2025年3月JRダイヤ改正 横須賀線・東逗子関連と所要時間変遷
2月25日に発売された時刻表に掲載されている2025年3月15日ダイヤ改正のあらましで、横須賀線関連では、「夜間作業時間拡大による初終電の時刻の見直しが行われます」とあり、東京・品川間のトンネル設備維持管理のため、下り久里浜行始発列車が東京始発を品川発に変更、逗子始発東京行最終列車が品川止まりに変更されます。横須賀線の他の部分はどうでしょうか。東逗子を中心に分析してみます。
運転本数は
2022年3月のダイヤ改正では横須賀発着列車の多くが逗子発着に変更となり、東逗子を平日午前6時台から7時台にかけて発車する上り列車が13本から9本へ大幅削減される衝撃がありました。2023年と2024年、そして今回2025年の改正では9本で変わりありません。
1日の運転本数も、平日下り67本と上り68本、土休日下り67本と上り68本で、改正前後で変わりません。ただし、東京からの下り直通列車の運転本数は、東京を4時台に出ていた下りが品川始発となったので、46本から45本に減っています。
所要時間は
東逗子から東京への所要時間で比較すると、最短所要時間は上下線とも64分で変わりません。逗子での増結や大船などでの時間調整で、中には70分を超える列車もあります。
横須賀線電車が最も「速かった」のは、東逗子駅開業よりも前の戦前期です。電気機関車牽引の客車列車だった昭和2年(1927年)の時刻表では東京から横須賀まで直通列車の所要時間は最短で100分だったものが、電車運転開始に伴う昭和5年(1930年)改正で68分となり、昭和19年(1944年)改正で70分に延びるまで続きました。戦後は過密ダイヤのためか所要時間が徐々に延び、新川崎経由になって距離が伸びたたことや停車駅の増加、大船や逗子での停車時間が長くなりました。2025年3月改正後の東京から横須賀への下り最短は、東京19:24発の71分です。
平日の下りで東京から横須賀まで直通運転している列車に限定して、運転本数と所要時間の変遷を、以下の表のとおり集計しました。東逗子駅は1952年(昭和27年)の開業なので、以降の年だけ掲載しています。
横須賀線は1914年から1924年にかけて順次複線化。1925年(大正14年)に電化して、蒸気機関車牽引から電気機関車牽引に代わったことで大幅に時間短縮しました。そして、1930年(昭和5年)にこれまでの客車列車から電車に代わって更なる高速化が図られました。1930年に湘南電鉄が黄金町から浦賀・湘南逗子まで開業し、翌1931年(昭和6年)には横浜・黄金町間が開通して横須賀線と競合することになったため思い切ったスピードアップがなされたようです。
戦後は電車の性能向上と最高速度引き上げによる時間短縮と、経路変更(川崎経由から新川崎経由になって距離が2.1km延びたこと)や停車駅の追加(かつては川崎も通過だったのが、西大井・武蔵小杉・新川崎・東戸塚・東逗子が停車駅に加わったこと)による所要時間増が綱引きして現在に至っています。また、最近では後続の湘南新宿ラインを逗子で待つなど、時間調整の停車時間が長くなっているように感じられます。逗子での増結も、貫通幌の取り付けや電気配線の接続作業も行っていた113系の時代と停車時間が変わっていないのが現状です。
※ 1944年から1950年まではデータイムの列車が東京発時刻しか記載されていなかったので、運転本数には入れていますが平均時間の計算には含めていません。
※ 久里浜行列車で横須賀の停車時間が明らかに長いと思われる列車については他の列車を参考に横須賀到着時刻を推計しました。
新型車両の追加投入
ダイヤ改正を待たずにE235系車両が追加投入されています。現時点で横須賀線・総武快速線用のE235系電車は、基本編成が48編成、付属編成が43編成が運用に入っています。最終的に基本51編成付属46編成が投入される計画です。一方でE217系は基本・附属各3編成を残すのみです。今後のE217系の動向について現時点ではJRの公式HPに掲載されていませんが、この改正で引退するとのニュースも出ています。
モーター車がE217系よりも多いE235系に統一された暁には時間短縮を期待したいところですが、今回の改正で速達化は見られません。
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