2000年12月 青函地域 2日目 - 津軽鉄道ストーブ列車、五能線

 寝台特急「あけぼの」で弘前に到着し、津軽鉄道のストーブ列車に乗車しました。その後五能線に乗車。艫作で途中下車して夕刻の黄金崎不老不死温泉に入浴。日没後、東能代から奥羽本線に乗り継いで、大館で宿泊しました。


1日目に戻る

 平成12年(2000年)12月2日(土)

◎上野 前2141→925 弘前 「あけぼの」青森行寝台特急2021 機関車EF81 135+24系9両編成(機関車寄の荷物車1両含む、最後が1号車)、5号車=オハネ24 551(平成3年大宮工場改造)B個室寝台ソロ24号室(進行左側上段)

 015-20水上で5分間運転停車。乗務員交代か。駅の向かい側ホーム階段の「出口」の英語表記が米国式の"Exit"ではなく英国式の"Way Out"と表示されていた。

 水上を出て温泉ホテルの散在する中を通ると間もなく新清水トンネルに入った。さすがに長い。トンネル内の土合駅は確認できなかった。ホームは反対方向だったかも知れない。033?新清水トンネルを抜けた。「トンネルを抜けたら雪国」という程ではないが、室内灯を消して外の暗闇に目を凝らすと、若干の積雪が見られる。トンネルを出てすぐの土樽駅ホームにも雪がある。

 トンネル内と比べて列車の速度は下がったようだ。深夜の越後路を適度な速度で通過していく。

 そろそろ寝る準備。1時就寝。

 途中新津など、何度か目が覚める。

 6時半頃起床。列車は秋田に近付きつつあり、夜明けの日本海が防砂林の合間から見える。車内から撮影するにはまだ明るさが足りない。上野発車直後から停止していた車内放送は、633再開。列車は2分遅れで運転中であり、あと20分程で秋田到着とのこと。羽越本線は単線区間が多いので交換待ちによる停車も少なくない。そのための遅れと思われる。しかしダイヤに余裕があるのか、秋田到着は定時。


 秋田5分停車の間に、機関車の確認と、駅弁を購入。時刻表によると通常期は12両編成だが、閑散期のため8両(荷物車を含めると9両)編成になっていた。機関車のすぐ後ろの荷物車では、新聞か何か小荷物を降ろしていた。先頭の機関車では運転手交代。秋田から車内販売が乗車するとのことだったが、ホームに駅弁の立ち売りがあったので、「あきたこまち」弁当とお茶を購入して部屋に戻った。

「あけぼの」のソロ2階室から男鹿線列車を見下ろす

 秋田を出る頃には完全に夜が明けた。八郎潟干拓地の向こうに男鹿半島の寒風山が望める。遠方の寒風山は多少、雲がかかっている。手前の既に稲刈りの終わった田は霜が付着して白くなっている。

 通路からは車内販売の声が聞こえた。売れ行きは結構よさそうだ。

 東能代では五能線と同じホームで接続している。土曜日だが、通学の高校生で五能線車内はデッキまで混んでいる様子。弘前行だが、後ろの何両かは能代で切り離すようだ。ホーム待合室のストーブにあたっている人もいる。

 東能代を出てしばらく走ると、遠方に白神山地が見えた。この付近は快晴。弁当を食べ終わり下車駅まで1時間程あるので、しばらく横になる。

 碇ヶ関付近からは、線路際にも若干の積雪が見られた。県境の峠を越えて大鰐温泉。部屋のある左側の窓からは弘南鉄道の線路は見えない。大鰐温泉を出ると間もなく弘前。雪化粧した岩木山が見えてきた。


荷物をまとめて下車準備をする。


 弘南鉄道弘南線とは跨線橋でつながっていて、中間改札はない。ホームに駅員が1人いるようだ。

 駅ビルへの改札は9時半に開いた。駅ビルを通って改札外へ。

 弘前駅みどりの窓口で、今日明日に使用する「五能線周遊きっぷC」を購入し、同時に夕方の艫作から乗るリゾートしらかみ号の指定を受ける。

 中央改札はJR線と弘南線が隣合わさっている。弘南鉄道の改札横の窓口で弘南線と大鰐線の時刻表を貰った。これを見て明日の出発時刻を決めることにする。


◎弘前 1001→1044 五所川原  深浦行2826D  キハ48形2両編成先頭→後車=キハ48 518

 車内の乗客数は各ボックスに1人程度。弘前を発車して間もなく右手に林檎畑が広がっていた。勿論収穫は終わっていて枝だけの木が並んでいる。

 川部で6分停車。ここから進行方向が逆になる。五能線に入り、線路際の林檎畑が増えた。近くで見ると、葉は残っている。林檎畑の背景に岩木山を入れて撮影。

◎津軽五所川原 1054→1141 津軽中里 津軽中里行ストーブ列車101 機関車DD352+客車2両編成後車=オハフ33 1(前車=オハ46 3)


 JRとは跨線橋でつながっていて中間改札はない。ホームに切符売り場はなく、車内で車掌から購入とのこと。2両編成のうち先頭車両は団体用、後車両の一部は撮影用の貸切になっている。そのせいか、一般席は若干混んでいるが、それでも全員が着席できる。1両にストーブが2つ付いていて、うち1台のある席が空いていたのでそこに着席。ストーブが近いとかなり暖かい。

 外面は津軽鉄道の塗色になっているが、車内の壁はニス塗り、床は木のクラシックな内装。

 列車はゆっくりとした速度で津軽平野を走る。沿線の踏切は「チリン、チリン」と鳴るタイプ。幾つかの駅には昔使用していた車両が留置されている。後ろでは撮影が進んでいるようで、「ヨーイ、スタート」の声が聞こえる。こちら側のストーブで小道具らしき魚の開きをあぶったり、乗客の地元のおじさんやおばさんをエキストラにスカウトしたり、忙しそうだ。車掌は発車少し前にストーブに石炭を補充していた。

 最初の停車駅十川を出てから乗車券を発売して回る。

 金木で乗客の入れ代わりが多い。学校帰りの高校生が10人以上乗車してきた。

 終点津軽中里で下車。運転手と駅員、車掌が協力して機回しをする。

 津軽中里の駅は生協の建物と一体化していて新しい。 踏切付近で撮影していると、学校帰りの小学生が「こんにちは」と挨拶してくれたので、こちらも挨拶を返す。

 駅では乗車券の他に、記念切符やテレホンカード等を売っている。早めに金木までの乗車券(硬券)と、石炭(ラベル付きの袋に入って100円)を購入。もうしばらく外にいようかと思ったが中に案内されてしまった。

◎津軽中里 1224→1242 金木  津軽五所川原行ストーブ列車 機関車DD352+客車2両編成後車=オハフ33 1


 始めのうちは撮影班以外に乗客がなかったが、発車時刻が近付くと少しずつ乗ってきた。

 今度はストーブとは反対側の席に陣取る。発車後間もなく車掌が石炭を補充する光景を撮影。テレビ?の撮影班も仕事を再開したようだ。

 金木で下車。撮影班も、ここで降りるようだ。



 駅で地図を貰い、現在では太宰治記念館になっている斜陽館まで散歩する。駅から斜陽館まで徒歩8分と案内板にある。案内板が良く整っていて、地図を持たなくても迷わずに行ける。斜陽館を撮影。その近くにある寺の鐘堂は門の上にあり面白い。

 途中、郵便局に寄りつつ、駅まで戻る。次の列車まではまだ時間がある。


◎金木 1317→1341 津軽五所川原  津軽五所川原行16(気) 津軽21-103単行

 金木駅には券売機もあるが、窓口で硬券も売っているようだ。「ストーブ列車乗車記念」と銘打った津軽五所川原・金木間の細長い硬券がある。一般列車にも使えるとのことなので、これを購入して乗車。

 金木で新型レールバス同士の交換。どちらも車両前面に「走れメロス」のマーク。ホームで通票を交換している。津軽中里から金木までは棒型の変わったスタフ。金木から五所川原方面は丸いキャリアに入ったタブレットである。

 車内の乗客は10人足らず。日差しが暖かく照る中、快調に走る。

 津軽五所川原で下車し、駅周辺を歩くが、手軽に昼食がとれそうな所は見当たらない。少し離れた交差点で何かの撮影をしていた。

◎五所川原 1412→1553 深浦  深浦行2830D  キハ40系4→2両編成  2両目=キハ40 528

 上下線の改札開始前は駅舎内が通学生で満員になっていた。改札が開きホームへ移動してからも同様。しばらく出入り口付近に立つ。

 鯵ヶ沢で座れた。ここで後ろ2両を切り離し。ここから先はワンマン運転。千畳敷辺りから、奇岩の並ぶ海岸線を走る。

津軽半島の向こうに江差半島?らしき陸影も見える。深浦に近付いてから若干空いてきた。

◎深浦 1557→1611 艫作  東能代行328D  キハ40系2両編成ワンマン 後車=キハ40 533

  ここまでとは違ってガラガラに空いている。後車の乗客は2名。艫作までのんびりと走る。


 艫作はがらんとした無人駅。ここで次の列車までの2時間近くの間に黄金崎不老不死温泉に入浴する予定にしていた。駅前に地図がないが、電話番号を記した看板があり、問い合わせたら迎えに来てくれるとのこと。間もなくワゴン車が到着して、温泉ホテルの前まで乗せていってくれた。距離は特別遠いという訳でもないが、起伏が大きい。

 フロントで料金(600円)を払い、最初に露天風呂へ。館内の階段を幾つか下り、外へ出る。海岸沿いに石造りの露天風呂の表示があり、左が混浴、右が婦人用と表示されている。石の壁の裏に棚があり、そこに衣類を置くようになっているが、風が強いので、カメラバッグ等を用いて慎重に置く。

 黄金色の湯はやや温め。雲の間に僅かに夕陽が見え、遠くの空が赤く染まる。ひょうたん型の湯舟には自分の他に数人のグループ客。社員旅行らしい。

 夕陽が沈むのを見届けてから再び服を着てホテルに戻る。外は寒いが体の内側が暖まっている。館内の階段を上がり大浴場に行く。こちらは脱衣場から暖かい。中は透明の湯が入ったバブルバスと、露天風呂と同じ黄金色の湯の浴槽がある。塩分の強い湯で、効きそうな気がする。よく暖まった後、脱衣場でしばらく乾かす。その後ロビーで小休止。


◎黄金崎不老不死温泉 1735→1738 艫作駅  青森56て8660

 1830過ぎに出発して、少し歩くと、後からホテルの車が追い付いて来て、外は暗いからと、駅まで乗せてくれた。だれか駅に迎えに行くついでかと思ったら、駅には誰もおらず、車もすぐ引き返して行った。わざわざ1人のために往復とも車を出してくれたようだ。これで入浴料600円とは、有り難過ぎる位だ。

 想定より早く駅に着いたので待合室で休憩。見掛けと比べてしっかりした造りで扉もあり、トイレも付いているので、駅に泊まる人もいるらしい。それらしき内容の落書きが幾つか壁にある。正面の壁には地元の幼稚園児の描いた絵が貼ってあるが、子供の名字に「こがねざき」というのがあった。地元の地名が人名になっているようだ。


◎艫作 1805→1915 東能代 リゾートしらかみ 秋田行8530D  キハ48系改2両編成後車1号車=キハ48-533 指定席8A=3列目右窓側


 先頭2号車はコンパートメント席で、団体らしい客を中心に乗っている。後ろ1号車は一般のリクライニングシートだが、シートピッチがとても大きい。脚を思い切り前へ投げ出すことができる。背もたれとクッションの両方が調整可能。背もたれの頭の部分は黒い革のような素材。座席後ろのテーブルの他、肘置きにも小型テーブルが収納されている。車内販売が乗車している。

 弘前方の車端部には眺望スペースが用意されている。パンフレットや記念スタンプも置いてある。

 通路は木のフローリング。

 1824白神岳登山口に臨時停車。団体が下車して、車内は急に静かになる。暗闇の中を優雅にひた走る。東能代で下車すると車内はガラガラになった。

◎東能代 1945→2023 大館 しらゆき3号 大館行快速3671M  701系2両編成ワンマン  先頭=クモハ701-31

 ロングシートの車内はほぼ満席。夜の奥羽本線を高速疾走する。鷹ノ巣で高校生等が下車し、先頭車の乗客は9人になった。


 大館駅舎内の市内地図に今夜泊まるロイヤルホテル大館が載っていないので、電話で場所を問い合わせる。小坂精練の駅を挟んでJR大館駅と向かい合っているが、間を通る道路が未開通のため、駅正面の通りを小坂精練の踏切まで行き、最初の信号のない交差点を右折とのこと。駅から徒歩で8分見込みらしい。

 案内のとおり歩く。途中の店は大体閉まっている。商店街からホテルの方向へ曲がると道路も暗い。ホテルは大館温泉と隣り合わせで大きな建物なのですぐに分かった。


@宿泊 ロイヤルホテル大館 5階513号室シングル 電話0186-49-4511(代) 6,000円(税込)

 ホテルに到着しチェックイン。カードは使えず現金払い。1階の小さなロビーにコピー機や閲覧用新聞がある。館内のレストランは22時まで。温泉大浴場は23時まで。朝は6時から。部屋のタオルを使用のこと。

 2120頃に夕食のため1階へ下りる。和食堂と洋中レストランがあり、メニューを見比べ、パスタセットにしようと思ってレストランへ行ったが、洋食は既に終わっていて中華だけ(しかも値段が高そう)だったので和食堂へ移動。カウンター席で天ざるそばを注文。しばらく待つと、黒光りする奇麗な蕎麦と天麩羅、漬け物のセットが出てきた。想像したよりは良い見栄え。味は普通。

 食後、部屋と同じ5階の温泉浴場へ。他には誰もいない。浴槽は1つで規模はそう大きくはない。しばらく暖まり、部屋へ戻る。明日は早起き予定。2350消灯。

1日目に戻る

3日目へ

目次へ

コメント