅の藤沢方では、最後の寝台急行銀河を撮るため、既にカメラを持った人が10人程度集まっているのが見えた。外は少しずつ明るくなってきた。保土ケ谷や新子安など、銀河が通過する駅のホームにも撮影者が集まっている。

 品川で下車。本日から運用を開始した15番線ホームを横目に見ながら連絡通路へ。銀河の発着は5番線である。6番線ならば遮るもののない臨時ホームから撮影できるのだが、5番線の場合、5番線ホームから直接撮るか、4番線の京浜東北南行線越しに撮るしかない。京浜東北線南行の時刻と銀河到着時刻が重なりそうなので、5番線で待つことにした。

 銀河は概ね定刻に着発。発車時の車掌から機関士への無線連絡の声には張りがあった。



◎品川 641→ 東京  大宮行 10号車=クハ209-66

 東京駅の10番線ホームは人だかり。客車後部付近にはロープが張られ、駅員や警備員が警戒に当たっている。

ちょうど、銀河を牽引してきたEF65が機回しのため9番線をゆっくりと通過するところだった。撮影はかなり困難な状態。人越しに少し撮影してから一旦改札を出入りして有楽町方面に向かう。


◎東京 700→ 新橋 山手線 10号車=サハE230-575

 新橋まで行くが、良いアングルが見当たらず、すぐに自動改札を出入りして引き返す。


◎新橋 707→ 有楽町 山手線 8号車=モハE230-507

 有楽町に到着した時点で回送してくる銀河の機関車が見えた。急いで隣のホームに移り、撮影。



◎有楽町 713→ 東京 大宮行 8号車=モハ209-97

 東京駅八重洲北口のみどりの窓口で、木津経由粟生までの乗車券と、京都までの自由席特急券を購入。のぞみ9号の発車まで10分を切っている。

◎東京 730→950 京都 のぞみ9号 博多行 新幹線9A 500系16両編成  先頭1号車=521-8

 本日のダイヤ改正でN700系のぞみが大増発となった一方で、東京発着の500系のぞみは僅か2往復になってしまった。のぞみ9号はそのうちの1本である。ホームの博多方で500系の先頭部分を撮影していると発車時刻が迫ってきた。飲料だけ買って乗車。

 先頭車両の自由席は大分埋まっていた。通路側の4Cに着席。500系特有の、乗降口が無い絞られた先頭部分が良く分かる。3番から後ろの席は他の新幹線と同じ横5列だが、1番と2番は4列。天井が低く棚の高さが無いため、荷物籠が置かれているのが特徴。


 定刻になると、音もなく静かな発車。発車から10秒も経たないうちに先頭の乗務員室の扉が開いて車掌が現れ、検札が始まる。東海道新幹線の自由席では検札が残っている。ただ、席番や行先は記録しないで、ただ検札印を押しているような感じだった。

 すぐに品川と新横浜に停車。新横浜で自由席は満席になり、デッキ付近に若干の立ち客が出た。新横浜発車後の検札は無かった。

 車内放送の際の音楽は、JR東海区間でも「いい日旅立ち」。先頭と最後部に乗降口が無いのは500系だけなので、停車駅前の放送では、乗降口の案内を必ず付言している。

 新横浜を出てしばらくすると車内販売が回ってきた。500円のモーニングセットを購入。ホットコーヒーにサンドイッチが2切れ付いている。食べ始める頃に新富士に近づく。珍しく富士山のほぼ全体がはっきりと見えたが、通路側の席でデッキにも人がいたため、撮影できず、通路を挟んで右側の席越しに眺めた。

 食べ終わると、車内の電光表示板に流れるニュースを眺める。金融問題がくすぶる中で、NY株式は続落、ドル円相場は12年6か月ぶりに98円台を記録した。

 名古屋で若干の乗客の入れ替わり。季節は既に春であり、関ケ原付近でも残雪は見えない。米原付近の空は曇っている。京都で下車して発車を見送る。ちょうど上り線からも500系のぞみが発車するところだった。

 京都で乗換口すぐ手前10番線の奈良線ホームに停車している列車に乗車。発車までまだ時間があるため、空いている。

◎京都 1020→1057 木津 奈良行 みやこ路快速2609M 221系4両編成 先頭4号車=クモハ221-23

 発車時刻までの間にサンダーバードやスーパーはくとなどの特急列車の発着が見える。隣のホームに到着した奈良線各駅停車は103系で、転換クロスシートの221系快速とは差がある。発車5分前にはほぼ満席になった。1つ目の停車駅である東福寺辺りまでは複線。横を京阪特急がオーバークロスして行った。程なく単線区間に入り、速度が落ちる。

 右手に京阪宇治駅を見て宇治川を渡ってから、宇治に到着。宇治駅は2面2線。ここで普通列車を追い抜く。ここから1、2駅だけ複線となっており、この間に京都行の快速とすれ違った。間もなく単線に戻る。路線は概ね平坦で、駅間には田園風景も広がり、代掻きされた田も見えるが、住戸が常に目に付く。

 木津川の鉄橋を渡ると木津到着。3番線に着いて隣のホーム1番線に乗換。接続は僅か1分余り。


◎木津 1058→1148 放出 宝塚行快速5459M 207系4→7両編成 先頭→4両目=クハ206-137

 ロングシートの207系車両。保温のためかドアは閉まっており、ドアボタンで開閉する。適度に空いた列車は木津を発車するとすぐに左カーブで奈良線から離れる。田圃を挟んでしばらくは近鉄線と付きつ離れつしながら単線区間を各駅に停車して行く。途中停車駅では、ドアは自動開閉だった。

 京田辺では先に入線している3両編成の後ろに連結となる。京田辺に近づくとATSのベルの後に確認チャイム音。場内信号の停止現示で一旦停車して、チャイム音を持続したまま入替信号の表示により発進、連結した。

 松井山手駅周辺には急にマンションが林立している。線路もここから複線になった。その次の長尾ではついに満席になり、立客が出た。長尾からは快速運転。沿線風景は都市のものになった。放出に着くころには車内はかなり混雑していた。

 粟生までの乗車券に下車印を貰って途中下車。モバイルSuicaで入場。

◎放出 1152→1206 久宝寺 久宝寺行2444S  先頭1号車=クハ200-64  

 おおさか東線開業のヘッドマークを付けて京橋方から直通してきた201系に乗車。運転席後ろの小さな窓には人が集まっている。放出を発車すると片町線をアンダークロスして右手に分岐する。高架線の壁や路盤のコンクリートが白く真新しい。

 JR河内永和とJR長瀬の島式ホームには、ドア部分以外の随所に転落防止用の柵がある。他の駅には見当たらず、同時開業の駅でこの差は何故だろうか?おおさか東線の途中駅は快速通過なので条件は同じだが。

 新加美の手前で右側に単線が分岐して行った。車庫か?それとも関西本線へのショートカットか?対面ホームの新加美を出ると地上に降り、久宝寺に到着。

 久宝寺は橋上駅舎だが、駅舎入口に看板が見当たらない。一方の口には工場があり、もう一方は再開発が進んでいる。


◎久宝寺 1222→1236 高井田中央 放出行2451S 201系6両編成 先頭6号車=クハ201-64

 JR長瀬の手前で貨物列車とすれ違った。もしかしたら新加美とJR長瀬の間の分岐線は貨物用なのかも知れない。




◎高井田中央 1253→1255 放出 放出行2453S  201系6両編成先頭=クハ201-119

 相変わらず先頭部分の乗客が多い。放出に到着した列車は一旦回送となり、引上線に入って行った。おおさか東線の、この先の延長工事の様子は特に見当たらなかった。


◎放出 1303→1325 尼崎 宝塚行 快速5469M 207系7両編成 先頭=クハ206-1030

 混雑しているので前方に立つ。京橋を出ると折り返し線を脇に見ながら地下線に入る。ここから東西線。前照灯で照らされる範囲は限られ、大ざっぱにしか見えないが、結構カーブもあるようだった。

 尼崎辺りで昼食にしようと思ったが、駅構内には駅蕎麦どころか売店も改札外にしか無い。改札を出てもすぐ近くのビルは家電量販店。仕方なく売店でカロリーメイトなどを購入してホームのベンチで昼食にした。

◎尼崎 1350→1436 加古川 姫路行 新快速3249M 223系8両編成 先頭=クハ222-2057

 混雑していたので先頭に立って前方を眺めながら加古川まで乗車。

◎加古川 1441→1452 厄神 谷川行1439S  クモハ125-11単行

 小型かつ1両の電車は、身動きが出来ない程に混雑している。途中駅の乗降にも難儀していた。

 厄神で三木鉄道に乗り換え。接続時間が短いため、業務放送で注意を促していた。

 今月末で廃止となる三木鉄道のホームは混雑していた。三木からの折り返し列車が到着したところで、運賃精算をする人、これから乗車しようとしている人、記念撮影をする人が行き交う。 


◎厄神 1455→1508 三木 三木行131 ミキ300-103 単行

 乗車は比較的スムーズ。もちろん混雑してはいるが、身動きはできる程で、昨年3月に訪問したくりはら田園鉄道と比べると大分ましな状況。

 下車客の精算を終えた運転士が通票を携えて通路を移動して来て、運転席に着いた。手伝いの作業員も運転席の後ろにスタンバイ。若干の遅れがあったと思うが、とにかく発車した。第三セクターへの転換後に駅の増設があったのか、駅間距離は短い印象。乗客には地元の人もあり、途中駅で下車して行く人も少なからずいる。混雑しているが、身動きできない程ではない。普段は保線や検修をしている人だろうか、作業服を来た職員が箱を持って運賃収受を手伝っている。


 三木駅のホームも賑わっていた。古い駅舎内の待合室では記念グッズを販売している。クリアファイルを1つだけ購入。駅の外にも出店がある。また、駅舎の側面の屋内ではコーヒーの販売と写真展示があった。







◎三木 1537→1550 厄神 厄神行132 ミキ300-103単行

 戻りは早目に乗車してボックス席の通路側に着席。

ホームには地元の小学生等の手書きメッセージの入った旗が並べられている。

 三木の発車は1分遅れで済んだ。同じボックスの人は窓を開けて流れ行く風景を録画している。途中の駅での乗り降りは少なく、車内は混雑していたものの、通路を行き交うことも可能な程度だった。

 結構のどかな雰囲気のまま、厄神到着も2分弱の遅れで、ダイヤは機能していた。三木での折返し時間が長いこと、車庫のある三木以外は一本線で交換が無いことがあり、また運賃精算に補助者が付いていることなど、様々な理由があるだろうけど、昨年のくりはら田園鉄道では遅れが遅れを呼んで定刻から20分も30分も遅れて大混乱だっただけに、この正確さには感心した。


◎厄神 1553→1605 粟生 西脇市行1341S 103系2両編成先頭=クモハ103-3558

 三木鉄道の接続を受けた加古川線も、厄神を何と定時に発車した。もっともホームを振り返ると、乗り損なった人もいたようだが。粟生には車庫があり、前方に緑や黒の103系が並んでいる。

 先程と異なり、今度は2両編成だったので、混んではいるものの車内の移動は十分可能だった。粟生は駅員配置駅。北条鉄道や神戸電鉄へ乗り継ぐ人だけ乗務員に切符を渡す仕組み。

◎粟生 1610→1632 北条町 北条町行629 フラワ2000-2単行ワンマン

 ロングシートの車内は、座席の4割近くが埋まる程度。三木鉄道のついでに北条鉄道まで足を伸ばす人は少ないのだろうか。列車は概ね平坦な田園の中を走るが、時折、林を縫うような場所もある。

 沿線の駅は、国鉄時代あるいは前身の播州鉄道からと思われる古い木造駅舎が多い。そのうちの1つである播磨下里からは、制服の腕に3本線のはいった管理駅長らしき人が乗って来た。沿線の人に手を振ったり、運賃収受を手伝ったりしているが、過剰でない程度の愛想と颯爽さがあり、感じが良い。


 終点の北条町の駅舎は、途中駅と異なり、新しいビルになっていた。2階建で2階には子供英語教室が入居している。また、駅前の道路の向かい側にもショッピングセンターらしきビルがあり、このエリアだけ現代的だ。


 駅で通常の乗車券は発売していない。記念乗車券があったが、割高なので買わなかった。



◎北条町 1642→1704 粟生 粟生行630 フラワ2000-2単行ワンマン

 同じ車両で粟生に戻る。やはり座席の3割が埋まる程度で、列車の速度もせいぜい60km/h程度の長閑な雰囲気。途中駅での乗降は少ない。ただ、時折西日が直接車内に射し込むのが難点。


 タブレットは手のひらサイズのキャリアに収めている。



◎粟生 1715→1824 新開地 新開地行 準急 4両編成先頭=3014

 粟生を発車してしばらくは、鄙びた田舎の電鉄線の雰囲気。1本線で架線柱は木製が多い。最初の交換駅である小野のホームが広く感じられた。

 4両編成だが、先頭車両の乗客は粟生を出てしばらくの間、3人だけだった。

 三木辺りは家並みが増えて来た。神戸電鉄の三木は三木鉄道の三木からは離れているので、三木鉄道の熱気は影響していない。この時点での先頭車の乗客は7人。

 だんだんと日が傾いてきた。まだ外は明るいが、押部谷で運転席後ろのカーテンが閉まる。ここから複線区間に入った。先頭車両の座席も半分くらい埋まってきた。

 しばらくすると、町並みが途切れ、山深い風景になってきた。信号所をゆっくりと通過して、また単線区間に入った。この付近は駅間距離が長く、山間の小さな集落にある藍那までは、前の駅からしばらくかかった。藍那から西鈴蘭台まで複線、西鈴蘭台からまた単線。

 三田や有馬温泉からの線が合流する鈴蘭台で、ほぼ満席になった。ここから複線だが、次の鵯越(ひよどりごえ)までは急勾配の下り坂。右手に時折見える勾配標識が、45パーミルから始まり、やがて50パーミルの標識を過ぎると、トンネルが続くようになる。

 準急なので、鈴蘭台から幾つか通過駅がある。長田まで来ると、周囲は明らかに薄暗くなっている。そして、長田を出てしばらく走ると下り急勾配の後で地下線に入った。神戸電鉄の起点である湊川に停車。列車は神戸高速鉄道に1駅だけ乗り入れて新開地が終点。新開地駅の神戸電鉄が乗り入れるホームは行き止まり式2面3線。同じ神戸高速鉄道でも、阪神・阪急・山陽が広軌なのに対して、神戸電鉄だけは狭軌なので相互乗入ができないのだ。



◎新開地 1831→1909 阪急梅田  梅田行 特急 8両編成4両目?=8752

 じゃらんネットで神戸の宿を探していたが見つからないので、大阪に移動することにした。ちょうど入っていた阪急特急に乗車。最後部の1両は転換クロスシートだが、他の車両はロングシートだった。最後部に戻る前に発車時刻になったので、手近な車両に着席した。上へ上げて閉める鎧戸が特徴的。

 三宮で地上に出たが、外は完全に夜景になっている。半分位の乗客が降り、入れ替わりにより多くの乗車があり、立客も出ている。

 梅田に着くまでの間に、大阪淀屋橋のアパヴィラホテル淀屋橋を予約した。昨年開業したばかりの新しいホテルだ。

 列車は、阪急梅田のターミナルに到着した。9線の櫛形ホームは壮観だ。

 地下鉄はSuicaの相互利用の範囲でないので、券売機で現金で購入。1駅で200円というのは、大阪ではJRの初乗が120円なので、その格差が大きく感じる。


◎梅田 1921→1923 淀屋橋 天王寺行 地下鉄御堂筋線 2両目=1504

 地下鉄で1駅の移動。

 宿の最寄り駅である淀屋橋で下車するが最寄りの出口がなかなか分からず、到着まで時間がかかった。

 ようやく見つかりチェックイン。508号室。ICカードキーで、ドアのところにカードキーを触れさせると解錠する。施錠はオートロック。室内の明かりは、入室したところでカードキーを差し込む方式。室内は狭い。

 Information と題したファイルには電話の案内や防災の案内などがバラバラと入っていてまとまりがない。ホテル内のレストランのメニューくらい入っていても良さそうだが。

 ホテルの周囲を回って目ぼしい店が見当たらないのでホテル内のレストランにしようと思ったら休みだった。フロントで食事のできる場所を聞くとレストランマップをくれたので改めて歩くが土日は休みや早じまいの店が多く、年中無休のお好み焼き屋まで臨時休業だった。結局、淀屋橋駅まで行き、2階の蕎麦屋での夕食となった。コンビニで飲料などを買ってからホテルに戻った。ニュース番組などを見て休憩。寝台急行銀河廃止のニュースは扱いが大きかった。

 23時半を回ってから、地下の大浴場へ行く。ホテルの地下600mから汲み上げた天然温泉を加熱しているとのこと。通常の浴槽の他、冷水浴やサウナがある。また、露天風呂ではないが、外気とつながっているところもある。部屋に戻って24時半頃に就寝。

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