2008年04月 東北 2日目 - 奥羽本線、仙山線

横手から奥羽本線・仙山線の普通列車を乗り継ぎ、新庄や面白山高原で途中下車しながら作並まで進んで宿泊しました。


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平成20年(2008年)4月6日(日)

 7時頃に起きて、7階の風呂へ行く。1階と比べると小振りだが、北投石を使うなどしている。風呂を出たところのロビーから横手駅の全景が見下ろせる。広い構内の一角には、除雪された雪がまだ積まれている。

 部屋に戻ってマッサージチェアを使って休憩してから、8時過ぎに一旦フロントを通って2階の食堂へ朝食に行く。洋食の食券を渡して、適当な席でしばらく待つと、食事が運ばれてくる。普通の洋朝食。トーストは厚め。食堂が空いていた割には、スタッフの動きがあたふたとしているように見えた。

 食後、荷物をまとめて、9時過ぎにチェックアウト。1階の土産物コーナーには、北投石の原型となる焼山石?(名称失念)が販売されていた。細かい石が1kgで千円、少し大きめの砕石は1kgで2千円。少し迷ったが、今回は買わなかった。


◎横手 927→1050 新庄 新庄行2434M  701系2両編成ワンマン 先頭=クハ700-18

 秋田から来た列車は横手で6分停車のため、ホームに着いた時には既に入線していた。時間になると、警笛を発してから発車。ロングシートの車内は程よく空いている。

 この区間を通ったのは大学4年の夏合宿以来か。あの頃は、秋田新幹線は着工しておらず、山形新幹線も山形までで、在来線特急「こまくさ」で秋田から山形まで乗った。今は新庄までの区間に特急は走らず、旅客列車は701系の普通電車だけだ。単線の線路だが幹線として整備されており、90km/h以上の速度で淡々と走る。

 湯沢でまとまった乗客があり、座席の半分近くが埋まった。線路は比較的平坦だが、少し離れた左右に山が並び、沢などにはまだ残雪が見られる。


 院内近くから上り勾配となり、カーブも増えた。線路の周囲にも残雪が目立ち始める。院内はレンガ仕上げで銀山資料館を併設している。見てみたい気もするが、この後の列車の間隔が開き過ぎるので、今回は素通り。院内からは複線となるが、左右に見えた山は大きく近づき、トンネルも通りながら山越えとなる。峠を越えて山形県に入ると及位。2面3線だが、山間の小さな無人駅だ。ここからまた単線となり、今度は下り勾配。

 一般に県境の区間では乗客が少ないとされているが、この列車については、乗客数は安定していた。峠を下り、たんぼに囲まれた線路の左右から山が遠ざかって行くと、もうじき新庄に到着する。ワンマン列車の運転席の上には運賃表示器がある。長距離路線らしく、表示は120駅分まである。そのうち最大で84駅分が表示されていた。

 木造の車庫の脇を通り抜け、ATSのチャイムを鳴らしながら新庄に到着。外はまだ肌寒い。


 一旦改札を出て、駅に併設されている「もがみ体験館」などで時間をつぶす。「もがみ体験館」(無料)は、地元の人が協力して作った標本などを箱に入れたものを見たい人が取り出して見る方式など、展示方法が面白い。

 




◎新庄 1142→1245 羽前千歳 山形行1436M  701系2両編成ワンマン 先頭=クハ700-5506

 標準軌の区間にもロングシートの701系が進出していた。他の701系と異なるのはゲージだけではなく、トイレの位置が車端部ではなく、扉間にあること。ここでもドアはボタン開閉式のため、車内温度が保たれている。

 発車前は物音ひとつしない。時間になるとベルも鳴らず、ブレーキの緩解音だけを発して発車した。時折複線区間もあるが、単線が多い。村山で下り新幹線つばさと交換。村山、東根、などからの乗客が多く、ほぼ満席になり、立客も増えて来た。

 進行方向左側の雪山との間の距離は大きくなり、近景には畑が広がっている。時折林立するサクランボの木には、まだ花が咲いていない。

 ワンマン運転では1両目後ろのドアからの乗車となるため、この付近が特に混んでいる。南出羽では、ドア付近の混雑のため、乗車に手間取っていた。

 羽前千歳で仙山線に乗り換えのため下車。ここも無人駅のため、下車するためには先頭部に移動しなくてはならない。下車して列車を見送ると、後ろの車両は若干の空席があるのが見えた。


 羽前千歳駅は1面2線。山形に向かって右側は1435mmゲージ、左側が1067mmゲージとなっているので、方向別ではなく路線別ということになる。この2線が山形側で交差して左右が逆になる線形になっているのが珍しい。左沢線が合流するためだろうか。


◎羽前千歳 1249→1306 面白山高原 仙台行 快速3828M  721系4両編成 最後=クモハ721-10

 羽前千歳での乗り換え客は少なからずいたが、それでも車内は混んでいない。各ボックス1人程度の乗車だ。立石寺のある山寺で上下列車の交換、乗客も若干入れ替わる。左手の急峻な岩山の上の方に、以前登ったことのある立石寺が見える。眼下には小さな門前町も広がっている。

 山寺を出ると人里離れた峠に入る。連続した緩勾配を上り、心持ちカーブがだんだんと急になる。山肌に残る雪も視線に近づいてきた。







 面白山高原は無人駅。駅の周辺には紅葉川渓谷が広がっている。ただし、増水のため渓谷に降りる歩道は通行止めとなっている。駅の上にはスキー場もあり、ホームから階段を上がった所にリフト乗り場がある。また、その向かいには民宿・食堂もある。いずれも現在は閑散としている。30分近く後に山形行の列車が通るので、それを撮影する場所を探すことにした。橋を渡った対岸を少し上って見たが、線路からは離れて行くようなので引き返す。線路と同じ岸を山寺方面に1kmくらい歩き、43kmポストより少し山寺寄りで撮影した。


 駅に戻る。今度は駅横の橋の上から線路を見下ろす位置で、これから乗る仙台行を撮影することにした。右手に滝、中央に渓流、左に線路という構図。


 入ってきた列車を撮り、階段を急いで降りると、ちょうど列車が停車したところ。しばらく停車時間があり、余裕で乗車。



◎面白山高原 1403→1419 作並 E721系6両編成 最後=クモハE721-12

 面白山高原のホーム先端から仙山トンネルに入る。抜けるまで4分くらいかかる長いトンネル。この辺りは仙山線のうち最後に開通した区間だ。仙山トンネルで県境を越え、線路も下り勾配になる。山深く、たまに渓流を渡りながら、作並まで下る。

 作並ではちょうど上下線の列車が交換するところで、駅は無人だが、着物を来た人達がホームの出口に並んでいる。駅前は閑散としているが、作並温泉の送迎バスが3台並んでいる。

 




◎作並駅 1423頃→ 鷹泉閣岩松旅館 送迎バス  

 旅館名の書かれたマイクロバスに乗車すると、着物姿の仲居さん?から、おしぼりのサービスがある。

 乗車時間は僅か5分とのことだが、自動放送での観光案内まで流れる。駅から土産物を買いに行った宿泊客を拾うため、駅の下にある店まで少し大回りして、一旦駅前に戻ってから国道に入る。自動放送が途切れると、運転手が温泉の案内を始める。それも終わるころにちょうど宿に到着した。



 大きな旅館で、ロビーもかなりな規模。フロントの窓口は3つ並び、送迎バスで到着した宿泊客を迎える。

 とりあえず受付だけ行い、その後、しばらくロビーで待つと順番に呼ばれて部屋に案内される。展示物のある小さなホールを抜けて旧館に入り、小さなエレベーターに乗る。3階を下りたところは、リフォームされたのか、古さをあまり感じさせない。 

 1440過ぎに、旧館3階の328号室に入った。案内を読みながら少し待つと、部屋の担当者が挨拶に来た。一通りの説明を受ける。また、夕食の時間について聞かれる。開始時刻は18時から19時半の間にできるとのことなので、19時にした。この時点でまだ15時だ。夕食までゆっくりできる。 

 お茶を飲んでから、まずは地下1階の大浴場不二の湯。渓谷に面していて、洗い場も含めて結構広い。渓流沿いにある露天風呂は洗い場がないため、ここで洗ってから入浴するように案内が出ている。しばらく不二の湯に滞在してから、名物である河原の露天岩風呂へ。江戸時代からの歴史があるという。地下2階までエレベーターで降りて、そこから木造の階段をおよそ90段下りる。

途中に休憩所があり、水も飲める。天然岩風呂には浴槽が4つ。ゆっくりと順繰りに入った。

一旦部屋に戻って休憩してから、1645頃にプールへ行く。温泉プールで暖かい。20m×5mで、水深は深いところで1.2m、浅いところで0.8mと表示されている。浅い所では座っても何とか顔が出るくらい。他に利用者は無く、30分くらい貸切状態で泳いだ。泳ぎ終わって上がるところで、入れ違いで家族連れが泳ぎ始めていた。売店で饅頭を買って、テレビの笑点を観ながらお茶にした。

 18時から再び河原の露天風呂へ。夕食時間に近づき、先程よりも空いてきた。外は夕暮れになった。1850頃に部屋へ戻り、しばらく待つとドアのチャイムが鳴り、夕食が運ばれてきた。最初に挨拶に来た客室係とは別の人。献立表も添付されている。テレビを観ながらゆっくり食べる。20時過ぎに食べ終わり、フロントへ電話すると片付けに来て、間もなく、今度はまた別のスタッフが来て布団を敷いてくれた。

 しばらく食休み。24時過ぎにもう一度入浴してから就寝。なお、旧館から風呂へ行くにはフロントの前を通るが、周囲が寝静まったこの時間でも、1人は必ず座っていて、通る度に挨拶をくれる。

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