2008年09月 熊本旅行 4日目 - 熊本電鉄、熊本市電乗車
この日は杖立温泉からバスで日田に出て、普通列車と特急「有明」を乗り継いで新水前寺へ。その後、熊本市交通局(熊本市電)と熊本電気鉄道の乗りつぶし。
当時の熊本電鉄には元東急の5000系が現役でした。また、2022年10月に移転する前の終点御代志駅は、ホームにバス停を併設していて、電車とバスが対面で乗り換えられる珍しい構造でした。
熊本市内乗りつぶしの途中、上熊本駅ホームで寝台特急「はやぶさ」の通過を撮影。周囲では九州新幹線の高架が建設中でした。
平成20年(2008年)9月 14日(日)
6時半に起床。軽目の朝食をゆっくり食べてから、720に元湯へ向けて宿を外出。
橋の下にある元湯は屋根がかかった岩風呂。30分近く居たが、この間、散歩で通りがかる人はいたが、他の入浴客は無く、貸切状態だった。
8時過ぎに宿に戻って荷物をまとめる。フロントがいつも無人なので、内線でフロントに電話してから1階に下りる。1階の宴会場らしき部屋にスリッパが並んでいて、他にも宿泊客がいたことが確認できた。
程なく、幾つかの靴を出しながら現れ、チェックアウトに入る。帰りの車でお召し上がりくださいと、缶ジュースを1本くれた。朝食は召し上がりましたか?と聞かれ、何のことかと思っていたら、違う部屋と間違えたらしい。1万円札を出すと奥の部屋にお釣りを取りに戻る。会計が終わるが、まだ自分の靴は出ていないので、靴を頼むと幾つか持ってきた。靴は預かっても、どの客のものかは区別していないようだ。
チェックアウトに10分近くかかり、バスの時間まで10分。橋の周囲を撮影してからバス停へ。無数の絵馬が掛った橋は絵になりそうだ。
◎杖立温泉 840→925 日田バスセンター 日田バスセンター行 日田バス 大分22あ・103
杖立温泉バス停には、九産交バスと日田バスの車両が並んで待機している。定刻に発車。この時点での乗客は2人。温泉街を抜けると、バスは緑の山が映り込む穏やかな川に沿って走り、その川は幅を広げて、やがてダムに至った。その後も川沿いに走行。途中で少しずつ乗客が増え、5人になった。ここまで平行してきた大山川が天瀬方面からの三隅川に合流する高瀬の橋を渡ると日田の市街地に入った。
途中のバス停で何度か時間調整をしていたためか、日田バスセンターには定刻に到着。土産物店が入ったバスセンターは、外観の印象よりも大きい。JRの日田駅は、道路を挟んで向側にある。
◎日田 929→1035 久留米 久留米行1838D キハ200系2両編成ワンマン 先頭=キハ200-1001
券売機で久留米までの乗車券を購入して、何とか乗ることができた。後ろの車両は200系のトップナンバー。転換クロスシートの車内は2割弱の乗車率。前方の展望が良く、兄弟らしい子供が窓にへばり付いている。昔のディーゼルカーと比べてエンジン出力が大きいので、快適に飛ばす。
日田彦山線と分岐する夜明は2面3線。日田彦山線は日田方で分岐し、1・2番線は久大本線専用。3番線のホーム途上からカーブを描いて離れて行く線形なので、夜明で日田彦山線列車同士の交換はできない。
川沿いの山間部を走っていたが、やがて平野に出た。筑後吉井駅(有人)はナマコ壁の土蔵造り。
カッパをデザインした駅舎の田主丸で5分停車して、列車交換待ち。駅舎も特徴あるが、上りホームにはカッパの像もある。特急ゆふいんの森1号が高速で通過して行くのを見送って発車。
善導寺駅には、世界平和祈願の巨大な数珠が掛けられている。
久大本線はローカルな印象だが、「本線」だけあって交換駅も多く、このエリアでは有人駅の割合も大きい。そのため、ワンマン列車であっても運転手が運賃を収受する光景はあまり見かけない。
久留米手前では新幹線の軌道が頭上に通る予定で、在来線を跨いで鉄骨の橋脚が林立していた。
◎久留米 1039→1127 大牟田 大牟田行3389M 813系6両編成 先頭=クハ812-1102
リレーつばめを先行させて注意信号で発車。先頭車両の乗客は2名で、ガラガラに空いている。ドア付近の吊り革は円形に並び、この車両の特徴の1つとなっている。
羽犬塚で5分停車。その横を、寝台特急はやぶさが通過して行った。長時間停車の時は、一旦すべてのドアを開けた後、中間以外の扉を閉め、発車間近にもう一度すべてのドアを開けている。終着手前の銀水でも特急通過待ち。
日田からの乗車券を大牟田で精算。ここからは周遊ゾーンに戻る。大牟田駅の改札を入った所には大きな石炭の固まりが展示されている。大牟田はかつて三井三池炭鉱で栄えた所。
◎大牟田 1141→1226 新水前寺 有明3号 光の森行L特急1003M 787系4両編成 4号車=クハ787-1
一昨日と同じ時間の列車で、787系4両編成であることも同じだが、今日の車両は中間部分の荷物置場が無い。じゅうたんや座席の色も、一昨日とは異なり、座席が緑と黄土色のまだら模様、床のカーペットは茶系統。
車内で、熊本での行程を検討。羽犬塚ではやぶさを見て、はやぶさを撮りたくなった。新水前寺から健軍町を回って上熊本まで戻れば、熊本電鉄を乗ってからでも何とか上熊本ではやぶさの通過に間に合いそうだ。
◎水前寺駅通 1230→1240頃 健軍町 健軍町行2系統 1210単行
釣り掛け駆動で床は板張り。降りる時のブザーボタンを押すとチンとベルが鳴る。昔ながらの路面電車の雰囲気を残している。下車の際に1日乗車券(区間指定500円=市電全線と中心部のバス)を購入。利用日をスクラッチする方式で、今日の利用と言うと運転士が爪で削ってくれた。
◎健軍町 1245→1328 上熊本駅前 上熊本駅前行3系統 8503単行
今度も釣り掛け駆動だが、リノリウム床で、ロングシートと1人掛け転換クロスシートの組み合わせ。車体だけ更新したのだろうか。
水前寺駅通で豊肥本線の高架下を通る際に左手の新水前寺駅を見上げると、787系列車が発車して行くところ。先程乗ってきた有明の折り返しだ。
辛島町までは田崎橋へ行く2系統と軌道を共有しているためか、先行車に接近することもある。通町筋では正面に熊本城が見えてきた。辛島町を出て右折。その後、田崎橋への路線が左に分かれて行くのを見て、洗馬橋~新町の1駅間だけ専用軌道。洗馬橋まで、車道部分は片側2車線だったが、新町からの車道は片側1車線。電停の安全地帯は、これまでと同様に狭い。
段山町からは鹿児島本線の線路の近くを併走する。九州新幹線の工事現場も見える。やがて市電の車庫が見えてきて、上熊本駅前に到着。
JRの上熊本駅は、かつて訪れた時は木造の堂々とした駅舎だったが、現在はプレハブのような建物になっている。九州新幹線の工事による建替だろうか?
◎上熊本 1350→1359 北熊本 北熊本行 5101A単行ワンマン
北熊本までの区間は単車が折り返し運転している。元東急5000系(通称・青がえる)を単車に改造したもので、上熊本方は昔の東急5000系の形状を残しているが、北熊本方は切り妻の形状。しかし、塗装は各所で剥げ、一見した所、とても現役とは思えない有り様。冷房は無く、すべての窓が1段開けられ、5台の扇風機が稼働している。
踏切は昔ながらのベルで趣がある。池田と打越の間にはトンネルがあり、その周囲の軌道は草むしている。
藤崎宮前からの線路が近づき、北熊本。車庫があり、東急や都営地下鉄で使われていたと思われる車両が多数留置されている。中には由緒ありそうな茶色い電車(元・広浜電鉄)がいた。北熊本は有人駅。乗り換えの人はそのまま整理券を持って乗り換える。
◎北熊本 1401→1421 御代志 御代志行 6000系2両編成ワンマン先頭=6211A
熊本電鉄は自転車の持込みが可能なようで、ホームから自転車を押して乗り込む人がいる。電車は元・都営三田線の車両と思われる。こちらは冷房付。警笛がバスのクラクションと似た特徴ある音。見通しの悪いカーブが多いためか、頻繁に鳴らしている。
上熊本からの線は支線で、こちらが本線の扱いだが、電車の走行速度はどちらも低い。せいぜい45km/h程度。
片面ホームの新須屋には、隣接駅名の所に黄色いライトが付いた珍しい駅名板がある。踏切のように接近列車の方向を示している。
町並みが続く中、御代志に到着。昭和61年までは、この先も菊池まで路線が続いていたが、現在は御代志が終点。駅舎は無く、ホーム上屋のみ。公衆トイレとバス乗り場が隣接。かつての島式ホームの線路と反対側の面は舗装され、ホームにバス停のポールが立つ。同じホームで電車とバスの乗り継ぎができる趣向だ。折り返しに少し時間があるため、道路沿いに200m位、菊池方面の様子を見に行く。しばらく行くと、木に囲まれた砂利道が伸びている場所が見えた。ここが廃線跡のようだが、レールは残っていない。
◎御代志 1441→1507 藤崎宮前 藤崎宮前行 同編成先頭=6218A
黒石で同型の下り列車と交換。本線の踏切も古めかしい音。列車の走行速度が低いのに合わせたのか、遮断機が下がるのは列車がかなり近づいてからのところが多い。
上り列車はだんだんと乗客が増えてくるが、それでも先頭車両の乗客は15人ほど。
藤崎宮前の近くには急なカーブが連続し、レールを軋ませながら民家の軒先をかすめて進む。
終点の藤崎宮前は、降車ホームと乗車ホームが分かれた立派な造りだが無人駅。古い切符などを販売する窓口は閉まっている。改札口の上に整理券発行機がある。
改札を出て薄暗いアーケードを抜けると、パチンコ屋の脇から道路に出る。左手の遠方に藤崎宮が見えるが、折り返しの間に行くのは大変そうだ。バス停があり、上熊本へショートカットする便があれば乗ろうかと思ったが、適当な便はない。結局、電車内に戻って発車を待つ。
◎藤崎宮前 1525→1531 北熊本 御代志行 同編成先頭=6211A
同じ編成で折り返す。
◎北熊本 1532→1541 上熊本 上熊本行 5101A単行ワンマン
北熊本ですぐの接続。上手いダイヤになっている。最初と同じ車両で上熊本に戻る。
寝台特急「はやぶさ」を撮るための位置を探すために大牟田方へ少し歩くが、良いポイントは見つからず、結局上熊本駅ホームから撮ることにした。改札を入ってホームへ出るが、ついに雨が降り始めた。列車の通過直前まで上屋の下に居て、列車が接近してからホームの先端に出ることにした。787系特急が先触れに通過、その後1600に「はやぶさ」が通過した。
◎上熊本 1612→1616 熊本 八代行5351M 815系2両編成ワンマン先頭=クハ814-9
ロングシートの電車で熊本まで1駅。右側には新幹線の建設中の軌道が続く。
熊本駅の土産物店を覗いてから2階の書店で情報収集。ホテル最寄りの辛島町に県内の観光物産館があるらしい。18時までなので、田崎橋に寄ったらホテルに直行して、チェックイン後に行くことにしよう。
◎熊本駅前 1636→ 田崎橋 1210単行ワンマン
ここから田崎橋まで乗る人は少ないのか、運転士から、どこまで乗るのか聞かれた。逆方向に誤乗する人がいるのだろう。木の床の釣り掛け。田崎橋の100mくらい手前から単線になる。市電は通常左側から乗り降りするが、田崎橋は右側にしか安全地帯が無いので、到着すると運転士は後ろに移動してから右のドアを開ける。
◎田崎橋 1647→ 辛島町 2系統 健軍町行 1352単行ワンマン
床は木ではないが釣り掛け駆動でロングシート。熊本駅前から多数の乗車がある。
辛島町で下車し、地図を調べてホテルに向かう。ホテル近くのバスセンター辺りからは、遠くに熊本城を望める。日曜夜にはライトアップされるようだ。
ホテルドーミーイン熊本
ホテルに到着して1715にチェックイン。フロントの横には無料でインターネットが使えるパソコンが3台。フロントは3人で対応しているが、たまに列ができるほど賑わっている。チェックインの際、朝食バイキングの利用をするかどうか聞かれる。630からとのこと。明日の日程を検討してから決めることにして、とりあえず保留。
216号室に入る。照明は入り口にルームキーを差して稼働するタブレット式。部屋にバスタブは無いが、シャワーとトイレが付いている。ベッドはダブルサイズ。デジタル放送対応のテレビ、空の冷蔵庫、電気ポット、ドライヤーがある。また、ノートパソコン利用者のためにLANケーブルがあり、しかも1泊1,000円でパソコンレンタルサービスがある。また、パソコン等の利用を前提とした設計なので、コンセントが多い。空きコンセントは、デスク横に3穴、廊下に2穴、洗面台横にアース付きが1穴、ベッド脇に1穴ある。玄関から洗面にかけての照明は人感センサー。しかし、デスクの位置がセンサーの範囲にかかるようで、座る位置が少し変わると照明が点いたり消えたりするのが難点。ごみ箱が何故か2つ並べて置いてある。特に分別の表示は無いが。
荷物を置いて、辛島町電停手前のビルの3階にある観光物産館へ。思ったより小規模。県の物産館なので阿蘇地方のものもあるかと思ったが、菓子類に限っては熊本駅の店と大して変わらないようだ。工芸品はたくさんあるので、そういった物を買おうとする場合は参考になるだろう。とりあえず自宅用の菓子を購入。球磨焼酎のミニボトルを買おうかと思ったが、先週から、工業用限定で農水省が放出した、いわゆる事故米が食用として焼酎メーカーなどに転売されていた事件が発覚したこともあり、とりあえず保留。
18時半に部屋へ戻って夕食の情報収集。熊本ラーメンにしようかと思ったが、部屋備え付けの案内誌は和食の郷土料理中心で、ラーメンの記述は少ない。結局、辛島町のアーケード街にある「元祖熊本ラーメン赤のれん」に1920頃に入った。お勧めメニューのにんにくラーメンを注文。細い麺で茹でるのに時間がかからないのか、4分位で出てくる。豚骨スープにチャーシューとネギは通常のラーメンと同じだが、キクラゲとフライドガーリックが大量にトッピングされている。味はいけている。
食べ終わってから熊本城を眺めに行く。
◎辛島町 1937→1938 熊本城 3系統 健軍町行 1201単行
1日乗車券があるので1駅区間でも乗車。
熊本城で下車して、城を目指す。辛島町からもよく見えるくらいだが、意外と遠い。しかも上り坂。今年、熊本城の本丸御殿が再建された他、場内に幾つもの建物があるため、どれが天守閣か分かりにくかった。
◎熊本城 2011→2016 西辛島町 上熊本駅前行3系統 2両連接車 後車=9705B
連接車には車掌が乗務している。そして、車内には大きな鉢に本物の花が生けられている。地元のボランティア活動らしいが、このようなものは初めて見た。
西辛島町のローソンで飲料を調達してからホテルに戻り、2030頃から大河ドラマ篤姫を(途中から)観る。
22時過ぎに13階の風呂へ。この時間は利用客が多いが、問題ない。洗い場が8区画ほど、内湯が通常の浴槽と水風呂、扉を経て隣の露天は高温の湯とぬるい湯の2種類、あとサウナもある。脱衣室は空調が効いている。
23時前に部屋に戻る。ここで気づいたが、この部屋にはタオル掛けに類するものが見当たらない。シャワー室のシャンプー置きのような台にかけるのか、ベッド近くのハンガー掛けのような所に掛けるのだろうか。脱衣室には使用済みタオルの回収箱があるが、翌朝も風呂を使う場合は部屋に持ち帰る方式なので、このような疑義が生じる。
風呂と同じ階に「手もみ処」と称するマッサージルームがある。内線で予約を希望すると、23時台はいっぱいで、2410からとなった。それまでTVをみたり、旅行記録をまとめたりして過ごす。
24時を回り、13階へ。少し待ってからマッサージを受ける。現金も用意していたが、支払いは翌朝のフロント清算とのこと。部屋に戻って、ポットの湯でお茶を飲んでから25時過ぎに消灯。
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