2000年12月 青函地域 3日目 - 弘南鉄道大鰐線と廃止直前の下北交通大畑線

 旅行3日目は大館を出て弘南鉄道大鰐線に乗車して弘前市内を散歩してから下北半島に向かい、廃線直前の下北交通大畑線に乗車しました。下北交通終点の大畑駅には、平成13年3月31日の廃線を前に「ラスト・ランまであと118日」と表示していました。


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平成12年(2000年)12月3日(日)

 540起床。外はまだ暗い。温泉浴場は6時からなので、555ー610に入浴。部屋へ戻りカロリーメイトで仮朝食。635にチェックアウトした。

 外に出ると雨が降っている。一旦ホテルのロビーに戻って傘を取り出し、大館駅へ急いだ。


◎大館 649→720 大鰐温泉 青森行627M  701系2両編成先頭=クモハ701-31

 この時間の大館駅は出発ラッシュ。647に奥羽本線上り、648に花輪線、そして649に奥羽本線下りが続けて発車する。しかし、どれも乗客はさほど多くなく、静かなラッシュである。

 この電車は車掌が乗務している。先頭車両の乗客は2名。途中の駅からの乗客が乗ってこない。ドアは押しボタン式なので、乗り降りがなければドアは開かない。

 大館発車後、長いトンネルを2つ抜け、津軽湯の里直前から、線路やホームに薄く積雪している。

 碇ヶ関で、途中駅では最初の乗客が、1両目と2両目に1人ずつ乗ってきた。

 線路に雪が残っているが、現在降っているのは雨のようだ。

 JR線と弘南鉄道大鰐線の接続は頗る悪い。627M到着と同時に大鰐線電車が2つ向こうのホームから出ていった。JRと弘南鉄道の駅舎は隣接している。





◎大鰐 750→820 中央弘前  中央弘前行 普通  7000系2両編成ワンマン 先頭=7034

 元東急7000系の車両。吊り革の広告に、東急百貨店や渋谷109のものが一部残っている。ワンマン化とドアスイッチ取り付け改造がなされている。隣のホームには快速(休日運休)用に6000系電車も止まっている。少し先の側線には古い車両が止まっている。

 鯖石で反対列車とすれちがい。右側通行。安全側線なしで上下同時進入。しかもATSは無さそうだ。(編注・大鰐線のATS使用開始は2003年11月)

 石川と義塾高校前の間でJR線をオーバークロス。その直前には下り方向に701系電車が走っていくのが見えた。

 津軽大沢は車庫があり、凸型電気機関車に連結された除雪車も止まっている。

 車内は思ったよりも乗客がいる。津軽大沢発車時点で、2両合わせて30人位のようだ。千年の交換は左側通行。その後、さらに乗客が増えてきた。ワンマン運転のため、前の車両に乗客が集中している。

 終点の中央弘前に到着し、ガイドブックの地図を確認してから弘前城へ向かう。中央弘前駅前から左方向の橋を渡り、しばらく真っすぐ歩き、適当な所で右折。右手の東北電力営業所の横断幕に、「東北電力50周年、弘前に電力が供給され始めて100年」の表示。

 市役所前の追手門から弘前公園に入る。門などの建物や大きな樹木の下には「落雪注意」の赤い看板。雨の弘前公園を天守閣へ向かって歩く。人通りは少ない。

 天守閣は3階建。元は更に大きなものだったが、19世紀初頭に再建されたもので、江戸時代に建築された天守閣としては東北唯一のものらしい。天守閣の中は博物館になっていて、春から秋にかけては入ることができるが、現在は冬季閉鎖中。

 護国神社経由で北門から出る。車の水撥ねに注意しながら弘前駅方向へ歩く。途中、武家屋敷?を模した東屋があり、休憩。コンビニを経由して、郵便局のATMに寄る。その少し先のみちのく銀行をふと見ると、「日本初、2千円札出入金対応ATM」の表示があった。銀行カードで6千円引き出して見ると、特に金種を選ぶ画面はなく、自動的に2千円札3枚で出てきた。

 マクドナルド弘前駅前町店で遅い朝食。旅行記録の作成をしながらゆっくり40分程度滞在。1120過ぎにマクドナルドを出て弘前駅には1130頃到着。昨日の朝は駅前から岩木山が見えたが、今は雲に隠れている。駅1階に土産物店がある。少し眺めてみるが、まだ買わない。りんごパイ等を少し眺めるが、発売元が包み紙に記されているが製造元の書いてない(=地元産かどうか分からない)ものが目立つ。

 弘前駅も列車別改札で、列車発着時以外は閉鎖されている。改札口の時刻表を見ると、昼間1時間近く出発も到着も無い時間帯もある。


◎弘前 1158→1232 青森  かもしか1号 青森行特急2041M  481系3両編成最後1号車=クロハ481-1003

 僅か3両編成だが、それでも余裕で空いている。川部を通過して間もなく右手に廃線となった黒石線の路盤が別れていった。信号機らしきものも見える。

 降りは弱くなったようだが外はまだ雨が残っている。


◎青森 1246→1311 野辺地  スーパーはつかり16号  盛岡行特急1016M  E751系6両編成先頭1号車=クハE751-2

 かもしかと異なり、青森出発直後から急加速し、すぐに高速走行に入る。1号車の乗車率は30%強。右手に機関区が見え、多数の電気機関車が止まっている。

 NREから車内販売の案内放送が入る。その取り扱い品目の中に何故か横浜崎陽軒のしゅうまいが含まれている。その他の弁当は沿線のもののようだ。

 浅虫温泉を通過する辺りで陸奥湾の近くを通る。遠くの景色は全く見えないが、近景は霞がかかり幻想的である。

 野辺地で下車。南部縦貫鉄道のホームへ結ぶ跨線橋は工事中。向こうに見えるホームは半分草に覆われている。信号梃子がまだ残っている。



◎野辺地 1325→1410 下北  しもきた 大湊行快速3727D キハ40系2両編成後車=キハ40 551

 大湊線のホームには中間改札のようなものがあるが、特に駅員がチェックしている訳ではない。途中、陸奥横浜と下北にしか停車しない快速列車。ローカル線にしてはスピードを出す。

 吹越近くでは海岸のすぐ横の荒涼とした草原を走行する。陸奥湾でも白い波が打ち寄せられている。

 下北で乗り換え。駅窓口では大湊線沿線のオレンジカードが3枚セットで販売されていて、大畑線の車両も入っているが、バラ売りはしていない。


◎下北 1415→1445 大畑  大畑行9D  キハ85 3単行ワンマン

 下北駅の下北交通の窓口は、発車時刻が近付くと閉鎖し、ホームで切符を売る。発車前に、駅待合室に声をかけていた。ホームにはラストランまでの日数を表示した、来年3月末の大畑線廃止を告げるポスターがある。

 大湊線と同じホームの反対側から発車する。ゆっくりと加速。すぐに大湊線と別れる。今では線路もつながっていない。細い鉄路をコトコトと走る。

 車両は旧国鉄キハ22系をワンマン改造したもの。紐で組まれた本物の網棚。通路の床は一部カバーを付けているが、木張りの部分が残っている。

 田名部ではまとまった数の乗客が乗ってきた。この時点で乗客は30人を越えて賑わっている。それでも廃止なのだろうか。川代辺り?で太平洋が少し見えた。

 終点大畑に近付いた。ラストスパートの短い坂を上る。バス乗り継ぎの案内放送があった。

 折り返し列車を近くの踏切で撮影。

戻って大畑駅前で記念撮影。三脚の準備をしていると、駅正面に止まっていたタクシーが後ろにさがってくれた。



同窓会か何かの団体が来た。座長らしきおじさんが挨拶している。大畑線の思い出話のようで、昭和14年に大畑線が開通して中学や高校の進学率が向上したことなど。現在は他所に住んでいるらしいが、今回は大畑線の乗り納めに来たらしい。

 駅の窓口で大畑線のオリジナルテレホンカードを購入。隣の窓口はバスの窓口。金券式回数券を千円で購入。1,100円分使える。

 駅前のスーパーで飲料他を購入。500mlペットボトルが意外に安い。スーパーの出口でたいやきを購入。そこのおじさんとしばらく話す。札幌からこちらの方へ働きに来ているらしい。


◎大畑駅 1605→1628 下風呂温泉  佐井行 下北交通バス佐井線 青森22か・801

 大畑発車時の乗客8名。大畑の町を抜け、大畑川を渡ると海沿いの道に出るが、今度は木野部峠の山道に入る。勾配がきつく、バスはあまり速度を出せないので後続の乗用車が次々と追い抜いていく。峠の眼下には夕暮れの海岸が見下ろせる。

 峠を下りると海岸沿いを走る。1630頃、日暮れの下風呂温泉に到着。バスの前の方の席にいたおばさんが、どの宿に泊まることになっているのか聞いてきたので下風呂マリンホテルと言うと、バス停を下りて右前方と教えてくれた。


@宿泊 下風呂マリンホテル(青森県下北郡風間浦村)電話0175-36-2231  7階708号室

 場所はすぐ分かった。背の高いビルだ。フロントは無人。中で電話中のような声が聞こえる。しばらくして電話が終わったようなので声をかけるが気付かないらしい。大きな声で呼んだら出てきた。チェックインする。

7階の部屋に案内された。ベッドが2つ並ぶツインルームに入り口部分に畳が4畳半敷いてある。なかなか洒落ている。部屋の入り口にユニットバスもある。部屋の窓からは海が見えるようだが、既に暗くなっている。

 テレビのリモコンの調子が悪かったのでフロントに電話して見てもらった若干接触が衰えているようだが、ボタンを強く押せば使えることが分かった。なお、NHKのテレビは北海道の電波を使用しているらしく、天気予報も北海道のものばかりだ。一部に青森のも出るが、それによると明日は曇り一時雪のようだ。

 テレビを見てもらったついでに外湯の場所を聞いた。宿に露天風呂もあるという情報がガイドブックに載っていたと思ったのだが、違ったようだ。代わりに夕食前に外の共同浴場に行ってみることにした。

 中心部を貫く通りから山側に入って少し行くと大湯がある。入り口に入浴券の券売機がある。地区の人、それ以外の村の人、村外の人とで料金が異なる。中に入って番台で入浴券を出す。中は熱い湯と温い湯の2種類の浴槽がある。白っぽい湯である。

 暖まってから、帰りにもう一つの新湯の前を通ってみる。大湯と同じ構造のようだ。

 宿に戻って間もなく夕食。部屋食。海産物が中心。刺身、酢の物、魚のフライ、煮魚、鍋物2つ(ウニと卵、イカと玉ねぎ)ご飯と味噌汁で、盛りだくさん。

 満腹になって休憩。NHK大河ドラマの徳川葵3代を見る。寒くなってきたので、石油ストーブを使用する。 窓の外は風が強いようだ。NTTドコモのiモードで明日の天気を調査。4日の下北(むつ)は曇り時々雪で、予想最高気温2度、最低気温氷点下3度、午前から18時まで降水確率は10%。

 2230に8階の展望浴場に入った。24時間入浴可能。男湯は誰も入っておらず、消してあった明かりをつけて入浴。ひばの浴槽で、大湯と異なり無色透明の湯である。微かに木の香りがする。サウナと水風呂も付いている。サウナはあまり熱くなかった。

 ゆっくり入浴して部屋に戻ると2330を過ぎていた。寝る前にもう一度入ろうと思っていたが、すぐに寝る時間になってしまう。2420消灯。テレビを消すと風と波の音が聞こえる。

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