1994年7~8月 北海道 3日目 ー C62ニセコ

 この日は函館を出発して、長万部から函館本線のいわゆる「山線」に入り、ニセコからC62ニセコに乗車しました。夜になってから札沼線に新十津川から乗車しましたが、こちらはあまり写真が残っていません。 


平成6年(1994年)7月31日(日)

6時に起床し、温泉に入る。温泉地に泊まれば3回は入浴すべきだが、何とか1回だけは入ることができた。予定より15分程遅れて、64550頃に宿を出発。湯の川電停まで行く。

 

◎湯の川 701→ 函館駅  谷地頭行  812号(吊り掛け)

湯の川入線の写真を撮って乗車。駒場車庫の写真を撮ろうと思っていたが、うっかりしているうちに通過してしまった。函館駅前で下車。「スーパー北斗」の時間まで20分を切っている。 

◎函館 744→854長万部  スーパー北斗1  札幌行特急5001D  キハ2819両編成 (車番未記録)

自由席車は先頭で、階段から最も遠いところに停まる。ホームの反対側には3時間遅れの「北斗星3号」が停車している。「スーパー北斗」車内は自由席が混んでいて、ようやく通路側の席を確保する。

発車後しばらくは信号現示の関係でゆっくり走り、たまにATSのベルが聞こえる。五稜郭付近で「北斗星5号」とすれ違う。江差線と別れると加速を始め、9km地点で既に120km/hを超えていた。大沼駅手前では左側に小沼の景色が美しく広がる。大沼公園の先の大沼の景色は森が遮り、沼の見える地点は僅かしかない。発車直後に検札を受けたので、自由に動ける。先頭貫通路部分に窓があり、前展望が楽しめる。振子式のため、かなりきついカーブでも減速しない。デッキにいると、油圧で振子を動かす音が聞こえる。

車内販売で駅弁「鮭わっぱ」(900)を購入。約37時間ぶりにまともな食事となる。前面展望で上り「スーパー北斗2号」を撮影するつもりだったが、席に戻っていた時にすれ違い、撮り損じた。

長万部で下車。乗っていた車両の車番は見忘れたが、2両目の7号車?はキハ280 108だったように思う。長万部のホームには駅弁売りがいたが、食べたばかりなので買わず、山線の列車に乗車。「スーパー北斗」はもっとゆっくり見物したかった。

 

◎長万部 902→1033ニセコ  小樽行2951D  キハ402両編成 先頭=キハ40 180

車内は6075%の混雑。冷房はなく、扇風機のみで、窓を開けた席も見られる。山線気動車は峠をゆっくりと登る。1エンジンのキハ40のため、パワーに限界があるようだ。編成中先頭はグリーンと白のJR北海道色、後車はたらこ色。列車は山の中をゆっくりと走る。心地良い風が入り、荷物を抱えながら寝て、たまに目を開ける。黒松内?では数分停車。目名は洒落たログハウス風だが無人駅で、交換設備撤去の跡が残る。1033ニセコ着。ニセコ駅には券売機はなく、昔ながらの硬券を売っている。「SLニセコ」のオレンジカードも3種類ある。 

駅から歩いて撮影ポイントを探して歩く。なかなか良い場所はない。結局、線路際で見通しの悪いところしかなかった。しかも列車の来る時刻が予想より早く、録音はできなかった。

駅に戻って、ターンテーブル上の方向転換を見物。とても暑い。近くでは駅員がオレンジカード他の記念品を大声で売っている。

オレンジカードには乗車証明書を付けているが、車外でこのようなものを付けるのは問題があると思う。1番ホームの屋根の下は比較的涼しく、しばらくそこに滞在。その後、機関車が客車につながってから撮影。





        

◎ニセコ 1358→1606小樽  C62ニセコ号  小樽行快速9263C62 3+旧型客車5両編成2両目4号車=スハフ44 11

車内はほぼ満席。指定された4号車15D席は進行方向右窓側だが後ろ向き。前から2両目の客車で、C62の走行音は比較的良く聞こえる。発車少し前から録音開始。3分遅れの1401発車。車内は冷房がないため扇風機が回り、なおかつ窓が開けられる。SL列車のため煤が車内にも入ってくる。トンネル内ではそれが激しいため、正面の人と協力して窓を開閉する。


しばらくしてから同じボックス内で話が弾む。正面は富山から来た大学生で、話の内容から鉄道マニアと推定される。右前は60歳くらいの元国鉄職員。右側は学生風だったが他の席へ移り、代わりに右前の人と知り合いらしき元国鉄職員。昔の国鉄についてはなしを聴いた。かつて親方日の丸と言われた時代の国鉄は優雅だったらしい。0830出勤、10001100に茶、12001300昼、1500~茶、1600~入浴といった感じで、本当かどうか。終戦直後に14歳で入り(その頃は人手不足で誰でも採用したという)、30年ほど勤めたそうだ。国鉄の職員パスで、国鉄のみならず地下鉄やロープウェイまで乗れたという。

車内でもオレンジカード販売員(=車掌)が来る。昔の黒い制服を纏っている。乗車証明書はニセコ行(上り)の分しかないとのこと。オレンジカード販売後に検札が来る。検札の車掌は普通の制服のようだ。ボックス内では、話がずっと続いた。

余市で18分停車。ホームではメロン3個千円等が並べられている。果物飴2袋購入。余市はウィスキーの産地だが、売店には見当たらず。

余市発車後に車内を散歩。車内放送では沿線ガイドやC62についての説明もあった。放送のチャイムはブルトレチャイムだが乗務員室には鉄琴もある。車両は旧型客車の44系のため、ドアは手動になっていて、走行中でも開閉は可能だが、そのため、走行中に開けるなという趣旨のステッカーが貼ってあり、さらに車内放送でも同様の注意があった。

定刻に小樽着。間もなくC62は切り離されて、どこかに退場する。客車はDD51に牽かれて出て行った。改札を一度出たが、小樽駅構内に50系客車が停まっており、これを撮影するため早目にホームに戻った。    

          

◎小樽 1636→1713札幌  マリンライナー  江別行快速3261M  7113両編成 先頭=クハ711-8

何とかロング部分に座れたが、立客もある混雑。冷房がなく暑い。小樽築港にはDD51の牽く「ニセコ」客車が停まっていた。銭函付近の海岸では海水浴客が多い。車内で先程録音したC62ニセコの録音状態をチェックしたが良く分からなかった。

             

◎札幌 1715→1811滝川 オホーツク7  網走行特急17D  キハ1836両編成(一部新塗色)5号車=キハ182 30

「マリンライナー」1分遅れのため、接続は僅か1分。しかし同じホームの反対側なので、楽に乗り換えができた。しかも空席が少なくなく、2人掛けシートを独占することができた。乗車率は3060%か。

札幌発車時に「北斗星」が同じ発車。並走撮影できるかと期待したが、「オホーツク」の方が加速が強く、「北斗星」はすぐに見えなくなった。検札と車内販売が来る。しかし弁当の残りは少なく、しかも朝食べたのと同じような内容なので買わなかった。

C62の煤が頭髪に溜まっていたのを少し除去する。「ニセコ」の録音状況を再点検し、一応「可」と思われた。車内は空調も効いていて快適。車窓には石狩平野。砂川では、歌志内線らしき廃線跡が見えた。滝川で下車。

 

滝川駅前には西友があるが、適当な弁当屋やファーストフード店は見当たらない。バスは事前に調べたとおり、良い便はなく、予定通りタクシーに乗る。初乗り運賃は480円だが、新十津川駅までは1,290円かかった。運転手は良く話す人だった。三浦市にいたことがあるとのこと。観光地の話など。札幌大通り公園で夏期営業のビール園のことなどを聞かされた。

新十津川駅前には温泉病院があるが、他には何もなし。少し離れた町役場(屋上にネオンで「日本一おいしい米の産地」との表示あり)まで歩くが、めぼしい店はない。駅そのものも小さく、ホームは片面のみ。

    

         

◎新十津川 1907→2143札幌  札幌行5434D→588D  キハ53 501単行(石狩当別でキハ141-13+キハ56型を増結)

単行の気動車には乗客4~5名。うち1人はたった今ここまで乗ってきて終点の新十津川で写真を撮ってすぐに折り返すマニア風。途中の乗降は極めて少ない。2007現在の乗客は6人。しばらくは田園の中に農家が点在する風景が見られたが、浦臼を過ぎると真っ暗になった。乗車中のキハ53 101は、通路はプラスティック板かリノリウムのような床だが、座席部分の床は木製。

石狩当別で30分停車。その間に駅周辺で食料を探す。5分ほどのところに持ち帰り可のお好み焼き屋を発見。豚入お好み焼きとフライドポテトを注文。10分余りでできる。その間に他の客はいなかった。

駅に戻ると、30分の停車時間中に後方に2両増結されていた。中間車のキハ141に移る。後ろのキハ56は総木床。多少乗客は増えたが、大した数ではない。購入したお好み焼きとフライドポテトを車内で食する。だんだんと人家や高層アパートが増えて、駅も立派になってくる。桑園発車時に中間車の乗客10名。桑園手前から並走してきた岩見沢行の711系が先行する。札幌到着はほぼ定時。

 

◎札幌 2200→()0133士別  「利尻」 稚内行 急行312D   7→6両編成 先頭6号車=キハ56 210

稚内方から、6号車キハ565号車キハ4004号車キハ4003号車14系寝台、増3号車14系寝台、2号車キハ4001号車(旭川切離)キハ400

多客期のためか7両の長大編成。しかしそれでも自由席(3両)は混んでいて、各ボックス2~3人の乗車。先頭車のみ旧国鉄色のキハ56。床が総板張りになっていてボックスシート。(400系は転換クロスシート。)2030年前の急行のイメージが残っている。非冷房のため扇風機が忙しく稼動する途中駅での。乗客の入れ替わりが多いが、総数はあまり変わらない。旭川では自由席の1/3程が降り、ほぼ同数が乗ってきた。旭川30分停車時に、反対方向からキハ56を先頭にした「利尻」を撮影。三脚を持って撮る人も2、3人。

車内は旭川到着時から大幅に減光した。旭川を出た「利尻」は、宗谷本線に入ると程なく峠越えのため速度が落ち、しばらくして塩狩の駅名標を通過する。和寒を経て士別に到着。

士別は夜間無人のため、車掌が下車客の改札をする。待合室に荷物を置いて駅前通りを散歩。国道との交差点まで行く。旭川と稚内を結ぶ道路だけに、この時間でも通行車両がよく見られる。駅に戻り、上り「利尻」を待つ。待ち客は他に2人。

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