2008年09月 熊本旅行 2日目 - 0系こだま、南阿蘇鉄道、阿蘇地獄温泉
サンライズで岡山に着き、山陽新幹線で最後の活躍をしていた0系こだまに博多まで乗車。九州新幹線建設工事の様子を横目で見ながら在来線特急「有明」と豊肥本線普通列車、南阿蘇鉄道を乗り継いで、阿蘇地獄温泉に宿泊しました。
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平成20年(2008年)9月12日(金)
姫路に到着したところで目覚める。姫路の発車はちょうどアラームをセットしていた540で、14分延。まだ夜が明けたばかりだが、遠方まで見渡せる明るさ。雲は少ないようだ。605までアラームを延長して、もうしばらく横になる。上郡の発車は605で16分延。
空の雲は少ないが、小高い山に囲まれた田園地帯には霧がかかっている。
625に朝の車内放送が始まる。列車の遅れは東海道線内の信号規制によるものらしい。岡山の到着は642頃の見込とのことだが、急ぎの乗客は岡山705発の南風1号とやくも1号に乗るよう案内している。ということは岡山で705以降まで停車するのか、それとも岡山直後に追い抜かれるということか。これらの列車には寝台特急券のままで乗車できるとのこと。先行列車の関係か、さらに減速している。645に東岡山を通過した。
結局、岡山の到着は650過ぎで、約25分の遅れ。次の列車を待っていたらしい女子高生のグループがサンライズを見て「乗りた~い」と話していた。
サンライズ瀬戸・出雲はここで切り離し、659頃と702頃にそれぞれ発車していった。南風ややくもは途中の駅で待避するのだろう。
◎岡山 723→1041 博多 こだま629号 博多行新幹線629A 0系6両編成2号車=26-7210(S58日本車両製、H02JR博多総合車両所改造)
時刻表で他のこだまと比較して、長時間停車の駅を推測する。東広島、新岩国、小倉での停車時間が長そうだ。特に東広島は10分程度止まるようである。この3駅以外にも2、3分程度の待避待ちは幾つかありそうだ。
線路のすぐ脇に城のある福山では短い停車時間に少なからぬ乗客が入れ替わる。山陽新幹線の各駅のホームに、「コメット、紙テープの使用はご遠慮ください」の掲示があるが、そのような問題が多かったのだろうか。
父からメールが入ったので、三原でひかりを待避したところを撮影してから、これを添付して返信した。次の東広島は10分停車と推測していたが、実際は駅接近時の速度を抑えるダイヤになっていたようで、5分停車だった。それでも、上りホームに行き、通過線を挟んだ好位置で0系新幹線の編成写真を撮った。上りホームに走って撮る人は他にも1人いた。
隣の3号車にはビュッフェの跡か車内販売準備用か、厨房・カウンターのスペースがあり、その向かい側にはカード式公衆電話。かつてビュッフェにあった速度計は見当たらない。また、3号車には車椅子用のスペースがあり、この付近は1+1シートで、デッキとの間の自動ドアも幅が広い。
広島から厚狭まで車内販売が乗車。ペットボトルのお茶を購入。
新岩国でもひかりレールスター通過待ちで4分停車。ここでは上りの待避線に100系こだまが停車しており、並んだ状態での撮影ができた。車内に戻る際に先頭車両から乗車して運転室を覗くと、2人で乗務しているようだ。「信号70」とか「緩解よし」といった確認喚呼の声が聞こえる。
新山口では、機回し中のSL(C56?)が高架下の機関庫付近に見えた。今日はSLやまぐち号の運行日だろうか。
厚狭では短い停車時間に運転士の交替をしていた。引き続き2名乗務している。新下関では右手高架下に新幹線の車庫があり、0系が1編成だけぽつんと停まっていた。新下関を出ると間もなく新関門トンネルに入る。
小倉では7分停車して最後の小休止。2面4線の外側の線に停車のため、東広島のように編成写真は撮れない。ホームから先頭部などを近接撮影。なお、小倉駅ホームの駅弁売場や売店は、上りホームには幾つもあるが、下りホームには売店が1つしか見当たらない。
小倉を出た後で、車掌から博多・大牟田間の自由席特急券を購入。新幹線の特急券を見せると、はじめ乗継割引を適用してくれそうになったが、サンライズに乗継割引適用済と申告して通常料金で購入。新幹線の特急券に「乗継」のスタンプを押していなかったので、他で乗継割引を使っていないと思ったらしい。特急券はレシート状の薄い券で、自動改札には未対応との表示。車掌は、こちらから尋ねなくても博多からの在来線特急の時刻や乗場を案内してくれた。
小倉・博多間もトンネルが多い。その合間に見える風景は、思ったより緑が多い。沿岸部は工業地帯だが、新幹線の通る内陸はそうでもないようだ。しかし、博多到着5分前あたりから、高架から見える風景が急に大都市になった。車内の乗客数は途中駅での増減があったが、概ね3~4割で推移していたようだ。
博多に到着。ここでも若干撮影。新幹線ホームは2面4線だが、九州新幹線が通るときには拡張するのだろうか。ホームの反対側にN700系のぞみが到着したのと入れ替わりに、こだまは博多南方面に回送していった。これを見送ってから急いで在来線ホームに移動。駅構内は工事中の様子で、壁や柱にシートが張られた箇所が多く、やや薄暗い。
◎博多 1052→1238 光の森 有明3号 光の森行L特急1003M 787系4両編成最後4号車=クハ787-112
発車間際なので既に車内は7割程度の席が埋まっており、最後部だけ窓側が空いていた。ここに着席。博多付近の新幹線高架下では、地盤の掘り下げを伴う工事をしていた。
二日市付近で検札に回ってきた初老の車掌の名札には「JR九州企画」と表示されている。ドア扱いなどの運転車掌業務は直営で、検札などの客扱車掌業務は委託しているのだろうか。その車掌は最後部まで検札が終わると、後ろの乗務員室で本務らしい車掌と談笑している。おそらく、JR九州OBの再就職用の関連会社で、現役時代からの付き合いがあるのだろう。その車掌は鳥栖で下車したようだ。始発の博多発車直後は特急券の販売も多いので、この区間だけ委託しているようだ。久留米を出てから、本務らしい車掌が巡回していたが、更に前方から別の車掌が入ってきた。最初は委託を含めた3人で、その後は2人なのか。
沿線の各所で九州新幹線の工事が進んでいる。高架線の脚部だけが並んでいる区間と路盤まで出来ている区間が交互にある。
玉名辺りから空いてきたので車内を少し歩く。客室の中間部分に荷物置場があり、客室を仕切っている。デッキには飲み物の自販機がある。客室の床は豹柄のじゅうたんが、座席部・通路部ともに敷かれている。座席のモケットも同じ柄。座席には簡易なフットレストあり。頭上の収納は、航空機のようにドアが付いている。窓は列ごとの小窓。
熊本駅構内でも新幹線の高架工事が進んでいて、そのせいか、構内が手狭に感じる。熊本でほとんどの乗客が降り、4号車の乗客は僅か2名になった。そのためか、空いている席から座席の方向転換や車内清掃を行うとの案内放送が流れる。何だか、熊本折り返しの有明の間合い運用のような感じだ。
ここから豊肥本線に入る。鹿児島本線内も車内は揺れて、通路を歩くのが大変だったが、豊肥本線に入ってから、着席中でも揺れが大きいと感じた。先程まで新幹線に乗っていたため余計にそう感じるのかも知れないが、規格の低い路線を目一杯飛ばしているような印象だ。通過駅では、構内踏切ぎりぎりまで通学の高校生でひしめいている所もあった。単線の豊肥本線に入ってから、周囲の家並みの軒先も近くなった。
終点の光の森で下車。ホーム1面2線の橋上駅(有人)。近くにショッピングセンターやシネマコンプレックスがある。最近開発されたような雰囲気。線路際にオレンジ色の花が咲いている。これを入れて、折り返しの列車を撮影して駅に戻る。
◎光の森 1253→1303 肥後大津 肥後大津行1447M 815系2両編成先頭=クハ814-27
ロングシートだが、座席のクッションが1人分ずつ分かれている。ドア間の窓は座席7人分の幅の1枚ガラスで、とても大きく、景色も開けて見える。
◎肥後大津 1310→1324 立野 宮地行433D キハ200系2両編成先頭=キハ200-101
ここから非電化区間。沿線も、ここまでの住宅中心から、畑や林が中心になる。田は余り目に付かない。川に沿って、だんだんと高度を上げてくる。
立野で下車。駅から山を上る道を適当に探して、スイッチバックの見える場所を探す。あまり良いアングルは見当たらなかったが、スイッチバックを経て遠方の峠を上って行く列車を撮影。まだ暑い道を駅に戻る。駅近くにある立野小学校は運動会の応援合戦の練習だろうか。20~30人くらいの小規模校のようだが、威勢の良い掛け声が聞こえてくる。
立野駅はJRと南阿蘇鉄道の駅が一応分かれている。南阿蘇鉄道の駅は、トロッコ列車の発着時以外は無人のようだ。JRの駅は近距離券売機もあるが、駅員も1人いる。みどりの窓口ではなく、クレジットカード未対応との張り紙があるが、POS端末による機械発券のようだ。看板には寝台券も入っているが、どのように発行するのだろう?昔ながらの電話連絡による手書処理ならば見てみたいが。CTCセンターからだろうか、時折構内放送が列車の接近を告げている。また、問い合わせらしき電話も頻繁に鳴っている。
折り返しの列車からは遠足らしい幼稚園児の一団が降りてきた。
◎立野 1430→1449 阿蘇下田城ふれあい温泉 高森行8017 MT-2001単行ワンマン
駅周辺は閑散としていたが、発車時刻になると車内の乗客は10人余りになった。ところが、運転士がなぜか現れない。1435になって運転士が着席。踏切も鳴っていなかったので、JRの接続待ちだろうか。7分遅れで発車。遅れた理由の案内はないが、発車してから(所定の)到着時刻の案内があり、トンネルを抜けた先にある第一白川鉄橋のガイドもある。
外輪山の内側に入ると、田が広がっている。稲刈りも一部終わっているようだ。田は緩やかな傾斜の上に、少しずつ高さが異なる。
JTB時刻表では阿蘇下田城は1450だが、運転席の詳細の時刻表では1449.45着とされている。阿蘇下田城駅は小さな温泉施設を併設している城郭風の建物。待合室は売店になっていて、地元の農産物や民芸品を売っている。日帰り温泉のフロントのおじさんがこれらを兼ねているようだ。
◎阿蘇下田駅 1505→1522 地獄温泉 垂玉・地獄温泉行 九州産交バス 熊本22か2999
この便だけは阿蘇下田駅発着のため、駅前から出る。高森発着の便は駅前までは入らず、通り沿いのバス停を発着するらしい。乗客は2名。駅の脇に停まっていたのが、高森からの列車が着くと同時に発車しかけたが、一旦、駅正面に停車。売店のおじさんが手で×印を示すと発車。どうやら阿蘇下田駅1506の列車に接続するらしい。
乗客の乗降がないまま、バスは里を抜けてカーブの連続する山道を上る。道幅は狭く、車のすれ違える場所は限られる。垂玉温泉を出てまた少し上ると、終点の地獄温泉。バスの折り返し場の眼下には最近閉鎖になった国民宿舎。ここから坂を上がった所に地獄温泉清風荘がある。バスを降りた所から硫黄の匂いがする。
(宿泊)阿蘇地獄温泉清風荘 本館
歴史ある木造の本館前には猪の剥製と、秘湯を守る会の提灯。本館の受付へ行き、15時半頃にチェックイン。夕食の時間を18時半に設定。風呂や食事どころなどの案内を受けながら2階に上がり、上10号室に入る。
16時に部屋の係の人が来る。朝食の時間の確認で、バスの時間との兼ね合いから最も早い7時とした。
明治中期の建築という本館の部屋は廊下や隣の部屋との仕切りは襖のみで、鍵も付いていない。金庫もないので、貴重品はフロントに預けた。10号室は6畳の角部屋で、縁側のようなものが付いている。テレビはコイン式(2時間100円)。畳はまだ新しそうだ。
ポットには薬草茶が用意されている。お茶受けは餡の入った砂糖菓子で阿蘇くじゅう国立公園みやげ「銅銭糖」。当地は携帯の電波もワンセグ放送も部屋で受信可能。
財布をフロントに預けてから、1620頃に名物のすずめの湯へ。8割方屋根のかかった半露天風呂は、石畳の通路を挟んで熱めの湯と温めの湯に分かれ、更に細い枠で熱めの湯は2つ、温めの湯は6つの区画に仕切られている。大きな男女別脱衣室の中には内湯がある。近くに鶏を飼っているようで、鶏の声が響き、硫黄の他に鳥小屋の匂いも少しある。
すずめの湯は、結構混んでいる。脱衣場を兼ねた内湯でかけ湯をしてから露天風呂へ。どの区画も、石や砂の敷かれた浴槽下から湯やガスがわき出ており、常にポコポコと音がしている。客層は様々で、地元のおじさんから自分と同様の一人旅、老夫婦や若いカップルまで。親子連れもいるようだ。女性は湯浴み着かバスタオルのようなものを纏っている。最初は、多少空いていた熱めの湯、その後、ぬるめの湯へ移動。泥湯とのことだが、現在は泥というより砂が主で、それでもどこからか汲み上げた泥を顔などに塗っている人が何人かいた。夕食の時間が近づくにつれて少しずつ空いてきた。一時小雨が降ったが17時過ぎまで滞在。
フロントでテレビ欄のコピーを所望してから部屋に戻る。夕食前に露天岩風呂にも行こうかと思ったが、雨が降ってきたようなので、部屋で休息することにした。
1834頃、食事処「曲水庵」からの、夕食の準備ができたとの電話を受け、渡り廊下を通って「曲水庵」へ。古民家風の店内に張り巡らせた小川を樽舟で料理が運ばれて来るという設備があるが、案内された席は川がない場所。食事のメニューによって異なるようで、野鳥いろり焼きコースは小川寄りらしい。今回選んだのは地獄鍋コース。その他のコースは本館らしい。
地獄鍋は、猪鍋と、雉・鹿の鉄板焼きが合わさったもの。鍋の熱源は本物の炭火で、風情がある。他の旅館で見たことのない趣向の食事で、新鮮味があった。
1950頃部屋に戻り、少し休んでから20時近くにフロントへ電話。デザートが運ばれて来た。デザートを食べ、イヤホンを接続した携帯でワンセグ放送を観ながら食休み。部屋には普通のテレビもあるが有料だし、隣に音が響くので。隣の部屋のテレビの音や電話の話し声はよく聞こえたし、早くもいびきが聞こえてきた。
2120頃に内湯大浴場の元湯に入浴。ここには洗い場にシャワーが付いている。脱衣所で先客と入れ替わりで、しばらく男湯を独占。
22時近くから部屋で携帯TVを観て休憩。
2245頃に試しに外に出ると雨が止んでいたので、すずめの湯への階段を下りる。熱め温めいずれの浴槽も先客は無く、温めの湯に入る。熱めの湯は2つ、温めの湯は6つの区画に区分されているが、そのうち沢の水を加水しているホースが入っている区画は特に湯温が低く、長く入れそうなのでそちらへ。しかし、少し温すぎるので、隣の区画に行く。暫く独占状態が続いたが、2330近くに、立て続けに2組3人の入浴客。中年の男性1人と、30-40代?男女ペア。隣の区画に入ろうとした女性客が、浴槽の縁の湯で滑りバランスを崩しそうになっていた。
浴室の照明は24時までだが、余り2人組を邪魔しても何なので、2340過ぎに浴槽を出て、脱衣室でゆっくり着替えてから24時前に部屋に戻った。
2430を回り、寝る態勢に入る。
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