1995年7~8月 山陰 3~4日目 ー 一畑電車、急行「砂丘」、湯原温泉、松江市

 山陰旅行の3日目は急行「だいせん」で明け、旧型電車の残る一畑電車で一畑薬師参詣のあと再び急行「砂丘」に乗り、姫新線に乗り継いで湯原温泉泊まり。4日目は伯備線経由で山陰側に戻って松江に泊まりました。


平成7年(1995年)7月30日(日)

◎城崎 241→637 松江 だいせん 出雲市行 急行705→快速3735  DD51 1025?→1121+12,145両編成 最後5号車=スハフ12 3005

だいせんの座席は回転クロスシート。しかし自由席5号車は電源装置の音が少し気になる。竹野では3分程運転停車して上りだいせん通過待ち。混雑率は25%弱。1人で4人ボックスにして使っている人がいる。冷房が強いので上にセーターを着て寝る。倉吉付近から明るくなってきたようだが、米子までは寝たり起きたり。しかし冷房が寒い。米子で10分くらい停車。

米子での停車は機関車の付け替えだった。しかしDD51からDD51への交換で、電化区間に入ったのにEF64にならない。燃料容量の関係での付け替えだったのかも知れない。安来発車後の5号車の乗車率は40%くらい。 


◎松江駅 657→ 松江温泉 松江温泉行 一畑バス

バスの時刻を調べたらちょうど良いのがあったので、歩かずに済んだ。JR松江駅で下車した人が多かったので、残った乗客は僅か3名。このバスは松江温泉行の始発である。松江大橋を渡り、左側の新松江大橋越しに朝の宍道湖が見えた。途中、市民センターで1人下車し、終点まで行ったのは2人だけ。

 

◎松江温泉 724→751 一畑口 電鉄出雲市行 普通

4月の旅フェアで入手した招待券で1日乗車券を2枚貰った。出雲和紙の味のある切符。松江温泉発車直後、左側すぐ近くまで宍道湖が迫る。電車は釣り掛け駆動。よく揺れる。思ったよりもスピードを出すが、20km/hレベルの徐行区間も各所にある。途中2箇所で、京王から来た新車とすれちがう。

 

◎一畑口 753→806 一畑薬師 一畑薬師行 マイクロバス 島根22い・164

一畑口で駅員らしい顔をしていた人が、そのままバスの運転手に変身。座席数19の小型バスは約2分の遅れで発車。一応の停留所の案内はあるが、全区間フリー乗降制。他の乗客は高校生らしき女性1人のみ。電車が着く前から乗っていたようだ。

一畑口を出てしばらくは平坦な道を走っていたが、途中からはカーブの続く急な登り坂が続く。これを徒歩で行くのは殆ど無理と思われる。山を上りつめるに従って、広々と下界が見渡せるようになる。かなり大きな鳥がバスに並行するように飛ぶ。やがて頂に近くなって高台の開けた場所に達すると、そこが一畑薬師バス停。 

ここから荷物を持って降り、閉じた土産物屋が数軒並ぶところを過ぎて参道につながる。参道はもっと下から1,300段余りの登りだが、バス停から行けば最後の120段余だけ登れば良い。奉納された塔がたくさん並んでいる。一畑寺に着き、一巡する。線香と蝋燭を計50円で奉納。どちらも、火を付けてもすぐに消えてしまう。参拝後、霊験茶?を飲む。湯呑みが置いてあって、コックを押すといくらでも出てくる。ぬるい番茶で、喉の渇きを癒すのに良い。眼にも付けると良いらしい。一畑寺は眼の薬師である。開山1,000年を記念して仏像84,000体奉納の募集を行っている。1体3万円。1人でたくさん奉納する人もいて、現在1万体くらいあるようだ。



お札の授け所で、先程の茶の葉を売っていたが、かなり大きい。掃除をしていた60歳位の僧の人に聞くと、小さいのは下の土産屋にあるかも知れないとのこと。とりあえず眼の札と家内安全の札を買う。その後、ここの人としばらく話をする。そうしたら冷たいコーヒーをカップに入れてくれた。高い所に登って少しは和らいでいたが、それでも暑かったので、ありがたく戴く。とても美味。住職?にお礼を述べて下山。土産屋が開いていたので200円の番茶を購入。バスに戻る。

 

◎一畑薬師 915→928 一畑口 一畑口行バス(往路と車番同じ)

もと来た道をバスで下りて行く。他に乗客はおばあさん1人。途中の乗降客はなし。

 


◎一畑口 934→1003 電鉄出雲市 電鉄出雲市行 2両編成先頭=2111 昭和44年日本車両、平成6年京王製作所改造

立客のいる混雑。今度の列車は京王帝都電鉄から来た2000系。カルダン駆動のため、先程の電車と比べて音が静か。松江温泉方面よりも線形が良いため、スピードを出す。速い時は90km/h近くに達した。平田市には車庫があり、色々な車両が止まっているが、撮影はしなかった。

川跡で大社線に接続した後、左に折れて、やがて電鉄出雲市着。相変わらずデパートの裏の薄暗い出入口で、初めての人には分かりにくいだろう。

出雲市駅付近を散歩。出雲蕎麦の店は、多くが未だ準備中。

 

◎出雲市 1055→1146 米子 やくも12号 岡山行L特急1022M  3816両編成 後車1号車=クハ381-144

ホームでは並んだが、ゆったり座れた。特急電車のクハのため、音が静かで良い。線路の継ぎ目の音は、やや高い音程になっている。カロリーメイトで朝食。

 

◎米子 1209→1356 鳥取 鳥取行快速3254D  583両編成 先頭=キハ58 1044

2夜連続夜行の後だけに眠い。約110分の乗車時間の半分以上は寝ていた。高校総体参加者らしい人が多く目に付く。臨時のダイヤ変更のため、時刻表の表示より7分くらい後になって鳥取着。

 

◎鳥取 1419→1551 津山 砂丘5号 岡山行急行605D

砂丘5号は無事に座席を確保したが、余り気楽に動ける程ではない。美作河井では通票授受を撮影。



那岐と高野では運転席後ろのデッキで録音をする。しかし運転手の声は余り大きくないので、よく入らない。録音では車内放送チャイム(B型またはディナーチャイムと呼ばれる気動車用)も試みるが、なかなか全体を流さない。


津山に着き、ホームに置いてあった時刻表と車両先頭部を合わせて撮影。 


◎津山 1616→1708 中国勝山 中国勝山行1869D キハ472両編成 後車=キハ47 45

ボックスを占拠。駅前を散歩していたので暑かったが、冷房が効いてきてすぐに涼しくなった。かなりゆっくり走る。中国勝山駅の乗り換え通路からの景色良し。

 

◎中国勝山駅 1730→1804 湯原温泉 蒜山行バス(中鉄バス)

時間になってから、バスターミナルの方からいきなり駅前に出てきた。乗客は全部で3名。通常型バス。途中乗降がないので、テープのアナウンスだけが流れ続ける。信号による停車も、市街を抜けてからは全くなかった。バス停よりも手前の国民宿舎前で降ろしてくれた。

 

ようやく最初の宿にチェックインする。入口を入ったフロント横に「歓迎〇〇様」とある中に自分の名前も出ている。何となく嬉しい。

部屋(季3号)に通され、宿泊票に記入。食事の種類と時間を聞かれる。夕食は部屋に運んでくれるとのこと。夕食19時、朝食7時にする。


夕食前に砂湯へ行く。早くも夕方になってきたが、温泉の周囲を撮影。その後、入浴。「長寿の湯」が手前にあるが、これは熱い。「美人の湯」が温め、「子宝の湯」は中間くらい。一通り入って宿へ戻ると既に部屋には食事が置かれていた。7時のニュース~クイズ日本人の質問を見ながら食べる。充分な量だ。刺身、汁物から山菜蕎麦まで付いている。食べ終わって大河ドラマ「吉宗」を見ながら食休み。その間、宿の人が食事を下げて行った。吉宗を見終わってから家に電話。その後、再び砂湯へ。宿の下駄を借りて10分近く歩く。先程より入浴者が少し増え、女性も少しいる。特に他の人と話をすることもなく、のんびりと入浴。とても風情のある湯だ。2205頃、宿に戻る。

 

平成7年(1995年)7月31日(月)

5:50頃起床。お茶を飲んでから砂湯へ行く。630頃入浴した。昨夜ほどの人数ではないが、既に親子連れ他若干名が入浴している。来る途中で、入浴を終えて帰る人ともすれちがった。

宿に戻り740に朝食。出発の支度を整えて830にチェックアウト。荷物を持ってもう一度砂湯へ行く。今度はガラガラに空いている。砂湯の露天風呂は、長寿の湯、子宝の湯、美人の湯の3つがあるが、それらを一巡して記念撮影をして戻る。

コマの博物館は、近くの店に声をかけないと入れないので止め、役場前バス停に行くが、時刻表に乗る予定のバスが載っていない。慌てて湯原バスターミナルまで行くが、その途中、対岸を通過するバスが見えた。特急バスはルートも違うらしい。どうしようかと考えているところに、バスの時刻を勘違いしていた地元のおばさんがいたので、割り勘でタクシーに乗ることにした。乗車前に少し話をする。娘さんの1人が大和市に住んでいるらしい。

タクシーに乗車。同乗のおばさんは運転手と顔見知りらしく、走行中に世間話をしている。やがて勝山町内に入り、武家屋敷の入口で降ろしてもらい、その時点でメーターを停め、表示金額5,200円の半額2,600円を請求されて支払う。割り勘である旨、運転手も承知しており、料金が半端だった場合に後で割る手間を省くことができるように配慮してくれたもの。武家屋敷資料館までと、その後の駅までの道順も教えてくれた。

古い町並みがある通りから坂を上り、少し右に折れたところに資料館があり、入場無料。周りに誰もいないようだ。来訪名簿に備え付けの筆ペンで記入。入り口に荷物を置いて、座敷に上がる。当時家老に次ぐ地位にあった渡辺氏の屋敷で、部屋数は座敷だけでも5~6部屋あるようだ。小さな庭もあり、風通しも良く、居心地は良さそうだ。しばらくすると管理人が出てきて案内テープを流してくれる。土蔵が資料館になっていて、武具、鉄砲、食器等が置かれている。茶所にセルフサービスの冷たいお茶が用意してあって、湯呑みに3杯ほど頂いた。無料なのに有り難いサービスだ。 


◎中国勝山 1051→1141 新見 新見行859D  キハ40 2084単行

各ボックスが埋まる程度の乗車率。中国山地の山間部を縫うようにゆっくり走った。

 

新見駅近くを散歩。近くの川に嘔穴があり、見物。


◎新見 1221→1229 布原 備後落合行445D

発車3分前に乗ると、各ボックスには2人くらいずつ埋まっていて、ロングシート部分に座っている人も少なくない。すぐに降りるので、ワンマンの運転手のすぐ後ろに陣取る。布原で下車した客は、他になし。

 

布原駅周辺には、思ったよりも家がある。駅周辺に10軒近くだろうか。しかし布原駅のホームには屋根も無い。荷物を置いて行こうかと思っていたが、これでは無理だ。そのまま担いで鉄橋の方へ行く。この鉄橋が、一時期SL3重連の撮影場所として賑わった所である。写真で見るものは、新見方の岸から撮ったように見えるが、そちら側は断崖絶壁のようなもので、撮影ポイントは見当たらない。しかし、布原側には河原が広がっているところがあり、河原へ下りる場所も見付けた。河原に下りたところで荷物を置き、石のごろごろしているところをそろそろと歩き、ようやく、これはと思うポイントを見付けた。やくも12号通過予想時刻の2分前である。

やくもは予想より2分近く遅れて通過。上り坂のためか、特急の通過速度はゆっくりとしている。ゆうゆうとシャッターを切った。荷物を持って道路に上り、駅に戻る。すると岡山方面の115系普通電車が通過してきたので、それを駅ホームから撮る。 


◎布原 1309→1314 新見  新見行446D  キハ40 2008単行

備中神代方から橋を渡ってくる446Dを撮ってから、それに乗車し、新見に戻る。程々の乗車率。

 

◎新見 1322→1458 松江  やくも9号 出雲市行 L特急1019M  3816両編成 先頭1号車=クハ381-144

1号車の車内は60%強の乗車率。音楽を聞いたりカロリーメイトを食べたりする。カーブが多いが振り子式車両の強みを生かし、高速で突っ走る。しかし揺れが激しい。しかもカーブとは関係ない揺れである。旅行記録を書く文字の揺れが激しい。昨日のやくも12号と同じ車両だが、その時は特に揺れを感じなかった。線形のためだろうか。

 

松江に着いたが暑いので、風土記の丘へレンタルサイクルで行くことは止め、宿に荷物を置いてから、松江城周辺だけを重点的に見ることにした。

時間があまり無いので、明々庵まで急いだ。暑い。抹茶と干菓子を戴きながら、庭を眺めた。敷地内から松江城の展望が良い。

次は武家屋敷。勝山で先程見たのより更に立派。また、武家としての緊急時に対する備えもある。盛り砂は初めて見た。普段飾ってあって鈍っている刀を盛り砂に数回切りつけると、すぐ使える状態になるという。即席の砥石のようなものだ。

その後、小泉八雲記念館。展示されていた戸籍謄本の内容に興味を持ち、メモを取る。ヘルンは、かつてダラムの学校に通っていたことがあるという。もしかして Durham School か?家系図の展示があり、ヘルンの子の子の子?が現在この記念館の学芸員であるそうだ。また、特別展として現在「ヘルンの子供たち」とかいうタイトルのものを現在行っている。

そして松江城へ急いだ。夏季は多くの施設で開館時間を延長しているが、それでも最終入場時刻まで10分。ようやく間に合う。天守閣へ行くと、上の方から閉めていくとのことで、最初に一番上の階に登る。暑いが風通しは良い。各階を少しずつ見ながら降り、天守を出てから記念撮影。城の北側へ戻り、武家屋敷等の風景を撮ったが、郵便配達車が邪魔。

その後、宍道大橋経由で、嫁が島の見える所まで40分位かけて歩く。宍道大橋からは湖岸を歩き、日が沈んでいくのを見る。嫁が島と夕陽は何とか一緒に写せたが、もう5分程早く着けば、もっと良いものが撮れただろう。1905頃日没。これを撮る人が大勢集まっていた。

道順を通り掛かりの人に聞いて乃木駅へ。しかし良い列車がない。タクシーに乗ろうとしたが、事務所に人も車もあるのに、なかなか動こうとしないので、乗るのを止めた。もと来た道を40分位かけて戻る。ホテル着2006頃。夕食予定時刻より少し遅れた。

汗を拭いてから急いで食堂に下り、夕食を始める。飲み物のオーダーを取りに来たので、まず冷たい水、そしてコーラを頼む。汗をかいた後の水は美味。料理はとても豪勢。刺身、蟹の小切り、鍋(茸と卵他)、焼き魚、鰻の切り身、茶わん蒸し、葡萄、その他色々。予約時3,000円の夕食は高いと思っていたが、まあ、これでは3,000円取られても文句は言えないといった内容。

食事後、部屋に戻る。周囲の部屋のドアには〇〇県〇〇高校の札が並ぶ。大広間らしい所も高校生の宿として使われている。高校総体のすごさを改めて感じた。各駅にも高校総体の案内所が開設されている。

部屋にも風呂はあるが、5階の浴場へ行く。大中2種類あり、今夜の男性用は中浴場。中は狭く、3人までが限度。5階にある割に展望はない。しかし湯は心地よく、脱衣場の換気も良いのか、出るときはさっぱりする。5:50のモーニングコールを頼んで寝る。


 

コメント